つい、そう思ってしまうことはありそうだけど
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結婚五年目にして夫婦関係が冷えきってしまった麻矢、
離婚を経験した璃子、モラハラ気質の夫に悩みながら一人娘を育てる友里香。
三十代半ばになった大学の同級生三人組は、
立場は違えどみな夫への不満を抱え、時に集まり愚痴を言い合っていた。
しかしある夜、友里香はモラハラ夫との間に大きなトラブルが起き、
さらに麻矢の冷淡な夫も何の前触れもなく失踪してしまう。
次々起きる事件によって、固い絆で結ばれた三人組の仲にも亀裂が入り始める……。
結婚の本質と危うさに迫る、衝撃のノンストップ・ミステリ!
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本作、今期からのTVドラマが始まっています。
私は今のところ見る予定はないのですが、
原作はおなじみの著者でもありますので、原作の方を読んでみることに。
まずは、大学時代にあるできごとがあって、
強い絆で結ばれた30代半ばの女性3人組が登場します。
時々集まっては、仕事の悩みや夫の不満などを愚痴り合います。
そしてつい、「夫が死んでくれればいいのに」などと言ってしまう。
麻矢は結婚5年目、夫婦関係はすっかり冷え切っている。
友里香は、モラハラ気味の夫に嫌気がさしている。
璃子はとうに離婚済み。
今夫が死ねば、遺産と保険金が手に入り自由を手にできる・・・。
しかしまあ、そんなことを愚痴って鬱憤を晴らしてお終い、というのが常。
ところがある夜、友里香がモラハラ夫と口論になり夫を突き飛ばしたところ、
夫は倒れた拍子に頭をテーブルに打ち付けて・・・。
急きょ招集された麻矢、璃子と友里香は、その処置を相談する・・・。
またそんな頃に、麻矢の夫がなんの前触れもなく失踪してしまう。
サスペンスというかミステリなので、夫婦間の微妙な感情の描写はちょっと薄いです。
麻矢は友人とのおしゃべりでは夫の悪口ばかりを言ってしまうけれど、
若干夫の心情を思いはかる場面があったのは良かった。
でも、肝心のその夫がいきなり失踪して、会社まで辞めていたというのは、
終盤の決着の付け方から見るとやり過ぎというか、意味不明に思えます。
丸山正樹さんにしてはちょっとテーマが異なる作品なのです。
いつも「障がい者」を扱う必要はないと思いながらも、
本作はちょっと方向性が違うかな?と思ってしまった・・・。
「夫よ、死んでくれないか」丸山正樹 双葉文庫
満足度★★★☆☆
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