ライカさ~ん、本当にもう会えないの???
* * * * * * * * * * * *
ついにライカと迎える桜の季節に整は…!?
入院中のライカの願いで、整は自身が通う大学のキャンパスを案内することに。
そうするうち、かつて構内で起こった不可解な転落死の謎を知って…!?
そして、ついに訪れる桜の季節に
ライカが整へ告げた言葉は…
* * * * * * * * * * * *
お待ちかね、「ミステリと言う勿れ」最新刊です。
本巻の表紙はライカさん。
表紙イラストが整くんでないのは、ガロくんにつづいて二人目。
ライカさんは、本作には欠くことができない重要な登場人物なのですが・・・。
まずは前巻の続きで、ライカに大学キャンパスを案内する整くん。
そして、かつて構内で起こった不可解な転落死の謎の解決編。
思いも寄らない顛末の末に起こった転落死。
その後のとある人物の行動によって、一層謎が深まってしまっていた・・・。
「ミステリと言う勿れ」とは言いながら、これは立派なミステリですよねえ・・・。
さて、ところでいよいよ春。
桜が咲き始めます。
ということはつまり、整くんとライカさんの別れの時。
この後はおそらく2度と会うことはないであろう二人。
・・・ここの詳しい説明は記さないでおきますので、
ぜひ本作のはじめから読んで確認ください・・・。
その最後の二人で過ごす夜に、ライカさんが言うのです。
「キスしてもいいだろうか」
ハッとして、戸惑い、逡巡する整くん。
なんとここから丸5ページ、足かけだと7ページ、
整くんが無言で悩んでしまう図がつづきます。
普通の漫画では考えられない構図。
これまで描いてきた整くんの描写の実績があればこそ、できることだと思います。
いや、ただ単に整くんがウブだから悩んで答えられないのではなくて、
「千夜子」という女性のことを思うからこそなんです。
でも初キッスのチャンスをみすみす逃した整くん。
切ないな~。
そしてその先は、切ないを通り越して、本当に悲しい・・・。
ライカさんは、消えてしまいました・・・。
その喪失感はまことに大きい。
それで、本作15巻なんですが、つまりこの15巻で、
整くんがライカさんと出会ってから3か月しかたっていないってことなんですよね。
うそ~。
まことに密な3か月ですね。
整くんはほとんど週に1度くらい何らかの事件に遭遇しているのでは・・・?
そして今になってまだ、語られていない大きな秘密があるらしいというのに又驚かされます。
ライカさんが最後に言い残したこと。
「天達先生に気をつけろ」
なんだかこの秘密は知りたくない気がするけれど・・・。
おそらくガロくんが追っている真実とも関係してくるのでしょう。
ますます、目が離せなくなりそうです。
「ミステリと言う勿れ15」田村由美 フラワーコミックスα
満足度★★★★★