自分にとっての「松の樹」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/b1/69340d0943c75a859b7f699e91e235c7.jpg)
* * * * * * * * * *
本作のジャン=ピエール・ジュネ監督は、あの「アメリ」の監督さん。
なるほど、あの雰囲気がさらにパワーアップしていました!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/9a/c5aa9f0911383b2f8f05cc2c39ae5a80.jpg)
米モンタナ州、田舎の牧場で暮らす
10歳少年T・S・スピヴェット(カイル・キャトレット)は、天才少年。
日々科学的観察と考察に明け暮れています。
しかし、この田舎の地で、彼の能力はさして役には立たず、
浮いてしまっているのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/ef/63c1fd6adcfcde18954fe2d8a88bf2c2.jpg)
父は根っからのカウボーイ。
母は昆虫学者(多分彼はお母さんの方の血を濃く受け継いだのですね)。
アイドルになりたい姉。
そして彼の双子の弟は、活動的でワイルド、まさに父親が誇りに思うタイプの息子。
T・Sは、父に好かれる弟が羨ましいのです。
しかしその弟が、ある「事故」で亡くなってしまいます。
悲しみに暮れる家族。
そしてT・Sもまた、暗く鬱屈した気持ちを抱え続けています。
そんなある日、スミソニアン学術協会からS・Tに
科学賞が授与されることになりました。
S・Tは家族に内緒で単身ワシントンDCへ旅立つことを決心します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/c6/0287cf64d39ee8062a6e8c59dbb872ee.jpg)
モンタナからワシントンDCまで、
ほとんど大陸横断になります。
貨物列車にこっそり乗り込んでシカゴまで。
そこからはヒッチハイクで。
いくら天才少年でもやっぱり10才の子供なのです。
大きなスーツケースを抱え、
特に暗い夜は怖くて寂しくて、すぐにでも帰りたい気持ちでいっぱいになるけれど、
彼はこの旅を絶対にやりぬこうと決めたのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/41/103e9d463ff638a2b4b3ed1a9da6f98b.jpg)
たった一人のロードムービー。
でも、そっと彼を勇気づけてくれる大人の存在があったのは、うれしいですね。
彼らは決して裕福ではなく、言わば人生のアウト・ロー。
だからこそ、この一人ぼっちの少年を「保護」しようなどとは思わなくて、
やりたいようにやってみろ!と
そっと背中を押してくれるのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/bb/ff8d429abe5594d1338ed53b748d26b0.jpg)
この旅は結局、家族の絆を取り戻すための旅でした。
途中で語られる雀と松の樹のエピソードが心に残ります。
ある雀が、たった一羽でひと冬を凌がなければならなくなった。
どこかの樹に身を寄せなければ寒さで死んでしまう。
そこで雀は、いろいろな樹にそばにいさせてもらうように頼むのですが、
どの樹にも断られてしまう。
最後に松の樹に頼んでみると
葉っぱがスカスカであまり役に立たないかもしれないけど、
いいよと言ってくれるのです。
それ以来どの樹も冬になると葉が落ちてしまうけれど、
松の樹は葉を落とさないのだとか・・・。
こんな風に、一人ぽっちでも
きっとどこかに自分を守ってくれる「樹」があるのではないか、
ということなんですね。
S・Tは、何の力にもならないと思っていた家族が、
結局はやはり彼にとっての「松の樹」だということに気づくのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/c5/b52fab18757204526ec3520769814787.jpg)
S・Tは父と母が結婚したのが最大の謎だと言っていましたが、
本当にその通り。
母の日記には、お母さん自身、夫に愛されていないと思っているフシが見えるのですが、
S・Tは、3人も子供が生まれたんだから愛していないわけがない、とつぶやきます。
そうなんですよね。
その証拠に、ラストシーンでは・・・。
それから、夜中に放送の終わったTV(砂漠の砂嵐状態)を
じっと眺めているワンちゃんがステキでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/7f/781c948917e60eb17c83c3544573764a.jpg)
こんなふうで、どのシーンもツボにはまりまくるんですよね。
本作本当は3Dなのだそうです。
札幌ではようやくミニシアターで観ることができたくらいなので、
3Dは観ることができません。
S・Tのいろいろな想像シーンが3Dで活かされているということのようです。
ぜひ見たかった・・・。
いずれにしても、感動いっぱいのステキなストーリーでした。
新年早々、いいものを観ることができて、ラッキー!!
2013年/フランス・カナダ/105分
監督:ジャン=ピエール・ジュネ
原作:ライフ・ラーセン
出演:カイル・キャトレット、ヘレナ・ボナム・カーター、ジュディ・デイビス、カラム・キース・レニー、ニーアム・ウィルソン
家族度★★★★★
冒険度★★★★★
満足度★★★★★
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/b1/69340d0943c75a859b7f699e91e235c7.jpg)
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本作のジャン=ピエール・ジュネ監督は、あの「アメリ」の監督さん。
なるほど、あの雰囲気がさらにパワーアップしていました!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/48/9a/c5aa9f0911383b2f8f05cc2c39ae5a80.jpg)
米モンタナ州、田舎の牧場で暮らす
10歳少年T・S・スピヴェット(カイル・キャトレット)は、天才少年。
日々科学的観察と考察に明け暮れています。
しかし、この田舎の地で、彼の能力はさして役には立たず、
浮いてしまっているのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6d/ef/63c1fd6adcfcde18954fe2d8a88bf2c2.jpg)
父は根っからのカウボーイ。
母は昆虫学者(多分彼はお母さんの方の血を濃く受け継いだのですね)。
アイドルになりたい姉。
そして彼の双子の弟は、活動的でワイルド、まさに父親が誇りに思うタイプの息子。
T・Sは、父に好かれる弟が羨ましいのです。
しかしその弟が、ある「事故」で亡くなってしまいます。
悲しみに暮れる家族。
そしてT・Sもまた、暗く鬱屈した気持ちを抱え続けています。
そんなある日、スミソニアン学術協会からS・Tに
科学賞が授与されることになりました。
S・Tは家族に内緒で単身ワシントンDCへ旅立つことを決心します。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/24/c6/0287cf64d39ee8062a6e8c59dbb872ee.jpg)
モンタナからワシントンDCまで、
ほとんど大陸横断になります。
貨物列車にこっそり乗り込んでシカゴまで。
そこからはヒッチハイクで。
いくら天才少年でもやっぱり10才の子供なのです。
大きなスーツケースを抱え、
特に暗い夜は怖くて寂しくて、すぐにでも帰りたい気持ちでいっぱいになるけれど、
彼はこの旅を絶対にやりぬこうと決めたのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/34/41/103e9d463ff638a2b4b3ed1a9da6f98b.jpg)
たった一人のロードムービー。
でも、そっと彼を勇気づけてくれる大人の存在があったのは、うれしいですね。
彼らは決して裕福ではなく、言わば人生のアウト・ロー。
だからこそ、この一人ぼっちの少年を「保護」しようなどとは思わなくて、
やりたいようにやってみろ!と
そっと背中を押してくれるのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3a/bb/ff8d429abe5594d1338ed53b748d26b0.jpg)
この旅は結局、家族の絆を取り戻すための旅でした。
途中で語られる雀と松の樹のエピソードが心に残ります。
ある雀が、たった一羽でひと冬を凌がなければならなくなった。
どこかの樹に身を寄せなければ寒さで死んでしまう。
そこで雀は、いろいろな樹にそばにいさせてもらうように頼むのですが、
どの樹にも断られてしまう。
最後に松の樹に頼んでみると
葉っぱがスカスカであまり役に立たないかもしれないけど、
いいよと言ってくれるのです。
それ以来どの樹も冬になると葉が落ちてしまうけれど、
松の樹は葉を落とさないのだとか・・・。
こんな風に、一人ぽっちでも
きっとどこかに自分を守ってくれる「樹」があるのではないか、
ということなんですね。
S・Tは、何の力にもならないと思っていた家族が、
結局はやはり彼にとっての「松の樹」だということに気づくのです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/63/c5/b52fab18757204526ec3520769814787.jpg)
S・Tは父と母が結婚したのが最大の謎だと言っていましたが、
本当にその通り。
母の日記には、お母さん自身、夫に愛されていないと思っているフシが見えるのですが、
S・Tは、3人も子供が生まれたんだから愛していないわけがない、とつぶやきます。
そうなんですよね。
その証拠に、ラストシーンでは・・・。
それから、夜中に放送の終わったTV(砂漠の砂嵐状態)を
じっと眺めているワンちゃんがステキでした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/05/7f/781c948917e60eb17c83c3544573764a.jpg)
こんなふうで、どのシーンもツボにはまりまくるんですよね。
本作本当は3Dなのだそうです。
札幌ではようやくミニシアターで観ることができたくらいなので、
3Dは観ることができません。
S・Tのいろいろな想像シーンが3Dで活かされているということのようです。
ぜひ見たかった・・・。
いずれにしても、感動いっぱいのステキなストーリーでした。
新年早々、いいものを観ることができて、ラッキー!!
2013年/フランス・カナダ/105分
監督:ジャン=ピエール・ジュネ
原作:ライフ・ラーセン
出演:カイル・キャトレット、ヘレナ・ボナム・カーター、ジュディ・デイビス、カラム・キース・レニー、ニーアム・ウィルソン
家族度★★★★★
冒険度★★★★★
満足度★★★★★