紫匂う Smell of purple

葉室麟の『紫匂う』を読みました。
最近この作家の小説をよく読みます。
時代小説でした。

良かった。
最近読んだ小説で一番良かった。

武家の妻であり、母である女性が主人公です。
彼女の初めての男性への恋心、妻として母としての心のゆれ・・・。
その男性は出世するが、政争に巻き込まれ、罪人として国に帰る時に脱走を・・・。
彼女の夫は、凡庸に勤めているように見えるが・・・。
この三人を中心に話が展開します。

この作家の小説は、正義は最悪の結果にはならないので、どきどきしながら、安心して読めます。
話の筋は、どちらかというと、シンプルですが、心情描写が良いです。
心温まる表現が多く、読んでいて、良い気持ちにしてくれます。

私の読後評価は、もちろん最高の５☆です。