TAOコンサル『市民派アートコレクターズクラブ』

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ギャラリーゴトウの「横田海の軌跡」展、滲む作家の生き様

2016年07月07日 | 注目の現代美術作家と画廊散歩
私は横田海のことが好きだ。無頼派であり歯に絹着せぬ言動は誤解されることもあろうが、魅力的な人物だ。旅の空を生きた山頭火を思い出す。


横田氏は一年前の展覧会DMに、大杉栄の言葉「美はただ乱調にある、諧調は偽りである。」を引用しつつ、「・・結局くだらぬ絵を描きながら、ひそかに自分を慰めるしかないのである」なる一文を書いていたが、心に響く。巷には見た目だけが美しい、人に媚びたような売り絵も多いが、横田海の言うとおり、人や世間に媚び、常識的に生きる人生からは本当の美は生まれないのだ。
私は書斎で横田海の絵を観ていると、つい、アトリエでキャンバスに叩きつけるように制作に挑む孤独な画家の姿に思いを馳せてしまう。



横田海は40歳を過ぎた頃現代画廊の洲之内徹に見いだされ、それから40、年画家人生を生きてきた。多分、今年で82歳、まだまだ若い、頑張って欲しい。