TAOコンサル『市民派アートコレクターズクラブ』

「注目の現代作家と画廊散歩」
「我がルオー・サロン」
「心に響いた名画・名品」
「アート市民たち(コレクター他)」

軽井沢にて久しぶりの平松礼二作品

2013年07月26日 | 注目の現代美術作家と画廊散歩
 嬉しいことに、軽井沢で立ち寄ったギャラリー桜の木で、日本画家平松礼二作品に出会った。団体などに属すことなく孤立無援の画業人生を生きてきた作家。そんな生きざまに惹かれるところあり、路シリーズ時代の小品を一点購入したことがある。
近年は印象派シリーズで注目を浴びておられ嬉しい限りだ。現在パリのジヴェルニー印象派美術館で『睡蓮の池、モネへのオマージュ展』を開催中であるとのこと。平松先生と長いお付き合いの黒澤さんからそんな近況を伺いながらの楽しいひとときであった。(TAO・TY)
山種美術館蔵作品

平松作品を背に、向かって右が黒澤さん

軽井沢にて偶然間島秀徳展に出会う

2013年07月23日 | 注目の現代美術作家と画廊散歩
 軽井沢のメイン通りを歩いていたらニューアートミュージアムの白い建物があり、草間弥生展の看板。覘いてみようと館内に入ると間島秀徳展が同時開催されていた。嬉しいね。知っているアーティストで、作品も一点購入したことがある。
 東京芸大出身の日本画家であるが、代表的作品はいわゆる日本画ではなく、岩絵の具の美しさを際立たせたコンテンポラリーアートだ。天然素材や粗めの岩絵の具による作品は独特の質感を持って見る者を惹きつける。特に自然光が差し込むスペースだと美しさを増す。(TAO・TY)

この日帰宅したら作家から案内状が届いていた。


ショーウィンドウの青色の立体は間島作品

小林まどか展@もみの木画廊

2013年07月12日 | 気になる展覧会探訪




「或る日の夢」と題した小林まどかさんの個展が開催されている自由が丘のもみの木画廊へ。
 銀箔や金箔を貼り巡らせた背景に、朽ちかけた向日葵のモノクロームの連作は、中でも目を引く作品でした。向日葵の背景を無機質へと傾かせたこと、モノクロームで向日葵を描いたことが、朽ちかけ、残された時間が短くなっている植物の生命力を、逆に際立たせている気がしました。長らえてきた生命の力強さ、時間を経験した者だけが持ち得る生命の重厚感が静かに伝わってきます。
 会場の奥の壁には、大海を進む魚の群れを、海の中に潜ってスケッチしたかのような作品が展示されていました。今回の個展の中で、いちばん大きなキャンバスに描かれたものです。作品タイトルからすると、白雨の中を魚群が泳いでいるという絵のようです。下から見たときに魚の腹が白いのは、海面から差し込む光の白に紛れて、敵から身を守るためだと聞いたことがあります。白い腹を見せながら群れる魚たちは、波の中で縦横無尽に揺らぐ光線と戯れて、白い光線の雨と同化しながら海洋のどこかへと向かって旅しているよう。
 大気の中を通過する雨は「液体」ですが、海水の中を通過する雨は「光」。恵みの雨もあれば、ありがたくない雨もありますが、この作品の白い雨は、魚たちを守る雨であってほしいものです。(山本理絵)

(もみの木画廊 東京都世田谷区奥沢6-33-14 もみの木ビル2階)