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TAOコンサル『市民派アートコレクターズクラブ』

「注目の現代作家と画廊散歩」
「我がルオー・サロン」
「心に響いた名画・名品」
「アート市民たち(コレクター他)」

ルノワールの「「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」に暫し見惚れる

2016年06月28日 | 是非、観ておきたい美術展
ルノワールが特に好きという訳ではなかったが、友人Riさんに誘われ国立新美術館へ。この日は提携企業のための特別鑑賞日、身内に提携企業関係者がおられるとのことで招待券を頂戴したのだが、観に行ってよかった。やはり近代絵画の巨匠と言われるルノワールの名品たち、想像以上に素晴らしかった。

特に、ルノワールの最高傑作と言われる「ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会」は迫力ある群像画であった。私は暫しの時間、この作品の前に立ち止まって鑑賞してしまったが、これ一点だけでも観る価値ある展覧会であると思う。描かれているのは広場のカフェに集まり笑い興じる男女たち。若い労働者や踊り子たちが仕事や生活の苦労を忘れ、お洒落してダンスに興じる様子が生き生きと描かれている。これらの人々に降り注ぐ木漏れ日が印象的だ。手前に描かれた男性の背中や女性のドレスに光の斑点がそそいでいる。作品にはパリで暮らす人々の屈託ない情景が描かれ、観る者を幸せにさせる・・。

この他、「草原の坂道」「ピアノを弾く少女たち」「田舎のダンス」など見応えある作品が多数あった。会場にはムーランルージュやフレンチカンカンの映画画像も映し出され、楽しい展覧会であった。

 
画像は館内のビデオによる







見応えある『ルネサンスを超えた男、カラヴァッジョ展』・・国立西洋美術館

2016年04月04日 | 是非、観ておきたい美術展
数年前、イタリア・フィレンツェを旅してミケランジェロやレオナルド・ダ・ヴィンチ、ボッティチェリなどルネッサンス美術を堪能して来た。しかし、カラヴァッチョ作品は観る機会がなく残念に思っていたところ、今回、日伊国交樹立150年記念と題した国立西洋美術館での展覧会を観ることができ、かつ素晴らしい内容であったので、満足している。巨匠カラヴァッチョのことは日本でも余り知られていないのではなかろうか。私も現代美術が好きで、長いことモダンアートの作品を観てきたが、近年思うところあり、ルネッサンスからバロック期の西洋美術に関心を持って来た。そして辿り着いたのがカラヴァッチョであった。漆黒の闇の中から人間が浮かび上がって来るかのような光の表現に圧倒されてしまった。

作品「エマオの晩餐」

ミケランジェロ・メリージ・カラヴァッジョ(1571~1610)はイタリアが誇る天才画家であるが、西洋美術史上最も偉大な画家といってもいいであろう。その作品は聖書や神話の逸話をテーマにしたものが多いが、その劇的ともいえる明暗法による人物表現は独創的なものである。ルネッサンス美術においては、光はつねに画面全体に当たっているが、カラバッジョは画面のある部分を強調した光を当てるという表現方法に辿り着いたのである。こうして、カラバッチョはレンブラントなど多くの画家に影響を与えて来た。今回の展覧会においても、カラヴァッジョの画法を模倣し継承して来たカラヴァジェスキと呼ばれる画家たちの作品もたくさん展示されているが、イタリアのバルトロメオ・マンフレーデイの「キリストとの捕縛」など素晴らしい作品であった

 作品「法悦のマグダラのマリア」

そんな訳で、この展覧会、素晴らしい作品はたくさんあったが、私は特に「法悦のマグダラのマリア」「エッケ・ホモ」「エマオの晩餐」などに圧倒されてしまった。いい展覧会を観て、とても満足であった。

 ワインを飲みながらの至福のひととき