北條和子さんとは長いお付き合いになる。亡き妻と二人鎌倉のお宅のお茶会に誘われたり、一緒に庭の竹の子を掘ったりと思い出がたくさんある。その北條さんが画廊『閑々居』で扱っているのは日本画である。それも所謂伝統的な花鳥風月の世界ではなく、現代に生きる新しい日本画だ。作家も斉藤典彦、間島秀徳、武田訓左、菊池武彦など、質の高いいい作家ばかりだ。普通の人にはちょっと難解な絵が多いが、それだけに画廊主としての眼と見識を感じさせる。
その北條さんが熱い想いで育てようとしている作家がいる。馬場伸子だ。4月13日から始まった花の譜展の、藤の屏風や染井吉野、山桜などの作品はなかなかのものだ。作風は目の前にある美しいものをそのまま写し取ろうとする伝統的日本画である。小生など好みが現代美術であるから、うっかりすると見過ごしてしまいかねない世界だが、よく見ると相当な技術なのだろう、花びら一枚一枚が見る者を惹きつける。
最近の若い作家の現代美術を見ていると、ただ感性に流されたようなものが多く、がツンとくる作品が少ない。やはり基本に忠実に描くということがまず重要であって、そのことを極めるなかに自分の内なる世界が生まれるのだと思う。そういう意味で成長が楽しみな作家である。北條さんの益々のご活躍をお祈りしたい。(山下透)
その北條さんが熱い想いで育てようとしている作家がいる。馬場伸子だ。4月13日から始まった花の譜展の、藤の屏風や染井吉野、山桜などの作品はなかなかのものだ。作風は目の前にある美しいものをそのまま写し取ろうとする伝統的日本画である。小生など好みが現代美術であるから、うっかりすると見過ごしてしまいかねない世界だが、よく見ると相当な技術なのだろう、花びら一枚一枚が見る者を惹きつける。
最近の若い作家の現代美術を見ていると、ただ感性に流されたようなものが多く、がツンとくる作品が少ない。やはり基本に忠実に描くということがまず重要であって、そのことを極めるなかに自分の内なる世界が生まれるのだと思う。そういう意味で成長が楽しみな作家である。北條さんの益々のご活躍をお祈りしたい。(山下透)
