随分前になってしまいましたが、
少しタイトルについて振り返りたいと思います。
あまり詳しくは書けませんが、
今回は急遽開催が決定したアジアユース合唱団でした。
正確に書くと、アジアユース合唱団もその一環として開催されてきた
「新潟アジア文化祭」が、「新潟県民文化祭」と統合され、
「新潟文化祭」へとリニューアルした、というのが事実です。
新潟アジア文化祭は、近年縮小傾向にあり、
諸々の事情から統合、リニューアルされました。
その新潟文化祭へ組み込んでもらい、
これまで新潟県が全て行ってきたのを、
「アジアユース合唱団実行委員会」を作り、
実行委員会が主体となり、
新潟県と、キャンプを開く小出郷文化会館の三者共催で
開催することに至りました。
僕は当初、そこに賛助する「新潟ユース合唱団」の設立準備に
追われていました。
この新潟ユース合唱団が出来た背景には、
「アジアユース合唱団」が、新潟県内よりも、むしろ
新潟県外の関係者によって支えられている
という現実があったからです。
三者共催ということで、
今回、県からも費用を負担してもらっています。
しかし、これまでのような潤沢な使い方は出来ないので、
チケットを有料にし、チラシやプログラムへの広告という、
企業の協賛金なども沢山募りました。
要は、新潟県が費用を負担するのに、
県内関係の力が少ないのはどうなのか、
という課題を解決するために、
新潟ユースが誕生したわけです。
県のお金を使う以上、事業では新潟への貢献、ということが必要、
そういうことです。
正直、この時点で、
アジアユース合唱団は、問題を抱えています。
新潟の参加者が少ない、という現状。
これは、これまでのアジアユースが、
新潟の若者に対して、アピール出来ていない事実があります。
それ以前に、新潟の若者の意欲喚起という意味では、
これがアジアユースだけの問題ではないのは当然です。
アジアユースへの新潟の参加者を増やす。
これが今後への課題です。
新潟ユースというものができ、それがアジアユースに
繋がっていったらいいなとは思っています。
今回特に気をつけたのが、
「何らかの負担をした人が得をするように」
ということです。
アジアユースの参加者は、ある程度の自腹をきって
参加してきています。
新潟ユースも、参加費を取っています。
演奏会のチケットも有料です。
つまり、何らかの負担をしてこの事業にかかわった人が、
みんな得をして帰って欲しい、
そう思っていました。
得をして帰れば、
また得をしたいと思って、
アジアユースや新潟ユースに参加したり、
演奏会をまた聴きに行こうと思う。
それの繰り返しが重要だと思っていました。
そういう意味で、
アジアユースへの参加者を増やさないといけません。
それに関連して、もう一つ。
新潟ユースの準備と共にやってきたのが、
アジアユースの広報でした。
実行委員会に実際に動ける人間がいなかったので、
箕輪実行委員長と僕が中心になって、いつの間にか
アジアユースの広報を進めることになりました。
この時点で、人手不足に問題があります。
ただ、一度動き出すと、正直もう止まれません。
途中から組織を拡大することは正直困難でした。
これは、実行委員会を、色々なレベルでつくること、つまり
学生や新潟県内の合唱人を巻き込む必要があるでしょう。
そして、問題の広報。
これが本当にしんどかった。
体力的にではなく、精神的にです。
これまで4回の演奏会を開いているにもかかわらず、
今回の演奏会へのあまりの反応の鈍さに、
僕は途中で何度もへこたれました。
新潟の当日は420名くらいの来場者で、
普通の県内の合唱団の演奏会においては、多いほうだったと思います。
僕の中では400は越えたいと思っていたので、
何とかノルマをクリアできたという感じでした。
しかし、この事業の規模や大きさ、
更には魅力において、
この来場者数は、僕としては本意ではありませんでした。
当日のアンケートには、
「アピールが足りないのでは」
などという指摘もありましたが、
僕としては、今回正直、
これ以上何をすればいいのかという気持ちでした。
・ポスター&チラシを撒いた施設の数、演奏会の数、
・県内各団体への案内
・新聞などメディアへの露出
・広報のための合唱団まわり
正直言うと、これだけ宣伝をする合唱団は
新潟県にはないと思います。
今回、役所から実行委員会へ移った時、
これで、県庁の「仕事」としてではなく、
この事業を「好きな人間が」とにかく多くの人に広められる、
僕はそういう期待をしていました。
実際、県庁に手伝ってもらいながら、
なるべく広く、無駄だと思うことまでやりました。
しかし、反応はビックリするほど薄いものでした。
何を持ってそう言うか。
合唱団からのチケット申込がほとんどなかったことです。
県内の連盟関係の合唱団には勿論、
(若干遅くなりましたが)新潟市内の中学校、高等学校全てに
案内を出しました。合併したところや私立の学校も含めてなので、
相当数です。
しかし、同封した申込書で申し込んできた団体は
たったの1団体でした。それも間際になってようやく。
僕は、申込書が分かりづらかっただろうか、
書式が良くなかっただろうか、
反省しました。
次回はもう少し手を加えたいと思っています。
しかし、そういう問題ではないのです。
「行こう」という意欲があれば、
そんなことは関係ない。
チラシにはメールも電話もホームページもある。
連絡を取ることは容易なはず。
ただし、「興味があれば」の話。
僕は正直、あまりの反応の無さに打ちひしがれました。
県庁から実行委員会へ下ろすことで、
もっと積極的な広報やアピールが出来る、
そう思っていたからです。
しかし、それはほとんど効果が上がらず、
県庁の担当者が庁内で売ったチケットの枚数を聞いて、
僕は自尊心を傷つけられました。
「合唱人や音楽関係者にこれだけアピールして
これだけしか売れないのに、
何でそんなにチケットをさばけるのか」と。
セールスマンに徹したと担当者は話していました。
その努力には頭が下がります。感謝しました。
しかし、前も書きましたが、
「そこまでして売らないと売れないのか」
という思いが僕の中には常に付きまとっていました。
僕も仕方なく、広報のために各合唱団に連絡を取って、
練習の終わりなどにお伺いし、チラシを配って、
直接宣伝するということを結構しました。
良く考えて欲しいのですが、
合唱団の練習に他の団体の人が直接来て宣伝する、
こんなことは普通ほとんどありません。
しかし、これについても、
温かい拍手をもらったりする反面、
正直、かなり冷ややかな反応があったのも事実です。
「何でこんなことまでしないといけないのか」
正直僕は悲しくなりました。
多分一番ダメージを負っていた時のことです。
勿論、こちらにも多くの課題はあります。
演奏会の日時。
8月10,11日という日柄、平日という状況、
これは今後変えていかないといけません。
しかし、これにしたって、
学校関係者はむしろ休みが取りやすい。
それにポピュラーのライブなんかはほとんど平日の夜。
プロの演奏会も平日の夜は普通です。
申込書の様式とか、
日時とかは大きな問題ではない。
僕は今回確信しました。
勿論、演奏会の日が変われば来れる人もいます。
しかし、同じように来れなくなる人もいるのです。
そこにある問題はそれほど大きくない。
「興味があるかどうか」
その1点に尽きると思います。
合唱関係者は、他のジャンルの演奏会に行かない人が多く、
それどころか、合唱関係の演奏会にも行かないです。
そもそも、そういう習慣が無い。
チラシを見て、
「行こう」
と、”自分で”思い立つことが無いということです。
これは、間違いの無い事実だと確信しています。
僕自身は合唱関係の演奏会にもそれ以外にも
足を運び続けているので、
実際問題、新潟県内で有力な合唱団の演奏会でも、
集客に苦労している状況があることを知っています。
しかも、それが合唱関係者ではなく、
出演者の知人・友人だったりもする。
ここに、僕は絶望に近い感情を抱きました。
アジアユース合唱団や新潟ユース合唱団に
魅力が無いと言われればそれまでですが、
一体、どうやったら来てもらえる様になるのか。
合唱団員は、一体何のために合唱をしているのか。
そこまで考えてしまいました。
そのあまりの道のりの遠さに、絶望に近い感情を抱いた、
それが正直な感想です。
これについては、吹奏楽と比較した小論を
今後ここに書きたいと思います。
「合唱人が吹奏楽人から学ぶべきこと」
両方見ていると、分かることがあります。
鍵は「団体」と「個人」というキーワードだと考えています。
そういう意味で、広報という点で、
今回は大きな課題を残しました。
しかしはっきり言いますが、
今回以上の広報を打つのは容易ではないです。
「縁故」でしか演奏会に来ない現状。
だとすると、出演者の数をやたら増やさないといけなくなる(笑)。
東京では、関係者だけでなく、
良く知られた合唱団には、必ず厳しい目を持った人たちが来ています。
物知り顔に多い、「背もたれに寄りかかって聴く姿勢」は
決して真似してはいけませんが、
そこの演奏を楽しみに聴きに来ている人たちがいるという事実。
こういう人たちが、演奏への緊張感を生んでいる事実。
厳しい目を持って(温かい目も持って)演奏に接する人たちがいる。
新潟にも勿論います。
しかしそれ以前に、演奏会に人が来ない。
つまり興味が無い。
興味を持たない。
そういう人たちにアプローチするには、
一体どうしたらいいのか、
それが、本当に、
大きな大きな新潟県の合唱界の課題だと思います。
僕自身は、アジアユースを通して、
そういう新潟県の現実を見た気がします。
ちょっと長くなりましたが、あと少し。
今回は、演奏会が近づくにつれ、
僕の手のひらからいろいろな物がこぼれ落ちていきました。
つまり、失敗が多くなっていった、ということです。
これ以上演奏会が遅かったら、大変なことになっていた、
そんな気がしています。
プログラムの製作、
団員対応(当日のケータリングやプログラムの配布)、
NYC団員の客席へ入る時の周知徹底、
色々なミスがありました。
当然ですが、
これからは時間がある。
組織をしっかりし、色々な分野の協力者を増やさないといけない。
あと、あまり触れませんでしたが、
予算的な問題。
県の助成や参加者の負担だけではやっていけない現実。
企業の助成まで必要な現実。
来場した方や、参加した人が、
今後も続けて欲しいと言ってくれたことが救い。
僕が今後関わるかは分かりませんが(笑)、
今回しっかりチェックして、反映しないといけません。
新潟の合唱界に、
対象はかなりぼやけていますが、
かなり批判的な書き込みになりました。
しかし、、、事実ですね。
関係者の方で思うことや、
他県の状況など、
コメント等でお聞かせ頂けたらと思います。
新潟ユースについては、また。
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