ここ数年間に出会った現代美術の中で、猪瀬氏の作品には特に魅かれるものがある。先日、DOMANI展で久しぶりにお会いしたのだが、ゆっくり語り合おうということになり、銀座三笠会館でランチした。なかなかの好青年である。映画がお好きとのことで意気投合、野球の映画など印象に残った作品について盛り上がった。特にスターウォーズなどSF 映画が好きとのこと、「2001年宇宙の旅」に出てくるモノリスなどは作品作りのヒントにもなっているらしい。
英国ロンドンでの暮らしについては、人種におけるヒエラルキーを意識することが多いとのこと。猪瀬氏の作品は風景画にしても単なる写実の世界ではなく、現代における不安感が漂うが、こういった時代への感性が作品に反映しているのであろう。今回のDOMANI出品作も「イントレランス」や「国立新宿自然公園」などメッセージ性に富む作品が印象的であった。
暫らくロンドンで作家活動を続けるとのことであるが、今後の活躍が楽しみな作家である。