映画と本の『たんぽぽ館』

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リメンバー・ミー

2018年04月18日 | 映画(ら行)

ミゲルのひいひいおじいちゃんとは?

* * * * * * * * * *


メキシコの「死者の日」。
日本で言えばお盆のようなものでしょうか。
亡くなった家族がつかの間、家に戻ってくるという・・・。
そんな日のことをテーマとしたアニメです。

ギターの才能を持つ少年ミゲルは、ミュージシャンになることを夢見ています。
けれどもミゲルの家では代々音楽禁止。
靴職人になることが半ば運命づけられているのです。
というのも、曾祖母のもう一つ前の世代の出来事。
男はミュージシャンとして名を売るために、妻とまだ幼い娘を置いて家を出たまま戻らなかった。
そのことで、この家では音楽を毛嫌いするようになってしまっているのです。
その時の幼い娘こそが今のミゲルのひいおばあちゃんで、
かなりのご高齢、しわしわ、少しボケてきている・・・。
けれど、この彼女のかすかな記憶こそが後に重要になります。



さて「死者の日」のその日、ミゲルは憧れのミュージシャン、デラクルスの霊廟を訪れ、
そこに飾られているギターを手にしますが・・・
気がつくと、「死者の国」に迷い込んでいます。
周りはすでに死んでガイコツになった人たちばかり。
ミゲルはそこで陽気なガイコツのヘクターに出会いますが・・・。



この死者の国のが、夢のように美しいですね。
ちょっと「DESTINY 鎌倉ものがたり」の黄泉の国のイメージと似ていると思いました。
しかしここでは「二度目の死」というのがあるのです。
「死者の日」には亡くなった人の写真を祭壇に備えて、その人を思い出すという風習があります。
けれども誰からも忘れられ、祭壇に写真も立てられなくなってしまったら
「死者の国」からも消えてしまうのです。
それで、ヘクターが今や誰からも忘れられて消える寸前・・・。



そうした人々の生と死、そして家族の絆を描き出すステキなアニメでした。
家族とのつながりはもちろん大事。
けれども個人の希求する方向性つまりミゲルの音楽に対する思い、
それもまた貴重なのだと、本作はいっています。

家族は見守っている。
だから、おのれの生を精一杯生きなさい・・・、
そんなメッセージ。

泣けます。


シネマフロンティアにて
「リメンバー・ミー」
2017年/アメリカ/105分
監督:リー・アンクリッチ
製作総指揮:ジョン・ラセター
声:藤木直人、松雪泰子、橋本さとし、石橋陽彩
家族の絆度★★★★★
満足度★★★★.5



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1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
久しぶりに観ました (フシ)
2024-07-20 18:52:02
昨日地上波で放送されていて、久しぶりに観ました。
ずいぶん前に観たきりだったのか、いい具合に覚えてなくて、見終わった後の癒やされ感が素晴らしかったです(^^)
そしてやっぱりミゲルとココばあちゃんが一緒に歌うシーンで見事号泣。
子供より大人が観た方が感動する作品なんじゃないですかねえ。
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