映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

噂のモーガン夫妻

2010年10月31日 | 映画(あ行)
かっぱえびせん、わさび味


            * * * * * * * *

ニューヨーク、マンハッタンに住むモーガン夫妻は、
片や大手不動産会社の社長、
片や敏腕弁護士、
人もうらやむリッチな夫婦。
・・・しかし、今や離婚寸前別居中。
そんな二人が、ある時街角で殺人事件を目撃してしまった。
二人はFBIの目撃者保護プログラムにより、
心ならずもワイオミングの片田舎で共に過ごすことになってしまい・・・。



とっても定番のラブコメであります。
二人の仲違いの原因は、夫ポールの浮気ではありますが、
それは妻メリルが子供ができないのを気に病んで
不妊治療に異常に必死になってしまったというのが発端・・・。
ま、そんなところが「へえ・・・」と思わせます。
電話もインターネットも禁止されてしまったこの生活でも、
しかし漏れる水はあるということで、
殺人犯が二人の居所を突き止め、忍び寄ってくる・・・と、ちょっぴりサスペンス風味。


なるほど、これは「かっぱえびせん、わさび味」みたいなものですね。
つまりは見始めると「止められない止まらない」の定番ラブコメ。
それにしてもいつも同じだと飽きるので、
ほんのちょっぴり風味を変えてみる。
今回はちょっとサスペンスを聞かせたわさび風味。
不妊治療と養子縁組のトッピングつき。
こんな方法ならいくらでも他のバリエーションができそう・・・。

ということで、普通に楽しめる作品。
それ以上でも以下でもなし。



ヒューグラントは、もうそろそろこういう路線を脱却してみてもいいのかも・・・。

2009年/アメリカ/103分
監督:マーク・ローレンス
出演:ヒュー・グラント、サラ・ジェシカ・パーカー、サム・エリオット、メアリー・スティーンバージェン
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花田少年史 幽霊と秘密のトンネル

2010年10月30日 | 映画(は行)
少年の自我の芽生え



         * * * * * * * *

一色まことのコミックが原作です。
海辺の街。
腕白坊主の花田一路がトラックにはねられ、意識不明となってしまいます。
魂が体を離れ、空の高みの光の差す方へ気持ちよく登っていこうとするところを、
一人のセーラー服の少女に引き留められます。
「行っちゃダメ。お母さんのところに帰りなさい!!」

危ういところで意識を取り戻した花田少年。
しかし、なぜかその後、彼は幽霊を見ることができるようになってしまったのです。
おお、シックスセンスですね。
死者が見えて、死者と意思の疎通がはかることができる・・・。

そんな彼のところに、彼をこの世に引きとどめたセーラー服の少女の幽霊が頻繁に現れる。
そしてまた、彼の実の父だと名乗る男性の幽霊も・・・。


花田少年は、幽霊の力を借りてお父さん・お母さんの若い頃のことを知っていきます。
これまではただ自分の親としての「お父さん」、「お母さん」でしかなかった。
けれども、お父さんお母さんも、まずは一人の人間で、
これまでいろいろな辛いことを経験して今がある、
そういうことが解ってくるのですね。
これがやっぱりちょうどこれくらいの年の子供、
大人としての自我が芽生えていくこの時期に重ねてあるのが、とてもいいと思いました。
だからこの物語は、やっぱり少年が主人公でなければいけないのです。


ユーモアにあふれて、非常に楽しい作品ですが、
家族のこと、友達のこと、いろいろな大人の事情、
ほろりと来る場面もたっぷりでなかなか見応えがあります。
西村雅彦の若いときシーンも笑えます。

ただ、ラスト近くの嵐の海のシーンは、どうにも強引で陳腐。
そんなことを言ったら、幽霊話なので
元々リアリティを求める作品ではないですけれど・・・。
せっかくそこまでは、泣き笑いしながらのめり込んでみていたのに、
何だかそこでしらけてしまいました。
・・・でも、これは原作がこうなのかな。
コミックならスムーズに読めたかも知れません。
ちょっと残念です。

花田少年史 幽霊と秘密のトンネル [DVD]
須賀健太,篠原涼子,西村雅彦,北村一輝,安藤希
バップ



2006年/日本/123分
監督:水田伸生
出演:須賀健太、西村雅彦、安藤希、杉本哲太、篠原涼子、もたいまさこ
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「テルマエ・ロマエⅡ」 ヤマザキマリ 

2010年10月28日 | コミックス
寂れた銭湯の活性化

テルマエ・ロマエ II (ビームコミックス)
ヤマザキマリ
エンターブレイン


          * * * * * * * *

テルマエ・ロマエの続編が出ました。
よくお風呂の話題だけで、ネタが尽きないなあ・・・と感心してしまいます。
いつものように、古代ローマのお風呂の設計技師ルシウスが、
湯船でお風呂限定タイムスリップ、現代の日本にやって来ます。


今回の一話目が、ちょっとえぐい。
というかエロというかグロというか・・・。
でもここは、著者の解説にもあるとおり、
単に古代ローマでも古の日本でも同様にある、男根崇拝の話なんですね。
単純明快、豊穣のシンボルということで納得しましょう。
お風呂は素っ裸で入るもの。
避けて通れない話でした。

ルシウスはバナナワニ園やスライダー、
日本で見たものをどんどん取り入れてしまいます。
そうか、改めて日本のお風呂文化も奥が深いなあ・・・と思います。
ローマの浴場の遺跡・・・とは聞いたことはありますが、
映画などでも、ローマ人の公衆浴場入浴シーンなんてあまり見たことがないですね。
今度は是非そういうシーンを作って欲しい。


最後の話はなかなか切実でした。
ルシウスがどんどん画期的な浴場を作るので、
それまで地道に営業していた個人経営の浴場がすっかり寂れてしまった、というのです。
これなどはまさに今の日本の銭湯の状況を語ってもいるわけです。
さびれてしまった銭湯にどのように人を呼び戻すのか。
ルシウスは、日本へやって来て、「スタンプ」サービスの例を見つけます。
本当に、これは一例なのですが、
日本の銭湯を「遺跡」にしてしまわないよう、
私たちもいろいろと考えてみるといいですね。
本当は家からちょっと歩いて行けるくらいのところに銭湯があれば、
家のユニットバスよりも、そっちに行くかも知れません。
やはり広いお風呂は気持ちがいいですよね。
でも、わざわざ車を出して・・・というのならちょっと面倒。
その辺の兼ね合いが難しいところかな。
いっそ各町内に一カ所くらいずつ公設の銭湯があるというのはどうでしょう。
(町内に銭湯の一つや二つ・・・
これって、昔なら当たり前のことだったんでしょうけどね・・・)
今はまた、新たなコミュニケーションの場ということで。
夏にはその前にちょっとした屋台など並べて、ビールも飲める。
週に一度くらい老若男女楽しめる地域の催しがあってもいいな。
そういう企画は、是非若い人にやってもらいたい。


・・・と、話がずれましたが、
この調子だと著者のネタはまだまだ温泉のようにわき出てきそうですので、
今後も楽しみにしたいと思います。
今回の表紙、タオルとドライヤーを持った裸婦。ナイスです。

満足度★★★★☆

「テルマエ・ロマエⅠ」もどうぞ
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雷桜

2010年10月27日 | 映画(ら行)
江戸時代が舞台のラブファンタジー



          * * * * * * * *

これは原作の方を先に読みました。
非常にドラマチックで、大好きだったのですが・・・

残念ながら、今作は、映画化に当たり相当作り替えられています。
原作では、瀬田村の庄屋の人々の暮らしや、兄、助次郎と斉道のいきさつなどが
きめ細かく柔らかに描かれています。
そしてストーリーの3分の2ほどもいった当たりで、ようやく遊と斉道の出会いがあります。
その前段が江戸時代の農村の様子をイメージ豊に描き出していて、とても良いのですが、
映画ではばっさり切り捨てられてしまいました。
しかし、銀杏と桜の木が融合した「雷桜」の木のように、
身分違いの恋を貫こうとした二人のラブストーリーをメインとした映画、
とすればこれは致し方のないこと・・・。
ほとんど原作は忘れて見た方がよさそうです。


そもそもこの作品、江戸時代を舞台としながらも、
そのことにあまり執着していないようです。
言葉使いなどは至って平易。
だから終盤、斉道が遊に「愛している」なんて言ったりする。
時代劇でこの言葉はかなり違和感なんですが・・・。
というか、今の日常会話としてもこのことば、クサすぎてうそくさい・・・。
若い方ならこだわらないのかな。
そもそも設定がまさしく肉食女子VS草食男子なんで、まさに現代的。
身分やしきたり、そういうものにがんじがらめの斉道と、
山育ちで何者にも縛られない自由な遊。
この遊こそは現代女性の姿でもあります。
一方斉道は、身分やしきたり・・・はないにせよ、親の期待が重い、今時の男子。
特に母親からの呪縛から逃れられない男子、という意味では
やはり斉道は現代の男性の姿とも重ね合わすことが出来る。
すなわちこれは、江戸時代を借りた現代のラブファンタジーなんですね。

二人が結ばれる祭りの夜の情景が、結構ステキでした。
仮面舞踏会?を思わせるお祭りの夜。
太鼓の狂乱するリズム。
踊り狂う人々。
お面をかぶっている遊を一目でそれと見分けて、見つめ合う斉道と遊。
そこまではとても良かったのに、
突然現代のバラード風バックグラウンドミュージックに代わったのには
苦笑させられました・・・。



蒼井優さんの演技はすばらしかったですね。
天狗・・・というよりは原作で言う「狼女」。
体当たりの演技とはこのことか。
きれいに見せなければならない「女優」を捨て、
リアルに野放図で自由な女になりきっている。
そして、白馬に乗って野を駆け回る姿は確かに美しいのです。
正直彼女の前では時任三郎も霞む・・・。
(でも私は時任三郎ファン)
岡田将生くんは・・・、きれいすぎてあんまりチョンマゲ似合わないですね。
「大奥」の二宮君も、そう感じましたが・・・。
最近で一番良かったのは、「ちょんまげプリン」の錦戸くん。



あ、話がそれました。
幻想的な雷桜の巨木がイメージするように、
どこか茫洋とした現実ではないラブストーリー。
そう理解すれば、まあ何とか及第点。
けれど、岡田将生ファンでも蒼井優ファンでもなく、
本を読もうか映画を見ようかと迷っている方には、絶対に本の方をオススメします。

→→宇江佐真理「雷桜」

2010年/日本/133分
監督:廣木隆一
原作:宇江佐真理
出演:岡田将生、蒼井優、小出恵介、柄本明、時任三郎
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ATOM

2010年10月26日 | 映画(あ行)
ラララ科学の子



          * * * * * * * *

え~、鉄腕アトムには並々ならないこだわりがあります。
まさに私の子供時代の希望であり夢であったアトム。
国産初のテレビアニメは、食い入るように見ていました。
だからこそなんですが、このアメリカ産の面長のアトムには違和感があって、
公開時にはあえて見に行っていなかったのです。
でもまあ、気にはなりますので、この度ついに見てみました。


基本的な部分は、原作に忠実ですね。
といいますか、このアトム誕生のいきさつを
日本の「アトムファン」を自任する人でも、
知らない人が多いのは嘆かわしいと思っていました。
ほとんどの方は、お茶の水博士がアトムを作ったと思っていたのでは?
天馬博士が息子を事故で亡くし、
その代わりにその息子トビオそっくりのロボットを作ったのです。
ところが、ロボットはロボットでしかなく、生身の人間とは別物
・・・そう思い込んだ天馬博士は、ロボットのトビオを拒絶するようになる。


以上のコンセプトを守りながら語られるこのストーリーの世界観は、
この映画作品オリジナルのものです。
空中に浮かんだ都市。
ロボットはひたすら人間のために使役される。
壊れれば地上に捨てられておしまい。
その地上は、空中都市から振ってきたガラクタに覆われていて、
空中都市に住めない貧しい人間たちが蠢くように暮らしている。
壊れかけながらも、修復されたロボットたちもいる。
こういう二重構造の世界になっています。
また、このアトムのエネルギーになるのはブルーコアという、
宇宙で発見された未知のエネルギー。
アトムはトビーの記憶をそのまま持って誕生します。
心は人間。
体はロボット。
だからこそ、アトムはロボットと人間たちの間で揺れ動く。
手塚治虫氏の存命中にはアトムと天馬博士の和解は図れなかったわけですが、
今になってこのような結末をつけるのも、悪くはないかも知れません。




ところでこの作品、手塚治虫ファンを楽しませる部分が随所にありました。
ほんのワンシーン出てくるヒョウタンツギとか、
天馬博士の助手の一人が手塚氏そっくりだとか・・・。
地上にいたハム・エッグ氏は、始めそうとは思わなかったけれど、
やはりあのハム・エッグだ。
始めはいい人に思えたけどやっぱり悪役だ。
なるほどねー。

そうそう、この度は日本語吹き替え版を見たのですが、
原版での声の出演がタダモノではない。
フレディ・ハイモア、ニコラス・ケイジ、
ビル・ナイ、サミュエル・L・ジャクソン、シャーリーズ・セロン。
結構力が入っていたのですねえ。
それだけ、アメリカでも「アストロ・ボーイ」が親しまれていたのかと思うとうれしいです。
・・・ということで、
まあ、やはりアトムと呼ぶにはなじめない顔ですが、
私の知っているアトムとは別物の一つのストーリーとしてみれば
そこそこ面白かったかな・・・と。


ATOM スタンダード・エディション [DVD]
上戸彩,役所広司,フレディ・ハイモア,ニコラス・ケイジ,山寺宏一
角川映画



2009年/アメリカ・香港
監督:デビッド・バワーズ
原作:手塚治虫
声(日本語吹き替え):上戸彩、役所広司
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「ウエザ・リポート 笑顔千両」宇江佐真理

2010年10月25日 | 本(エッセイ)
きっぷのいい江戸のおかみさん

笑顔千両―ウエザ・リポート (文春文庫)
宇江佐 真理
文藝春秋


            * * * * * * * *

我が敬愛する宇江佐真理さんのエッセイ集です。
しかし、冒頭の一文を読んでたまげました。
著者はウエザ・リポートというタイトルでエッセイを書くために
ペンネームを決めたのだそうです。
ウエザー・リポートはすなわち天気予報ですね。
宇江佐なんて、珍しい名前・・・とは思っていましたが、
こんな秘密があったとはちーっとも知らなかった。
いやはや・・・。

・・・ということで、このエッセイ集、
ほとんど著者が文壇デビューした頃のものから順を追って並んでいます。
函館生まれ、函館育ち、そして今も函館在住の著者。
なんとデビューは46歳・・・?
専業主婦が台所でコツコツと小説を書いて、日の目を見たのですねえ・・・。
しかし、小説家を志したのは高校生の頃・・・とありますよ。
う~む、継続は力ですね。
そして夢をあきらめないこと・・・。
でも、宇江佐さんにとっては今も本業は小説家というよりは、
妻であり母であり・・・そして作家である。
このスタンスを守っているように見受けられます。
北海道人として、そして主婦として、
私は勝手に共感と親しみを抱いてファンなのであります。
でも、ファンというのもおこがましい、
まだ著者の代表作「髪結い伊三次捕物余話」も読んでいないのです・・・。
今後を期待してください・・・。

ところで、この本を読んでよく解ったのですが、
宇江佐さんは、きっぷの良い江戸の女将さんタイプ。
なるほど、彼女のストーリーの登場人物には、
結構ご本人が投影されているのかも知れません。
なにやら文にキレがあって小気味よいのです。
とても楽しめたエッセイ集でした。

それに、この表紙のカットがまたいいじゃありませんか。
函館の五稜郭方面から函館山の方を見たのですね。
そこで洗濯物を干しているのはまさに宇江佐さんに違いないと思うのですが、
これがやっぱり江戸の女将さんだ。
宇江佐さんは団塊世代なので、私よりは少し年上です。
姉様。
そう呼ばせていただきたい。
北海道新聞掲載のエッセイも楽しみにしておりまする。

満足度★★★★☆
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ミレニアム2/火と戯れる女

2010年10月23日 | 映画(ま行)
リスベットの過激さの裏にあるもの



            * * * * * * * *


さあ、待っていました。ミレニアム第2弾。
敏腕ジャーナリスト、ミカエルと、天才ハッカー、リスベットのその後です。

前回大富豪ヴァンゲル家で起きた連続殺人事件の約1年後。
こうしてみると、あれはこの二人を紹介するための
プロローグのような作品であったのですね。
ところがあのあと、リスベットはミカエルの前から姿を消してしまっていました。

この度はミカエルのチームで、ある少女売春組織を追っています。
ところがチームのメンバーが殺害され、
その現場になんとリスベットの指紋がついた銃が発見されたのです。
しかし、彼女の無実を確信するミカエルは、他の仲間と共に事件の真相を追う。
また、あらぬ濡れ衣を着せられたリスベットも、
独自で鋭い頭脳と行動力で事件の核心に迫っていきます。



ミカエルとリスベットは出会うことなしに双方調査を進めますが、
調べていくうちに、“ザラ”という人物が上がってきます。
それは元ソ連のスパイで、今はここ、スウェーデンに亡命し、
犯罪組織の黒幕的存在となっている。
彼らはこの巨悪を敵に回すことになるのですが・・・
驚くべきは、この人物の正体と、
そして明かされるリスベットの戦慄すべき過去。
う~む。
リスベットがこのようになってしまったのも無理からぬこと・・・と思えてきましたね。



このクールで過激なヒロインは、
しかしこの2作目に限って言えば、例のパンク的メイクはほとんどなくて、
普通にステキなんですよ・・・。
特に、ミカエルが彼女の留守に彼女の部屋に入り込んでしまった映像が、
セキュリティのために彼女の携帯に送られてくるシーンがあるのです。
そのときの彼女の表情がすごく良かった。
何で?という疑問に満ち、途方に暮れ、あきれたようでもあるその表情、
常なるクールな表情が消えている。
見逃してはならないシーンです。


ラストでは絶体絶命のリスベット。
これで何で助かったのか、さすがにちょっと疑問でもありますが・・・。
まあ、ここで命を落としてしまっては話にならない。
なにしろ、すぐに「3」がありますからね。
楽しみです。



さてこの作品、さっそくハリウッドでリメイクの企画があるのだとか。
これだけしっかり出来た作品をリメイクとは・・・ちょっと失礼な気がしますけど。
でも見てみたいというのも正直なところかな。
デヴィッド・フィンチャー監督でミカエルがダニエル・クレイグの模様。
リスベットは誰なんでしょう?
誰がいいでしょうねえ。
私のイメージとしてはヒラリー・スワンクあたり・・・? 
いやいっそノオミ・ラパスをそのまま連れてきちゃいましょう。
うん、それがいい。


ご参考までに  ミレニアム/ドラゴンタトゥーの女

2009年/スウェーデン/130分
監督:ダニエル・アルフレッドソン
原作:スティーグ・ラーソン
出演:ノオミ・ラパス、マイケル・ニクビスト、アニカ・ハリン、ペール・オスカーション
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「真田太平記(五)秀頼誕生」 池波正太郎

2010年10月22日 | 真田太平記
秀頼誕生、そして秀吉の死・・・

真田太平記(五)秀頼誕生 (新潮文庫)
池波 正太郎
新潮社


              * * * * * * * *

第五巻、秀頼誕生、ですね。
そう、ここでは朝鮮出兵も膠着状態。
秀吉はなにやらやつれて日に日に生気をなくしていたのだけれど・・・。
なんとここへ来てようやく秀吉に男子が誕生したのです。
うん、実はその前にも男の子が生まれていたのだけれど、幼くして病死してしまっていたたんだね。
著者は、秀吉が九州の名護屋から生母逝去のため、一時大阪に戻っていたときに淀君が身ごもったのだろうなんて書いていましたね。
時期から見るとそうとしか思えないってっことかな?
ま、それはともかく、時に秀吉は58歳! 
ようやくできた跡継ぎにうれしくて、うれしくて・・というふうなんだね。
今度こそはしっかり育つようにと、幼名は拾(ひろい)丸とつけたんだよ。
捨て子を拾って育てると健やかに育つという風習があって、わざわざ一度地面に寝かせて拾い上げたとか。
それはそれでめたいのだけれど、これがまた波紋を呼ぶわけだ。
まず、それまで秀吉の甥である秀次が一応跡継ぎとされていたんだけれど・・・
もう用なし、ってことになっちゃったのかなあ。
秀吉に謀反の罪とか言われて自害させられちゃった・・・。
秀吉亡き後の天下の行く末は・・・、もう豊臣家ではムリ・・・と皆おもいはじめた頃だったんだけど、
跡継ぎができたからには、もしかするとまだ豊臣家でいけるかもしれない・・・そんな考えもできる。
つまり、果てさて、皆さん困惑。

そんなこんなするうちに、幸村には二人の女子。兄信幸には1女、2男ができている。


それから、地震が起きますねえ。
慶長元年の大地震。
さて、震度どれくらいあったんでしょうね。
秀吉が丹精こめた作った伏見城が崩壊したというんです。
・・・耐震構造になってなかったんだねえ。
地震の起こる理屈も何も解らなかった当時、本当にこわかっただろうね。
そのとき秀吉はその伏見城にいたけれども、まずは我が子を抱きしめて無事避難したと・・・。
でもねえ・・・一時衰弱してみえた秀吉が、秀頼誕生によってまた息を吹き返すんだね。
この大地震にもめげず、伏見城再建。
明国の使節と大阪城で対面するけれど交渉決裂で、また朝鮮・明国と戦闘状態。
それで、明国とのやりとりの中でのごたごたで、秀吉の臣下がなにやら不穏になっていくわけだ。
ただただ強気で、日本の優位を信じて疑わない秀吉の意志。
しかし、実際に相手国との戦闘や交渉に当たるものは、そうは行かない。
秀吉の叱責を恐れて、本当のことが言えなくなっちゃってる。
それもこれも結局は秀吉の無為で無理な征服願望のせい・・・。
ほんと、どうしてこんなになっちゃったんだろうね。
若い頃から、とにかく前進あるのみの人だったから・・・
留まるべきところが解らなかったのかも知れない。
だがしかし、そうは言ってもついに彼の人生も終わりを告げる。63歳。
ただひたすら世継ぎの秀頼のことを案じて死んでいったわけ。・・もうただのおじいちゃんって感じで。


そうしたらね、直ちにおこなわれたのが朝鮮撤退。
皆さん、相当懲りていたんだねえ。
そして、秀吉から秀頼の後見人を任ぜられた前田利家もまもなく病死。
また、これまでおとなしくしていた家康がいよいよ本性を表して、
ふてぶてしい振る舞いが見えてきた。
そして、石田三成を中心とする「文治派」、加藤清正らの「武断派」
2派の対立も深刻なってくる。
・・・いかにも不穏ですねえ。
何事も起こらない方がおかしい、と。
でもつまり、この本では真田家はとりあえず傍観者なんだね。
そう、じっくりと状況を見定めているというところかな。
ただ、秀吉側の昌幸、幸村父子と家康側の信幸と言う構図はあって、
双方やや付き合い方も微妙なんだよね。
ここまで読んだところでは、お兄ちゃん信幸も、結構好きだなあ・・・。
父親には疎まれていると知りつつも、よくやっているよね。グレもしないで。

それから、佐平次の息子、佐助がいよいよ草の者としての仕事を始めますね。
これは頼もしいですよ。
では・・・次巻を乞うご期待!!

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ウルフマン

2010年10月21日 | 映画(あ行)
何が悲しくて・・・



            * * * * * * * *

一応リメイクなんですね。
1941年古典ホラー「狼男」の・・・。
そういう思い入れがあるからなのでしょう。
狼男はCGでなく、特殊メイクで行ったとか。

19世紀イギリス。ビクトリア朝ロンドン。
うん、このへんの時代背景は私も好きです。
俳優ローレンスが兄の行方不明の知らせを聞いて、生家のあるブラックムーア村へ帰郷。
しかしそこで待っていたのは、何物かに無残に切り裂かれた兄の死体。
彼がこの事件を調べて回るある夜、
ナゾの狼男に襲われ、自らも満月の夜に変身するウルフマンになってしまう・・・。



しかしねえ、あの狼男、何とかなりませんかね。
私はどうしても恐ろしいというよりは、滑稽で笑いたくなってしまう。
へんですよ。
あれでは狼なんだか、熊なんだかゴリラなんだかよくわからない。
何であんな中途半端な変身の仕方なんでしょ。
やっぱりここは、「トワイライト」のように
CGできっぱり狼になってくれた方が格好がいい。
怖さで言えば人間のすがたの吸血鬼の方が怖いし・・・。
名優ベニチオ・デルトロとアンソニー・ホプキンスが
何が悲しくて、あの姿で闘わなければならないんでしょ・・・。
やれやれ・・・です。
とりあえずこの作品をわざわざ劇場に見に行かなかったのは正解でした。

でもまあこの時代、産業革命がおこり科学の進歩がうたわれている時期。
科学者たちはこの男を「狼男」の妄想に駆られた精神疾患と決めつけ、
治療をしようとしますね。
まあ、治療と言うよりは完全に拷問ですが。
そんなところは興味深かったですね。
今なら、遺伝子を調べるべきでしょうね。
噛まれて感染するなら、細菌か、ウイルスか???

ウルフマン ブルーレイ&DVDセット [Blu-ray]
アンソニー・ホプキンス,エミリー・ブラント,ベニチオ・デル・トロ,ヒューゴ・ヴィーヴィング
ジェネオン・ユニバーサル


2010年/アメリカ/102分
監督:ジョー・ジョンストン
出演:ベニチオ・デルトロ、アンソニー・ホプキンス、エミリー・ブラント、ヒューゴ・ウィービング

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蛇イチゴ

2010年10月20日 | 映画(は行)
常に清く正しくはいられない私たちの内面

蛇イチゴ [DVD]
西川美和
バンダイビジュアル


           * * * * * * * *

「ゆれる」「ディア・ドクター」の西川監督初監督作品。
ずっと前から上位でレンタル予約していたのですが、やっと見ることができました!!


まずは、普通の家族の風景なんです。
会社勤めのお父さん。まじめで一本気という感じ。
おじいちゃんは惚けていて、世話が大変ながら、しっかり者のお母さんがついている。
娘は小学校の教師で、その夜、彼氏が初めて家に来ることになっている。

家に来た彼の感想は「いやあ、いい家族だねえ、うらやましいよ」という、
まさに表面はそういう家庭なのですが・・・。


ところが次第に内実が見えてきます。
お父さんは、とっくに会社をクビになっていて借金まみれ。
それでも、ずっと勤めているフリをして毎朝家を出ていたわけです。
お母さんは惚けたおじいちゃんの世話が嫌で嫌で、円形脱毛症になっていたりする。
そんなときにおじいちゃんが急死。
葬儀の夜、借金取りが現れてお父さんの秘密が暴露されてしまう。
そしてそこへ、この家の放蕩息子が帰還。
この兄は口八丁手八丁のいい加減な奴で、目下の職業は香典泥棒だ・・・。
すっかり地が出て開き直ってしまったこの家族は
いったいどうなってしまうのか・・・?!


う~ん、修羅場ですね。プライドの高いお父さんの秘密が、
葬儀の参列者の前であからさまにされてしまった。
なおも場を混乱させようとするヤクザのような借金取りを、
なんとあの兄が弁護士のフリをして撃退してしまった。
これまで兄だけがウソツキの悪者だったこの家族、
実は父も母も欺瞞に満ちた似たもの同士・・・。

おかしなもので、この長女だけが芯からまじめできちんとしていて、
こんなときに彼女だけが浮いてしまってくるのです。
この家族にとっては正論は耳が痛いだけ。
たとえウソでもその言葉にすがりたい。
滑稽ではありますが、そういうものかもしれません。
だけど、結局そういう方が生きていく力にはなるんじゃないかな。
この作品ではしだいに長女倫子が一番危うく見えてきます。


「お兄ちゃん、子供の時にすっごく甘くておいしい蛇イチゴがあるところを見つけた、
なんていったでしょう。
それを探しに行って迷子になってひどい目にあったのよ。
アレもウソだったんでしょう。」
イヤ、それはウソじゃないといいはる兄に、
それなら、その場所まで連れて行ってよという倫子。
夜明け前の森を二人がイチゴを探して歩きます。
さあ、本当にイチゴはあるのでしょうか?

鮮烈なラストがみごとです。
ちょっとくらいいい加減でも、したたかに生きていく方が勝ちかな・・・。
決して常に清く正しくはいられない私たちの内面。
それは私たちの弱さでもあるけれど、
それに開き直って強くもなれるんですね。
リアルな身近さを感じさせる作品でした。

2002年/日本/108分
制作:是枝裕和
監督・脚本:西川美和
出演:宮迫博之、つみきみほ、平泉成、大谷直子

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シングルマン

2010年10月18日 | 映画(さ行)
水の底のような一日



               * * * * * * * *

水中を一人の男性が漂っています。
次第に息が詰まって苦しくなってくる・・・・・・

こんなシーンが何度も出てきますが、これは主人公ジョージの現在の心の風景。
彼は16年間同棲したパートナーのジムを事故で失ったのです。
つまり、中年のゲイの男性のストーリーなのですが・・・。
いきなりそう聞くと引きましょうか。
でもこの作品をみると、人と人との愛に異性であれ同性であれ、
さほどこだわることはないのかも・・・という気がしてきます。
ジョージのこの深い喪失感。
単に性の問題だけではなくて、
人生をも分け合った魂の片割れを亡くしたというような・・・。


何をするにも意欲がわかず、淡々と時間が過ぎているだけ。
生きる望みを無くした彼は、その日自殺をしようとするのです。
貸金庫をカラにし、ピストルの弾を買って・・・
ところがこの日、大学教授である彼に、一人の学生が近づいてくる。
若々しい青年のまっすぐな目、初々しい会話、そして肉体がまぶしい・・・。
もしかしたら、この出会いは、彼の新たな生きる希望となるのでしょうか・・・。

特に、大きな事件があるわけではありません。
この大学教授の一日を淡々と綴るのですが、
その水の底のような一日に、わずかな日が差し込む。


失ったパートナーがもし女性なら、
ここまでの悲哀は出ないのではないかと思います。
まあ、新たな出会いはありそうに思えますよね。
けれど、同性でここまでの関係になれる相手というのは、
そう簡単に見つかるものではない。
そういうところがジョージの絶望を深めるわけです。
その絶望を背負いきったコリン・ファースがすばらしかったですね。
正直、「ブリジット・ジョーンズの日記」などに出ていた彼を
そうステキと思ったりはしなかったのですが、ここの彼はすごい。
これぞベテラン俳優の意地ですね。
感服いたしました。


2009年/アメリカ/100分
監督・脚本・制作:トム・フォード
出演:コリン・ファース、ジュリアン・ムーア、ニコラス・ホルト、マシュー・グード
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「平成関東大震災~いつか来るとは知っていたが今日来るとは思わなかった~」福井晴敏

2010年10月17日 | 本(その他)
生き延びてさえいれば、未来はある

平成関東大震災 いつか来るとは知っていたが今日来るとは思わなかった (講談社文庫)
福井 晴敏
講談社


            * * * * * * * *

東京を大地震が襲ったら・・・、この本は実用情報も満載のシミュレーション小説です。
ごく平凡なサラリーマン西谷久太郎(すなわち、サイヤクタロウ)。
彼はたまたま営業で都庁を訪れていました。
でも、実はそれは幸いなことだったんですね。
都庁は近辺の避難場所になっているくらいバッチリの耐震構造。
ちょうどエレベーターの中で地震に遭遇しました。
新宿は震度6強。
しかし、止まってしまったエレベーターから救出されるのに少し時間がかかっただけで、
無事外へ出ることができました。
ところが、それからが大変。
職場も気にかかるし、家のことも心配。
外へ出てみれば、あちこちのビルは倒れ、がれきの山。
火の手も上がっている。
これはもう仕事どころではない。
とにかく帰って家の様子、家族の様子を確かめたいが・・・。
携帯はつながらない。
そうそう、こういうときは災害用伝言ダイヤル、というのを使うんだった・・・。
交通機関はもちろん全部ストップ。
帰るとすれば歩くほかない。
こういうのを帰宅困難者というんですね。
西谷さんは、直線でも家まで約8キロメートル。
しかし、電気も通っていない夜は暗いし、道路もまともな状況ではない。
そしてこのように帰るに帰れない人々があふれかえっている・・・。
様々な困難を乗り越えて、西谷さんは帰路につきます。


実際にこんなことにはなって欲しくありませんが、
それはないとはいいきれないですね。
こんな風に、非常時をシミュレートし、
対応のイメージトレーニングを積んでおくのは必要なことだなあと思いました。


このような混乱のさなかをくぐり抜けるのは確かに大変です。
でも、その当たりはみな無我夢中で生き抜こうとするので何とか過ごすことができる。
本当に大変なのは、心の危機がやってくるその後、というのです。
たとえば、ローンを組んでやっと建てた家がつぶれたり焼けたりしてしまったら・・・。
大事な家族が亡くなっていたりしたら・・・。
避難所からいつ出られるかも、先の生活の見通しも見えないとしたら・・・、
これは本当に辛いです。
こういう大変なところを、家族や地域の人たちが心を一つに何とか立ち直っていく
・・・こういうことがとても大事。

終章の題名はこうなっています。
「生き延びてさえいれば未来はある。
打ちひしがれず、前へ進もう。」
そうですね。
このことは忘れないでおきたいと思います。


けれど、この本の大変さはやはり大都会ならではですね。
札幌程度なら、ここまでひどい帰宅困難者の群れ・・・にはならないだろうなあ。
道路も広いし。
私自身は職場まで常に徒歩30分だし・・・。
東京はいくら何でも人が多すぎる・・・と、北海道人としては思ってしまいますが。

満足度★★★☆☆
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サブウェイ123 激突

2010年10月16日 | 映画(さ行)
スピーディ&スタイリッシュ



            * * * * * * * *

1974年「サブウェイ・パニック」のリメイクといいますが、そちらは見ていないのでなんとも言えません。
が、たぶんその作品を意識してあえて近代的にスタイリッシュな映像にしたのかなあ
・・・と思います。
ニューヨークの地下鉄運行司令室に勤めるガーバー。
彼がその司令席にいるときにたまたま事件は起こります。
ライダーと名乗る男のグループに地下鉄がジャックされ、
19人を人質に1000万ドルを要求。
タイムリミットは1時間。
ライダーは始めにコンタクトを取ったガーバーを交渉相手として指名。
1時間で現金は用意できるのか。
どのように現金を受け取るつもりなのか。
そして、19人の乗客の運命は・・・。

無線で会話の応酬を繰り広げるガーバーとライダー。
なかなかのスリルです。
ガーバーが地下鉄車両の納入先を決めるときに、
日本の会社から賄賂を受け取った・・・なんて話しもありまして・・・。
おいおい、賄賂を出したのは日本かい・・・って、
ちょっとトホホな気分も味わえます(?!)
意外にも、ライダーの真の狙いは身代金ではなくて・・・。
もっと近代的な頭脳プレーなのです。
こういうところがあればこそリメイクの意義が光りますね。
時々いったい何のためのリメイク何だかよくわからないものがありますから・・・。
頭はいいのだけれど尊大で自己中で、キレやすいという・・・
こういう犯人像にまた、ジョン・トラボルタがぴったりです。
はまり役。




やや物足りなかったのは、
乗客の中にパソコンで彼女とチャットをしていた青年がいまして。
いったん電波が切れて通信が途絶えたのですが、
その後、ライダー自身がパソコンを使うためにそのチャットも復活。
それで車内の様子がリアルタイムでネットで流されるというシーン。
でも、それはそれだけで終わってしまうんですよ。
そこでそのチャットを利用して犯人に罠を仕掛けるとか、
もう一ひねり欲しかった気がします。
う~ん、でも一時間ですからね。
そんなこと考えてるヒマないですかね。



全体的にはスピーディで骨太でスタイリッシュ。
全く退屈しないで楽しめる作品でした。

サブウェイ123 激突 コレクターズエディション [DVD]
ルイス・ガスマン,ジョン・トラボルタ,デンゼル・ワシントン,ジョン・タトゥーロ
ソニー・ピクチャーズエンタテインメント



2009年/アメリカ/105分
監督:トニ・スコット
出演:ジョン・トラボルタ、デンゼル・ワシントン、ジョン・タトゥーロ、ルイス・ガスマン


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「北の動物園」 倉本聰 

2010年10月15日 | 本(エッセイ)
雑多でユニークな体験が良い脚本を生む・・・?

北の動物園 (扶桑社文庫)
倉本 聰
扶桑社


         * * * * * * * *

脚本家、倉本聰氏のエッセイです。
これがもう、面白くて一気に読んでしまいます。
それというのも、氏の人間観察の鋭さもありますが、
なんと言っても著者自身のユニークな行動、発想、体験。
その魅力に引き込まれるという感じですね。


手術の話は壮絶です。
盲腸の手術の話。鼻の手術の話。
相当ぞっとさせられます。
よくぞまあ、これまでご無事で・・・。


ニセ倉本聰の話。
倉本聰を語ったその男は、実際旅館の部屋にこもりきりで、
せっせと原稿を書いていたという。
とんでもない奴という以前に、感心してしまう倉本氏。
日本海側各地を渡り歩き、旅館の人々をすっかりだまし通して
宿泊料を踏み倒し続けたニセ倉本氏。
・・・すごい話ですねえ・・・。


北海道人としては、氏の富良野塾のエピソードは非常に興味深いのですが、
そんな中であるエープリルフールの日、
塾生に『高倉健さんがお忍びで来るので、迎えに行くように』と言ったのはいいけれど、
その後そのウソを言ったことを忘れてしまい、
塾生は吹雪の中を3時間も健さんを待って凍えそうになったとか・・・。
4月1日に吹雪って、いえいえ、北海道ならそれはアリなんですよ・・。
翌日は誰も口をきいてくれなかったそうです。


スロープと間違えて車で階段を降りた話とか、
恋敵を蔵王のスロープの崖へ誘導してジャンプさせ、大けがをさせてしまった話とか・・・
やんちゃな方なのですねえ。
私などこれまでの一生の中でも、こんなおもしろい話はちっとも出てきやしない。
人の胸を打つストーリーは、本人の雑多な経験の中からうまれるのだなあ
・・・と感じ入る次第です。

こんなに楽しいエッセイ集はそう多くはありません。
オススメです。

満足度★★★★★
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ナイト&デイ

2010年10月13日 | 映画(な行)
ロマコメとスパイアクションの融合



            * * * * * * * *

空港で、ナゾの男ロイ・ミラーとで出会ったジューン。
乗り合わせた飛行機で、彼は突然戦闘モードに入り、
操縦士不在となった飛行機を不時着させ、
いきなり二人の激烈な逃亡劇が始まる・・・。



追っ手はCIA。
ロイ自身もCIAのスパイなのだけれど、裏切り者だと思われているというのですが・・・。
ジューンはさすがに彼をすぐには信じられないのですが、
引きずり回され、彼の優しさに触れるうちに
疑惑は信頼へ、そして愛へと変わって行くのです。

・・・と、実はこの作品、このような筋立てはほとんどどうでもいいのだと思います。
ロマンティックアクションといいますか、
ロマコメとスパイアクションとの融合。
ドキドキして、ハラハラして、うっとりできればそれでよし。
そういう作品なのです。
しかし、そのアクションが半端でなく派手なんですね。
オーストリア、スペイン、そして絶海の孤島。
あれよあれよという間に場面が移り変わり、息をもつかせない展開。
近頃渋めの役が多いトム・クルーズ、ここでは思い切りハイテンションでファンキー。
にっこり笑ったその顔のなんとチャーミング。
なんというか、この作品、
映画ファンへのお年玉みたいなものですね。
(お正月には早すぎるけど・・・)
キャメロン・ディアスとトム・クルーズという豪華なキャストを敷いて、
アクションとロマンスで盛り上げる。

もうあちこち突っ込む気にもならず、ただただ楽しむのみ。
これはたぶん、若手の無名俳優では成り立たないのです。
この布陣だからこそ、ゆったり安心して楽しめる。
お気楽なハリウッド作品も、ここまで来れば感嘆するのみ。

ラストがまた、とてもいいのです。
ジューンが何故かロイの実家を訪ねるシーンがあって・・・。
両親は息子は事故で亡くなっていると思っている。
一つ一つの会話が、後でまた思い起こされたりするのが、オシャレで楽しいですよ。
まあ、ごたごた言わないで、楽しみましょう!!



ちなみに、題名のナイトはKnight・・・。
夜ではなくて「騎士」のナイトですね。
お姫様を守る勇敢なナイト。
でも現代は、時に女性が男性を守るのであります!

2010年/アメリカ/109分
監督:ジェームズ・マンゴールド
出演:トム・クルーズ、キャメロン・ディアス、ピーター・サースガード、ジョルディ・モリヤ、ヴィオラ・テイヴィス

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