映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

サンバ

2015年01月08日 | 映画(さ行)
重い題材をサラリと・・・



* * * * * * * * * *

料理人を目指し、アフリカからフランスに来ていたけれど、
ビザの更新手続きを忘れてしまったことから、
国外退去を命じられた青年、サンバのストーリーです。



拘束されたサンバに救いの手を差し伸べたのは、
移民協力ボランティアのアリス。
実は彼女は仕事に疲れ、鬱を患っていたのですが・・・。
大変困った状況にありながら、
心優しくユーモアを忘れないサンバに、心慰められていくのです。



ビザもなくお金もない、住むところもない・・・
このような移民問題は、アメリカでも顕著ですが、ヨーロッパも同じなんですね。
まさに現代の大きな社会問題を扱いながら、
決して暗すぎたり重すぎたりせず、
ユーモアを持って描かれているところがいい。
だから、「最強のふたり」の監督・主演タッグ再び・・・というわけなのですが。

黒人の大男と障害のあるお金持ち。
黒人の大男と心を病んだ女性。
このシリーズはもうやめたほうがいいです。
2番煎じはやはり2番煎じで、
はじめほどの感動は得られませんでした。
これ以上続けると、オマール・シーの可能性も狭められてしまいます。



とはいえ、楽しいシーンも多くありました。
サンバが高所恐怖症気味なのがいい。
窓ふきとか工事の仕事はちょっと大変そうですが。
彼と友人のユーモアあるやりとりも楽しかった。
女性ばかりのオフィスの窓の外で踊るセクシーなダンス。
揺れるからやめろ!と必死で止めるサンバ。
屋根の上では、「靴を投げろ」と同僚にいわれて、
下に放り投げてしまうサンバ。
サンバよ、アンタは北海道人か・・・と
密かにツッコミを入れてしまいました。
北海道では捨てることを「投げる」というのです。



結局、楽しくはあるけれど、やや凡庸かな・・・?と。

「サンバ」
2014年/フランス/119分
監督:エリック・トレダ、オリビエ・ナカシュ
出演:オマール・シー、シャルロット・ゲンズブール、タハール・ラヒム、イジア・イジュラン

人種を超えた交流★★★★☆
満足度★★★☆☆