日曜日、松之木天辺の公演を観る。
松之木天辺は、新潟県(現)新発田市出身。
新潟大学を卒業後、1998年にオペラシアターこんにゃく座へ入座。
数多くのオペラの舞台に立つ。
2004年退座後、本格的にソロ活動を開始。
ジャンルの枠を超えた活動を行っている。
松之木氏とは、大学が同じで、
合唱団関係で繋がりがあった。
こんにゃく座への入座に伴う上京と時を同じく、
僕も東京へ行った関係で、
彼の出るこんにゃく座の芝居は数多く観させて頂いた。
新潟でのソロ公演に際し、若干の情報提供をさせて頂いた関係で、
プログラムに名前を載せて頂いてしまった。。。恐縮です。
ソロの公演を観るのは初。
会場はりゅーとぴあスタジオB。新潟への凱旋公演。
2日目の公演を観る。
「モノポリオペラ」とは、
歌と芝居とダンスが混然一体となった独自の舞台。
まず、シューベルトの「魔王」(松之木天辺訳)。
風を受けながら4役を演じ分け、独特の衣装を着て演じる。
衣装の効果が非常に高かった。
演じ分けに関しては良かったと思う。
ドイツ歌曲の古典とも言うべき作品。
あともう一歩の歌唱の安定があればなお良いと思う。
転換の後、
「鏡」(作/岸田今日子 曲/松之木天辺)。
本人の作曲だが、
(分析的ではなく)印象的には、
こんにゃく座の林光や萩京子の作風に
影響を受けている気がした。
これは、次の作品でも感じたのだが、
松之木氏は、中性的な部分の幅広さを持っている。
これは、多分、持って生まれたものだと思う。
なので男女の演じ分けに関しては、一日の長がある。
彼の演技の幅広さ。
岸田今日子をリスペクトしているだけあって、
観る者を惹きつける集中力ある演技になった。
休憩後、
「シグナルとシグナレス」(作/宮澤賢治 曲/萩京子)。
不勉強で、ストーリーを追いきれなかった。
しかし、こんにゃく座で数多くの役を経験したものが
演技に生きていると思った。
役の演じ分けと安定感。
男女の交代が非常にスムーズで自然。
全体を通して、
松之木氏のやりたいことは観客に伝わったのでは。
これまで積んできた経験を、余すところなく魅せた舞台だった。
一人で舞台をやり切るということは、想像以上に大変なはず。
しかし、このモノポリオペラの
可能性や方向性は示せたのでは。
これで、より一層表現力を磨けば、
より説得力を増していくと思う。
これからの歩みは大変だとはと思うが、
ずっと注目していきたい。
東京をはじめ、また新潟でも定期的に
公演を打って欲しいと思う。
松之木天辺の更なる飛躍に目が離せない。
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