TAOコンサル『市民派アートコレクターズクラブ』

「注目の現代作家と画廊散歩」
「我がルオー・サロン」
「心に響いた名画・名品」
「アート市民たち(コレクター他)」

岡村桂三郎展 @小林画廊

2017年03月04日 | モダンアート

 狼のようで狼じゃなく、象のようで象じゃなく、胴体から眼光が覗いていたり。動物図鑑には決して見られない、架空の生き物たちの姿を捉えた作品たちは、どれも神出鬼没な雰囲気です。普通のキャンバスの上には降臨しそうにない気配。描かれているのは、風や雨や垢や煙や太陽の歳月をしみこませたような重厚な板の上です。生き物たちは、壁いっぱい天井いっぱいのサイズさえも窮屈に感じているようで、板に身体全体が収まっている生き物は皆無。みんな自由に身体をうねらせてはみ出し放題。きっと、たまたま板の上を通り過ぎた瞬間を岡村さんに見つけらてしまったのでしょう。どこからやってきてどこへ行くのか、何を見つめて何を想うのか。板からはみ出した生き物たちの野性は、現代の人間の規格外。だからこそ、見つめていると、少しずつ私たちの野性を取り戻させてくれる気がします。(山本理絵)


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