映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

海月姫

2015年01月10日 | 映画(か行)
ふわふわ、ひらひら



* * * * * * * * * *

どちらかと言うと、私がよく見る邦画とは雰囲気が違うかな?
と自分でも思いつつ・・・、
オタクの女子ばかりが出てくるという設定にちょっと惹かれました。



幼い頃から海月(クラゲ)大好き、
今ではすっかりクラゲオタクの月海(つきみ)(能年玲奈)。
彼女は、男を必要としない人生を目指すオタク女子集団「尼~ず」とともに、
男子禁制のアパート「天水館」で暮らしています。
ある日、ペットショップで知り合った美女を天水館に招くのですが、
実はそれは女装のイケメン男子・蔵之介(菅田将暉)でありました。
そんな時、この天水館が土地再開発による取り壊しの危機に・・・。



彼女たちは男を必要としないというよりも、
すでにもう、男性とお付き合いをするところからして諦めているのです。
たまたま迷いこんでしまった蔵之介は、
別にゲイではないのですが、単に女装が趣味。
普段男子のスタイルでいれば、なにげにモテたりしています。
が、彼は好奇心たっぷりなんですね。
自分を飾らない個性たっぷりの天水館のメンバーたちが面白くて、
つい通ってしまう。
そうですね、彼女らに比べれば同じ大学の女子なんて、
誰も彼もみな同じに見えてしまうかも。
が、本作で面白いのは、
蔵之介は実は総理大臣の息子で、堅物一本槍の兄・修(長谷川博己)がいる。
意外にも月海とこの修が一目惚れ。
どちらも男女交際などしたことがないウブ同士。
内心穏やかでない蔵之介が、
それでも二人のことを思っておせっかいを焼いたりヤキモキしたり・・・。
ということで、普通に楽しめるラブコメなのでした。



でもクラゲは、確かにいいですよね。
ずーっと見ていても飽きない感じで、癒されます。
後段で出てくるファッションショーの衣装がすてきですよ~。
ふわふわひらひら・・・クラゲのイメージがよくできています。
菅田将暉さんがこれを着てサマになる、というのがまたスゴイ!



私は後で出演者を見て驚きましたが、
池脇千鶴さんに篠原ともえさん!? 
尼~ずのメンバーはみな顔を隠すようにしているので、
誰が誰なのやら全然分からなかった・・・。
速水もこみちさんが一人勝ちのようにイイカッコしてました!



2015年1月12日まで渋谷パルコで「海月姫展」をやっているんですってね。
男子禁制なので、男性は「女装」しなければ入場できないそうです。
ユニーク! 
そもそも月海が、「おしゃれ女子」の群に恐れをなして、
ついに入場することができなかったパルコで、というのもイカしていますね。
ドレスの実物は見てみたかったなあ・・
しかし考えてみたら私も月海のことは笑えない。
札幌にもパルコはありますが、
この年で足を踏み入れるのはちょっと勇気がいるんですよね~。
というか、多分もう何年も行っていない・・・。
(そもそも用事ないし)
札幌でも「海月姫展」をパルコでやります、なんてことになったら、
私は、行けるのでしょうか?!

「海月姫」
2014年/日本/126分
監督:川村泰祐
原作:東村アキコ
出演:能年玲奈、菅田将暉、長谷川博己、池脇千鶴、篠原ともえ、速水もこみち

ファッション度★★★★☆
オタク度★★★☆☆
満足度★★★☆☆