TAOコンサル『市民派アートコレクターズクラブ』

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天目・高麗茶碗など名品が並ぶ茶の湯展・・東京国立博物館

2017年05月27日 | モダンアート
東博の「茶の湯展」、会期終了間際に覘いてきた。茶の湯にかかる美術の変遷を室町時代から近代に至る伝世の名品を通して観ようという企画で、見応えある展覧会であった。


現代美術にのめり込む以前より陶磁器が好きで、若い頃は美濃や九谷等の陶芸家の窯場を訪ねたり、自分でも志野・織部の焼きもの作りをやっていた。特に中国宋時代の青磁や朝鮮の高麗茶碗が好きで、大阪の東洋陶磁器博物館には何度も足を運んでいる。ここの名品も今回展示されると聞いて出かけたのだが、おおいに満足した。



天目茶碗とは不思議な名前だ。かつて中国浙江省の天目山に留学した禅僧が日本にもたらしたことに由来する。私は10数年前、友人達と香港の骨董街を歩き回り、天目茶碗の骨董を買って来たことがある。この天目茶碗、当時の中国では余り評価されなかったこともあり、日本には油滴天目などの名品が残っている。



高麗茶碗とは16世紀から18世紀にかけて朝鮮半島で焼かれた茶碗。宋風の喫茶法が伝わって以来、天目や青磁など唐物茶碗が長く用いられてきたが、詫びの茶風が広がるに従い、たおやかで独特な表情を持つ高麗茶碗が親しまれるようになった。