TAOコンサル『市民派アートコレクターズクラブ』

「注目の現代作家と画廊散歩」
「我がルオー・サロン」
「心に響いた名画・名品」
「アート市民たち(コレクター他)」

美術愛好家Y・片岡氏と快気祝いの一杯会

2006年06月08日 | 注目の現代美術作家と画廊散歩
 Y・片岡さんから小生が退院したら快気祝いをやろうとの嬉しいお誘いがあり、お会いした。店は片岡さんお馴染みの日本橋の割烹『吉』である。陶芸家がよく来る店とのことで、作家の作品が展示してある。片岡靖雄氏はもうリタイアの身であるが、かつて仕事の傍ら挑戦した玉川大学の学芸員資格を持つコレクターだ。

 この日も日本伝統工芸展のメンバーでもある陶芸家高橋誠氏とバッタリ顔合わせ、暫らく一緒に歓談。高橋誠氏は藤本能道の愛弟子で、片岡さんと親しい陶芸家神谷紀雄氏とも交流があるとのこと。

 実は小生、6月1日の手術1ヶ月後の診察でビール解禁となっていた。そんな訳でこの日は約2ヶ月振りのビールが喉にキリリと沁みて実に旨く、話も弾んで楽しいひとときであった。(山下透)


(写真中央が高橋誠氏、左がY.片岡氏。後の壁に掛かるのは高橋氏の陶板作品)

雲肌麻紙上の墨線と薄いマチエールが魅力の町田久美展

2006年06月06日 | 注目の現代美術作家と画廊散歩
 町田久美の作品は以前からどこか気になり、一点入手したいと思いながらなかなか手に入らない。西村画廊から6月6日の個展オープニングのご案内があり、出かける。会場が盛況なのでちょっと驚く。
 作品は一見イラスト風ではあるが、よく見ると深さと魅力を感じさせる絵だ。テーマは日本的な少女が多いが、その顔はどれも無表情で、全体のイメージも無機質で冷たい感じである。感情を抑えた表現だからであろう。しかし、雲肌麻紙に青や茶の墨、岩絵の具などの素材で描いた作品は不思議な魅力を漂わせている。特に墨で引いた細い線や薄いマチエールが美しく、見る者を惹きつける。
 子供たちのあどけない表情のどこかに不安が漂うのは、作家が抱く現代という時代への不安感、現実の社会との違和感なのだろうか。そこに単なる日本画でない面白さがある。
 作家はまだ若いが、これからが楽しみだ。(山下透)