映画と本の『たんぽぽ館』

映画と本を味わう『たんぽぽ館』。新旧ジャンルを問わず。さて、今日は何をいただきましょうか? 

隣人は静かに笑う

2020年02月18日 | 映画(ら行)

良き隣人のはずが・・・

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20年以上前の作品を見ようと思ったのは、
ジェフ・ブリッジスとティム・ロビンス主演というのが気になったため。

「ショーシャンクの空に」が95年の作品なので、
ティム・ロビンスのその少しあとの出演作品ということになります。

テロリズムのついての講義を持っている大学教授・マイケル・ファラディ(ジェフ・ブリッジス)。
あるとき、路上で大けがを負った少年を救助します。
その少年は、最近ファラディの隣に越してきたラング(ティム・ロビンス)家の息子でした。
これをきっかけに、ファラディ家とラング家、家族ぐるみの交際が始まります。
そんなある日、マイケルは隣家のオリバー・ラングが偽名を使っているらしいことに気づきます。
そして、彼のことを調べ始めるのですが、
10代の頃に爆発テロ事件未遂を起こしている・・・。
建築家で3児の父である良き隣人。
しかし実はそう見せかけただけの、テロ犯罪者なのか・・・???

マイケルはラングがテロ犯罪者であることを確信するのですが、
彼の恋人は、人をやたらと疑うものではない、という。
又、知り合いのFBI捜査員さえもが、考えすぎだという。
果たしてラングはテロ犯罪者なのか、それとも・・・。
というところで、見ていても予断を許さないのですが、
しかし終盤は予想もつかない展開が待ち受けています。
アメリカ映画でこれは珍しい。
隣人が静かに笑う情景・・・。
これは怖い。
バッド・エンディングです。
まあ、だからこそ、スリルを味わいました!!

 

 

<WOWOW視聴にて>

「隣人は静かに笑う」
1998年/アメリカ/119分
監督:マーク・ペリントン
出演:ジェフ・ブリッジス、ティム・ロビンス、ジョーン・キューザック、ホープ・デイビス

意外性★★★★☆
満足度★★★☆☆

 

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リンドグレーン

2020年02月03日 | 映画(ら行)

自分の思う道を貫けば・・・

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「長くつ下のピッピ」や「ロッタちゃん」等、名作児童文学を描いたスウェーデンの作家、
アストリッド・リンドグレーンの若き日々を描きます。



スウェーデンの農家で育ったアストリッド。
自由奔放な彼女は、教会の教えや倫理観、保守的な田舎のしきたりに息苦しさを覚えています。
あるとき、その文才を認められ、地方新聞社で働くことになります。
ところがそこの妻子ある社長と愛し合うようになり、妊娠してしまいます・・・。



その社長は妻とは離婚協議中。
まあ、アストリッドとは全く遊びというわけでもなさそう。
そもそも作中では、誘惑したのはアストリッドの方。
さてしかし、当時(1925年頃?)未婚で子どもを産むというのは、
ほとんど社会的な自殺行為。
アストリッドは、デンマークにそのような母子を救済してくれる人がいるということを聞き、
デンマークで密かに出産します。
表向きはタイピストの養成所に通う、ということで。
彼女は無事男子を出産しましたが、赤子を連れて帰ることはできず、
そこに預けたまま単身で故郷に戻ります。
そんな頃に彼女と相手の男が会うシーンがあるのですが、
男は妻から姦通の罪で訴えられ、実刑を受けるかもしれない、と戦々恐々の体。
そんな男をアストリッドが優しく抱き留める・・・。
ああ、ここで私は思いました。
すっかり年齢的に逆転している。
単身外国で出産し、我が子と離ればなれになるというつらい経験が、
彼女を一気に老成させたのです。
そして、男への愛は、多分ここで覚めたのではないでしょうか。



その後アストリッドは子どもを引き取り(そこまでの道のりが実は困難)、
別の会社でタイピストとして自立した生活をするようになるのですが、
そんなときに彼女のことを気にかけるハンサムな青年登場。
彼の名前が「リンドグレーン」だったのです。
作中、そのラブストーリーは語られていないものの、
彼の名前だけで、私たちはその後の二人のことがわかるという仕組み。
しゃれていますよねえ・・・。

結局のところ、私は思います。
世間の偏見や嫌がらせがあろうとなんだろうと、自分の思う道を貫くこと。
それを続ければ、いつか周りの方が諦めるというか、打ち解けるというか、
知らずしらずのうちに、それを認めてしまうものなのかもしれない。

何やらじんわりと感動・・・。

<シアターキノにて>
2018年/スウェーデン、デンマーク/123分
監督:ペアニル・フィシャー・クリステンセン
出演:アルバ・アウグスト、マリア・ホネビー、トリーヌ・ディルホム、
   マグヌス・クレッペル、ヘンリク・ラファエルソン
女性の自立度★★★★★
満足度★★★★☆

 

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ラストレター

2020年01月23日 | 映画(ら行)

どこを切り取っても美しく切ない

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岩井俊二監督の出身地、宮城県が舞台です。
姉・未咲の葬儀のため実家に来ていた裕里(松たか子)は、
未咲宛ての同窓会案内状を受け取ります。
姉の死を伝えようと、代わりに同窓会に出席した裕里でしたが、
当時生徒会長で人気のあった未咲と勘違いされ、本当のことを言い出すことができません。
そして、初恋の人、乙坂(福山雅治)と再会。
裕里は姉・未咲のふりをしたまま、乙坂と文通をすることに・・・。

実は、過去の高校時代、裕里は乙坂から姉へのラブレターを預かったことがあるのです。
乙坂に憧れていた裕里はその手紙を姉に渡すことができなかった・・・。
(ただしそのことは、まもなくばれてしまうのですが。)
裕里は自分の住所を乙坂に告げていなかったので、一方的に裕里から乙坂へ向けただけの手紙でした。
それも他愛ないこと、犬を2匹飼うことになった、とか、義母がぎっくり腰になったとか。
ところが乙坂はその返事を裕里の実家へ宛てて出します。
それも、もちろん「未咲」宛で。
実家には未咲の一人娘・鮎美(広瀬すず)と、
夏休み中滞在していた裕里の娘・颯音(森七菜)がいて、
この二人が乙坂からの手紙を読んでしまいます。
そして鮎美もまた未咲に成り代わって乙坂への手紙を書く。
奇妙な3角関係の文通となってしまいます。


このSNSに覆い尽くされた昨今で、なぜ今わざわざ「手紙」なのか。
そんなことも考えながら見るのもいいですね。
まあ、SNSならこのような行き違いも起こらないわけですが・・・。

ともあれ、そんな中で次第に浮かび上がってくる高校時代3人の交差する思い。
そして、キラキラ輝いていた今は亡き未咲の姿・・・。
甘酸っぱく切ない思いが広がります。
なんというか本作、どこを切り取っても美しく切ない気がする。
岩井俊二作品の中でも最もロマンチックかもしれません。
およそ25年前の姉妹と現在の従姉妹同士を同じ配役にしたところが効いています。
いかにもみずみずしさを感じさせるこの二人がまたいい!

そのほかの配役がまた、ステキです。
乙坂に福山雅治さん。売れない小説家。
ちょっと自信なさげでさえない感じがなかなかいい。
私今さら気づいたのですが、私はメガネ男子が好きなのです! 
なので、「マチネの終わりに」より、こちらの福山雅治さんの方が好き。


本作の原点的作品、同じく手紙を扱った「ラブレター」に出演した
中山美穂さん、豊川悦司さんが、思いがけない役で出てくるのも見所です。



松たか子さんのどことなくふんわりした雰囲気が、
本作のシリアスになりがちなところを柔らかく包み込みます。
そしてその夫役が庵野秀明氏、というのがなんとも意表を突くなあ・・・。
ホント、次々出てくる俳優さんを見ているだけでも飽きない。

乙坂の唯一のヒット作品「未咲」の本が作中に登場します。
おそらく乙坂の大学時代の未咲との恋愛を描いたものであるはず。
でも、現実の結果を見てわかるように、それは失恋で終わるわけです。
なぜ乙坂と未咲はうまくいかなかったのか、
そして未咲はなぜ阿藤の方に惹かれてしまったのか・・・
そういうことがきっと書かれているはず。
だから私、この本を読んでみたいなあ・・・と切に思いました。
・・・すると先日、福山雅治さんのラジオ番組に岩井俊二監督が出演されていて、
「未咲」の本はもちろん出版されていないのだけれど、
実際にあって、福山雅治さんは映画撮影に先立って監督からその本を渡されたそう。
そしてその本を読んだことが役作りにすごく役立ったそうなのです。
なるほど~。
そういうことなら、ますます読んでみたいです!!

<シネマフロンティアにて>
「ラストレター」
2020年/日本/121分
監督・脚本:岩井俊二
出演:松たか子、広瀬すず、福山雅治、神木隆之介、
   庵野秀明、森七菜、小室等、豊川悦司、中山美穂

 

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RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ

2019年12月17日 | 映画(ら行)

熟年離婚と在宅死

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RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」に続くシリーズ第二作。

富山地方鉄道で運転士として42年勤め、
1ヶ月後に定年退職する予定になっている徹(三浦友和)。
そんなある日、妻・佐和子(余貴美子)が緩和ケアサービスの看護師の仕事に就きたいと言い出します。
よく話も聞かずに一蹴する徹に反発し、佐和子は家を出てしまうのです。
仕事一筋だった男の人生にとって、妻とはどういう存在だったのか。

定年を迎えるとき、人生をも見つめ直すことになる男の物語・・・。

 

私、前作で「自宅で死にたい」と言っていた老女が
病院でしか死を迎えられなかったことに対して愚痴を言ってしまったのですが、
それが聞こえたかのような本作の展開に、いささか驚いてしまいました。
本来「鉄道」のストーリーなのですが、サイドストーリーに反応してしまって申し訳ないですが、
また、触れさせてもらいます・・・。

 

佐和子はもともと看護師の資格は持っていたのですが、
結婚してから子育てや親の介護に明け暮れ、
いつか仕事に戻りたいと思っていたのが、ついにこれまでかなわなかったのです。

それでこのたび緩和ケアの看護師の仕事を見つけて是非やりたいと思う。

緩和ケア、すなわちガンなどで死に向かう人のケア、
しかもここでは訪問看護、自宅で死にたいと願う人々をケアする仕事なのです。

尽くした結果が治癒して終わりではないので、心理的にハードルの高い仕事ではありますが、
佐和子は多分自らの介護経験から、意味のある仕事だと思ったのでしょう。

作中に登場するのは、在宅死を望む女性(吉行和子)。
おひとりさまではなく、娘、孫と住んでいます。
あるときいよいよ不調で病院に運ばれますが、本人のたっての希望でまた自宅へ戻ります。
このときのハードルは医師なんですね。
医師は帰すのは無理と主張しますが、佐和子はご本人の気持ちを汲んで、医師を説得します。

 

先に読んだ上野千鶴子さんの本の中でも、
「在宅看護・介護のシステムの中では医師の関わりは極力少なくていい、
看護師こそがイニシアチブをとるべき」
とありましたが、そのことを思い出させるシーンでした。

 

さて、余談ばかりですみません。
映画本題に戻れば、ひたすら夫に従い、内助の功的存在に徹してきた佐和子が、
夫の退職を間近にして自分の人生を顧みたのでしょう。
自分のやりたいことは何もしてこなかった・・・。

そんないろいろな気持ちを素直に夫に話せばよかったのでしょうけれど、
そもそも夫は全く妻の言葉を真剣に受け取ろうともしないし、
妻の人格なんて考えてみたこともない。
まあ、古いタイプといえばそれまでですが、これでは愛想を尽かされても仕方ないです・・・。
まともに話す気力もなくなります。

しかしドラマはいろいろ紆余曲折があり、
最後にやっと徹は妻の気持ちを理解します。

そして彼のとった行動は、妻から預かっていた離婚届を役所に提出すること。
なんだか意外だったのです、これが。
なんだかんだと言っても、実は佐和子は夫を待っていたように見受けられたのですが・・・。
すると、ラストには思いがけない展開が!!

それがナイスでした。
この年代の男性にしてはなんともしゃれています。
さすが三浦友和!!(そういう問題じゃないけど)

 

自分が似たような年代だからこそかもしれませんが、とても興味深かった。

まさに、愛を伝えられない大人たちの物語。

RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ(豪華版 2枚組)数量限定生産 [DVD]
三浦友和,余貴美子,小池栄子,中尾明慶,吉行和子
松竹

WOWOW視聴にて>

RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ」

2011/日本/123

監督:蔵方政俊

出演:三浦友和、余貴美子、小池栄子、中尾明慶、吉行和子、塚本高史、西村雅彦

夫婦の意思疎通度★★☆☆☆

在宅死を考える度★★★☆☆

満足度★★★★☆

 

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RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語

2019年12月13日 | 映画(ら行)

夢に年齢制限はない

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東京の一流企業に勤める49歳、肇(中井貴一)。
家庭を顧みる暇もなく仕事に追われる日々。
あるとき、故郷の島根で一人暮らしをしている母が倒れます。
またちょうどその頃、肇の親友が事故死。
これまでの仕事一筋の人生に疑問を抱き始めた肇は、
子どもの頃に憧れた一畑家電車、通称「バタデン」の運転士になることを決意しますが・・・。

 

エリートサラリーマンがまさかの転身。
これも一つのロマンではありましょう。
電車の運転士。
かつては男の子の将来なりたいもののトップだったのでしょうね。
本作中では肇の家の前を電車が通っていて、これで憧れないはずがありません。

 

バタデンは、島根県を走るなんともローカル色たっぷりの電車。
鉄子ではない私も、ちょっと乗ってみたい。

作中、肇の妻(高島礼子)はハーブを扱う店を開いたところ。
つまりそれなりに収入はあるので、意外と夫のとんでもない転職にも鷹揚です。
ただし、彼女は東京を離れられないし、肇は島根の実家暮らし。
互いの生き方を尊重し、別居のまま夫婦生活を続けるというところは、
できすぎのような気もしますが、でもいい感じです。

一畑電車に肇と同期採用の新人・宮田(三浦貴大)は、
実はかつて甲子園球児で、プロ入りも決まっていたのに
肘を痛め、野球の道を断念。
仕方なく好きでもないこの会社に入社。

夢を叶えるために入社した肇とは全く別のアプローチ。
こういう対比がよかったです。

 

ただ一つ残念だったのは、肇の母(奈良岡朋子)は、
がんの末期で入院しているのですが、あるとき一時帰宅。
「このままここで死にたい」と彼女は言うのですが、やはり病院に戻って息を引き取ります。

住み慣れた我が家で死んではいけないのか・・・?

本作のテーマとは外れたこんなところに私が注目してしまうのは、
実は今読んでいる本「おひとりさまの最期」のせい。

これについては次回、述べることにしましょう。

RAILWAYS [レイルウェイズ] [DVD]
中井貴一,高島礼子,本仮屋ユイカ,三浦貴大,奈良岡朋子
松竹

 

<WOWOW視聴にて>

「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」

2010年/日本/130分

監督:錦織良成

出演:中井貴一、高島礼子、本仮屋ユイカ、三浦貴大、奈良岡朋子

 

夢の実現度★★★★☆

満足度★★★.5

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レディ・マエストロ

2019年11月16日 | 映画(ら行)

女性らしさでなく自分らしさ

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女性指揮者のパイオニア、アントニア・ブリコの半生を描きます。

1926年、ニューヨーク。

オランダからの移民、ウィリー(クリスタン・デ・ブラーン)は、
女性は指揮者になれないと言われながらも、指揮者になる夢を捨てていません。
ナイトクラブでピアノを弾いて稼いだお金を学資として、音楽学校へ通い始めます。
ところが、ある事件により退学を余儀なくされてしまいます。
それでも夢を諦められない彼女は、引き留める恋人をおいて、ベルリンへ。
そこでようやく女性であるウィリーの情熱を汲み、指揮を教えてくれる師と出会います。

 

本作、女性が未知の分野に進出していく苦労を描いているのはもちろんですが、
他にも様々な切り口が顔をのぞかせています。
まずは、彼女はオランダ移民の夫婦の一人娘としてそれまで暮らして来たのですが、
実はこの親は実の親ではなかった。
彼女が私生児だった赤子の時に、実の母親から買われたと言うことがわかります。

だれからも指揮者になんかなれないと言われ、
これまで名乗っていたウィリーという名も本当の名前ではなかった。
・・・と言うことで、ここで相当のアイデンティティの崩壊があるわけです。
けれど、自分の道を着実に歩み始め、本当の名前、アントニア・ブリコを名乗りはじめることで、
彼女は自分らしさを取り戻していくのです。
女性として・・・と言うよりも人間としての再生の物語といえるでしょう。

 

そしてまた、もう一つ。
影ながらアントニアを支える人物のLGBTの問題。
一体性差とは何なんだろう。そして男女差別とは。
根本的なそんな問題も底辺にあることを匂わせます。

 

さて、指揮者のみにかかわらず、男性だけが占めてきた様々な分野へ女性が入っていくときの軋轢、
それはこれまでも他の多くの作品でも見てきました。

男性だけの優越感。
女性蔑視。差別。やっかみ。嫌がらせ。
正面からの女性のシャットアウト。
ありとあらゆる手段で、男たちは女を排除しようとします。
けれどそれは男だけでなく女性の中にもある感情だからやっかいですね。
男社会が「正しい」としか思えなくなっている心の堅さ・・・。
せめて今はそれはないと思いたいですが、どうでしょう・・・?

 

アントニアと恋仲になるのは、歴然と身分差のある富豪の御曹司・フランク(ベンジャミン・ウェインライト)。
はじめは互いにすごく嫌なヤツ。
けれども、次第に心が接近していって・・・。
しかしフランクのプロポーズは「結婚して、子供がほしい。」
全く、アントニアをわかっていません。
結婚よりも自分の夢を貫くアントニアの選択は必然であります。

アントニアの強い自己が輝く作品。

 

<シアターキノにて>

「レディ・マエストロ」

2018/オランダ/139

監督:マリア・ペーテルス

出演:クリスタン・デ・ブラーン、ベンジャミン・ウェインライト、スコット・ターナー・スコフィールド、アネット・マレアブ、レイモンド・ティリ

 

女性進出の困難度★★★★★

満足度★★★★☆

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リグレッション

2019年10月18日 | 映画(ら行)

記憶退行で・・・

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1980~90年代初頭のアメリカで、悪魔崇拝者による儀式が次々と告発され、
社会的な問題となった・・・ということから着想を得た作品。

 

90年代、ミネソタ。
刑事であるブルース・ケナー(イーサン・ホーク)は
父親の虐待を告発した少女・アンジェラ(エマ・ワトソン)の事件を担当します。
しかし、その父親の記憶がどうも曖昧。
ケナーは著名な心理学者に協力を仰ぎ、真相究明を図ろうとします。
すると、これは単なる家庭内暴力ではなく、町の各所で起こる他の事件との関連が見えてきます。
町には秘められた闇があるのか・・・?

 

精神科医が人を催眠状態にして、本人も覚えていないようなことを「記憶退行」させ、
恐るべき真実を導き出す・・・というやり方が、その頃よく用いられていたのです。
現在ではそのやり方は誤った記憶を作り出してしまうとして使われていないようです。

 

宇宙人に連れ去られた・・・などという話も、
こんなやり方で出てきたのではなかったでしょうか?

しかし当時は大真面目にこれが通用していて、
父親の怪しげな記憶から、町中に悪魔崇拝者が潜んでいるかのような
恐ろしい推測がなされてしまうのです。
当のケナーも悪夢にうなされたりする。

 

しかし本作、実はこうしたことを逆手にとったある陰謀の話なんですね。

ちょっぴりぞっとしてしまうストーリーでした。

 

リグレッション[DVD]
イーサン・ホーク,エマ・ワトソン
ポニーキャニオン

WOWOW視聴にて>

「リグレッション」

2015年/スペイン・カナダ/106分

監督:アレハンドロ・アメナバール

出演:イーサン・ホーク、エマ・ワトソン、デビッド・シューリス、ロテール・ブリュトー

 

幻想性★★★★☆

恐怖度★★★☆☆

満足度★★★.5

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リベンジgirl

2019年08月21日 | 映画(ら行)

イタい女、イタい映画

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東大を主席で卒業し、ミスキャンパスでグランプリを獲得した
24歳、宝石(たからいし)美輝(桐谷美玲)。

しかしいかにもタカビーでイタい女・・・。
そんな彼女が大失恋をして、リベンジを誓います。
彼女を振ったのは政治家の御曹司・裕雅(清原翔)。
将来は総理大臣を狙うと噂されています。
そんな彼に対抗心を燃やした美輝は自分こそが総理大臣を狙うと決意し、
まずは議員となるための選挙活動を始めますが・・・。

いや・・・、なんともはや。
全く理念なき選挙、立候補・・・。
作中では彼女が政治家となってやりたいことの話は一言も出てきません。
とにかく知名度を上げて、人受けさえ良ければ良い。
そういうノリで、選挙活動が進められていきます。
まあ、そこを詳しく具体的にしてしまえば、見るものを選ぶかもしれないですし・・・、
あえて触れないという意図はあったのだろうとは思いますが・・・。



しかし逆に思ってしまいます。
実際に行われている選挙もこんなものなのかもしれない、と。
理念なんかないんですよ。
現に、なんでこんな人が?という議員が時々不祥事を起こしてニュースになったりしますもんね。
そういう皮肉だとすればたいした作品なのか・・・?



そもそも、この美輝がちーっとも頭良さそうに見えません。
どこが東大の主席? 
これはいくらなんでも東大生に失礼だろう。
振られた男への対抗心で政治家を目指すことにした・・・、
と、きっかけはそれでも構わないのだけれど、
せめてもう少し、「政治」に真摯に向かい合うという目覚めの部分がほしかった。

本作の収穫は、清原翔さんが見られたことのみ。
(ろくでもない男の役だったけれど・・・)

リベンジgirl [DVD]
桐谷美玲,鈴木伸之
バップ

<WOWOW視聴にて>
「リベンジgirl」
2017年/日本/110分
監督:三木康一郎
原作:清智英、吉田恵里香
出演:桐谷美玲、鈴木伸之、清原翔、馬場ふみか、斎藤由貴
理念なき政治度★★★★★
満足度★★☆☆☆

 

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ライオン・キング

2019年08月13日 | 映画(ら行)

面白くないわけがない!

 

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今更ストーリーは説明無用のような気もしますが・・・。
でもそういえば私、「ライオン・キング」は劇団四季のミュージカルを見ただけで、
肝心のディズニー・アニメの方を見ていないのです。
これでは「ライオン・キング」ファンとは言い難いですけれど・・・。

アフリカのサバンナ。
動物たちの王、ライオンの王ムファサに男児シンバが誕生。
シンバは皆に祝福され、自身もいつか父のように立派な王になることを夢見ています。
ところが、王位を狙う叔父スカーの策略により、
父王の命は奪われ、シンバもサバンナを追われてしまいます。
そんなシンバがたどり着いたのは緑豊かなジャングル。
イボイノシシのプンバァ、ミーアキャットのティモンと出会い、
穏やかな暮らしを始めて時が過ぎます・・・。
そんな頃、スカーの支配するサバンナは
配下のハイエナ達のために荒れ果てており・・・。

冒頭、「サークル・オブ・ライフ」の曲とともに、サバンナの広大な風景が映し出されます。
象やキリン、ミーアキャットの群れ、サバンナの植物、鳥や虫たち。
豊かな自然の情景に心打たれ、知らず、涙が溢れてしまいました。
こんなところで泣く人は他にいないかもしれないのですけれど・・・。
(そういえば、ミュージカルの冒頭でも私は泣いてたなあ・・・。)



そんなサバンナを丘の岩の上から見渡す雄々しいライオン。
なんとも威厳がありますねえ、ムサファ。

そして子ライオンのシンバがもう、かっわいい~♡♡ 
スリスリしたい~♡♡
何しろ王とその息子。王位を狙う叔父。
王子の苦難。友情と友愛。
成長。勇気。大自然と時の流れ・・・。
物語の要素がてんこ盛り、これで面白くないはずがない。
明らかに人が演じるミュージカルであれ、アニメであれ、
そして本作のようなリアルな動物の形であれ、
とにかく面白いです。



私くらいの年齢だと「少年ケニア」とか「ジャングル大帝」の
TVアニメがアフリカの物語の原型。
「好き」が刷り込まれているのかもしれません。

<シネマフロンティアにて>
「ライオン・キング」(字幕版)
2019年/アメリカ/119分
監督:ジョン・ファブロー
出演(声):ドナルド・グローバー、ビヨンセ、セス・ローゲン、キウェテル・イジョフォー
アフリカ度★★★★★
満足度★★★★★

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ライオンは今夜死ぬ

2019年07月26日 | 映画(ら行)

70~80歳が人生最良のとき

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周防敦彦監督によるフランスが舞台の作品という異色作。


老齢の俳優ジャン(ジャン・ピエール・レオ)は、
映画のロケのために南フランスに来ています。
しかし、ある事情で撮影がしばらく休止となってしまったため、
近くのかつて愛した人のいた屋敷を訪ねることにしました。
屋敷は住む者もおらず荒れ果てていましたが、
ジャンはそこで若くして亡くなったはずの、若き元の妻と出会うのです。
また、近所の子どもたちがこの屋敷で映画の撮影をさせてほしいと、やって来ます。
子どもたちに協力して出演まですることになったジャンですが・・・。

老人の昔日の思いを綴る陰鬱な作品・・・?と思ったら、
子どもたちの登場で作品は一気に色づきます。
社会の生産活動から外れた子供と老人は、ウマが合うことになっているのです。
この取り合わせがなんともいいですよねえ。

「70~80歳が人生最良のときだ」というジャンはまた、
「死」は「出会い」であるとも言います。
最も「死」に近い彼だから、亡き妻とも出会えたのでしょうか。
妻は亡き人ではありますが、幽霊の怖さは全然ありません。



そしてまた、本作ではその「死」とは最も遠い子どもたちを配置してあります。
ジャンに比べると、なんと生命力に満ちて多くの未来を内包していることか。
なんだか眩しいくらいです。

でも、そんな中で父親の死を体験した一人の少年とジャンは、
いっとき心がつながるところがあるのです。
死という運命を、少年は見たような気がする。
それがあのライオンだったのかどうか・・・、
解釈は私たち一人ひとりに委ねられます。
あるいは、少年の亡き父親かもしれないし、
またあるいは、死に一番近いけれど恐れずに進んでいこうとする老人の姿なのかもしれない。
私には、ナルニア国の「アスラン」のようにも見えました・・・。

ユニークな作品だったな。

ライオンは今夜死ぬ [DVD]
ジャン=ピエール・レオー,ポーリーヌ・エチエンヌ,イザベル・ヴェンガルテン,アルチュール・アラリ
紀伊國屋書店

<WOWOW視聴にて>
「ライオンは今夜死ぬ」
2017年/フランス・日本/103分
監督・脚本:周防敦彦
出演:ジャン=ピエール・レオ、ポーリーヌ・エチェンヌ、モード・ワイラー、アルチュール・アラリ、イザベル・ベンガルテン

死を考える度★★★★☆
満足度★★★★☆

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ローマンという名の男 信念の行方

2019年07月11日 | 映画(ら行)

身につかない悪事は、自分の首を絞めるだけ

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デンゼル・ワシントンが体重を18キロ増量して挑み、
第90回アカデミー賞主演男優賞にノミネートされたという作品です。


有能だけれども、見た目のパッとしない人権弁護士ローマン(デンゼル・ワシントン)。
彼は法のもとに正義を実現するべく、長年に渡り奔走してきました。
ところが共に法律事務所を構えていたウィリアムが倒れ、
その事務所の実情を知ったローマンは失望を隠せません。
やがて敏腕弁護士ピアス(コリン・ファレル)に誘われ、大手の事務所に入ります。
現在の「ビジネス」としての弁護に納得できないローマンですが、
古いやり方が通用しなくなってきていることも身にしみて、
次第に弁護士としての信念が揺らいでいきます。
そしてあるときついに、ある不正を犯し、大金を手にしますが・・・。

デンゼル・ワシントンはそのままで十分敏腕弁護士に見える
スマートさを身に着けている俳優さんなのですが、
ここではあえてちょっぴり太って、冴えない感じに仕上げています。
お金がなくて、スーツも持っていないのです。
融通がきかなすぎるくらいに実直で、依頼人に寄り添おうとする。
そしてこれまでその努力が実り良い成績を収めてきたし、
そのことを誇りに思ってもいたのです。
けれど、そんな信念が崩れたとき、ありえない行動を彼はとってしまうのです。
人間は弱いものですね・・・。
しかし身につかない悪事は、結局自分の首を絞める事になるだけなのです。
そうして得たお金で買った高級スーツのなんと虚しいこと・・・。

また、片やコリン・ファレル。
私の中の彼のイメージは、なんだかひたすら熱い感じなのですが、
本作中ではいかにもソツのないできる弁護士。
私は視聴中も、「え?これ本当にコリン・ファレル???」と何度も思ってしまいました。


こんなふうに、立ち居振る舞いだけでも全く別人のようになれてしまう、
俳優さんというのはやはりすごいものですね。

<WOWOW視聴にて>
「ローマンという名の男 信念の行方」
2017年/アメリカ/129分
監督:ダン・ギルロイ
出演:デンゼル・ワシントン、コリン・ファレル、カルメン・イジョコ、アマンダ・ウォーレン、リンダ・クラバット
堕落度★★★★☆
満足度★★★☆☆

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ローズの秘密の頁(ページ)

2019年06月05日 | 映画(ら行)

40年の精神病院生活を経て

* * * * * * * * * *


取り壊しが決まった精神病院から転院する患者たちを診察するため、
精神科医スティーブン・グリーンが(エリック・バナ)病院を訪れます。
そこで彼は、ある一人の患者を診察します。
彼女、ローズ・クリア(バネッサ・レッドグレーブ)は、
自身の赤ん坊殺しの精神障害犯罪者として40年もの間、この病院に収容されていたのです。
ローズは、自分は結婚していて正しくはローズ・マクナリティであり、
赤ん坊は殺していない、今もきっとどこかで生きていると主張します。
そして彼女は何十年にも渡り聖書に日記を書き続けていて、
スティーブンはそれを眺めながらじっくりとローズの人生の物語を聞き始めるのでした。

1940年代のアイルランド。
二次世界対戦のさなかです。
若きローズ(ルーニー・マーラ)は飛行機乗りの青年マイケル(ジャック・レイナー)と恋仲になりますが、
ゴーント神父(テオ・ジェームズ)が横恋慕して・・・。

なんとも悲劇としか言いようがありませんが、
なんの罪もなくしかも精神にも異常はないというのに、
40年も精神病院に閉じ込められ、年老いてしまった一人の女性の悲しい人生が浮かび上がります。
しかし、本作を見ているうちに私たちは「ある予感」にドキドキしてくることでしょう。
まさか・・・、もしかして・・・? 
悲惨な出来事の果てにある驚きの結末に心震えます。

作中でよくわからなかったのが村の中でのマイケルの位置づけ。
それこそがアイルランドの置かれている複雑な状況をこそ物語っているわけです。
根本的にはカトリックとプロテスタント、宗教上の対立。
マイケルは戦闘機のパイロットになりたいがために英国軍に入ったわけですが、
この村ではそれは “イギリス人のために戦った裏切り者”という扱いを受けてしまうわけなのです。
そしてまた、当時のことですから、美人でちょっと男性の目を惹きつける若い女がいれば、
男性とちょっと言葉をかわすだけでも“色情狂”と噂されてしまう。
ましてや、未婚で妊娠でもすればもう身の破滅。
そこへまた、嫉妬に我を忘れた神父(神父なのに!)の存在。
何もかもが良くない材料ばかり・・・。



こうなると、狂った人が病院に収容されるのではない。
病院が狂った人を作り出すという感じです。
でもそれだからこそ、ラストの感動は大きいのです。


役柄は最悪だったけれど、ゴーント神父役のテオ・ジェームズはカッコよかったですー。
なんとこの方、TVドラマ「ダウントン・アビー」で、トルコの外交官を演じていた方だったんですね! 
あのときも、「イケメン!」と思い、こんな人に言い寄られたら、そりゃー拒めないよね
・・・と思った次第。
しかしあっという間に画面上からは消えてしまいました。
でも実はこのことが後々この屋敷に暗い影を落としていくわけで、すごく重要な役だったのですが。



余談が過ぎましたが、オススメ作です。

ローズの秘密の頁 [DVD]
ルーニー・マーラ,ヴァネッサ・レッドグレイヴ,ジャック・レイナー,テオ・ジェームズ,エリック・バナ
TCエンタテインメント



<WOWOW視聴にて>
「ローズの秘密の頁(ページ)」
2016年/アイルランド/108分
監督:ジム・シェリダン
原作:セバステャン・バリー
出演:ルーニー・マーラ、バネッサ・レッドグレーブ、エリック・バナ、テオ・ジェームズ、ジャック・レイナー

悲劇度★★★★★
ハッピーエンド度★★★★☆
満足度★★★★★

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ロープ 戦場の生命線

2019年04月15日 | 映画(ら行)

やってられないけど、やらねば・・・

* * * * * * * * * *


1995年、ボスニア紛争、停戦直後のバルカン半島の山間部。
ある村で井戸に死体が投げ込まれ、生活用水が汚染され使えなくなってしまいました。

国際活動「国境なき水と衛生管理団」のマンブルウ(ベニチオ・デル・トロ)らが現地を訪れ、
死体を引き上げる作業を開始しましたが、ロープが切れてしまい使用不能に。
やむなく代わりのロープを探しに行きますが、
停戦したとはいえまだ武装集団がいたり地雷が埋めてあったりします。
そしてロープなどどこにでもありそうなのになかなか見つからない・・・。
そんな時、不良グループといさかいを起こしていた少年を拾い、
彼の家にロープがあるというので行ってみることに・・・。

少年は紛争のため両親と離れ、祖父の家に来ていたのです。
だから少年の家といってもかなり離れていて、
そこにたどり着いた末に、彼らは思いがけないものを目撃します。
目的のものも見つけたのですが、どうにも切ない事情・・・。
コミカルではありながら、戦争という中での狂った日常を痛切に語っています。
戦場では異常が当たり前になってしまう・・・。

電気はなくてもなんとかなりそうですが、水はなければ生きていけません。
作中ではこの近辺に他に2箇所井戸があるのですが、
地雷が仕組まれていて、使えないことになっています。
唯一使える井戸に死体を投げ込むとは・・・。
何という非道なことをと怒りがこみ上げますが、
もしかするとそれをしたのは兵士ではなく、金儲けを企む者たちなのかもしれない
というのが余計にショッキング。

そんな中でも人々は生きていく他ありません。
村のおばあさんが牛たちを追いながら原野を歩いていきます。
国連軍の兵が「そこには地雷があるから歩いちゃダメだ!」と呼びかけるのですが、
「ここを通らないと家に帰れないよ!」とおばあさんは言う。
おばあさんは何も考えていないようでいて、実は牛の通ったあとを歩いていたのです。
たくましい村の人々の暮らしが伺える場面。
そしてこれがあとの場面の伏線だったというのが秀逸。

武器を持って闘うわけではない。
けれども、会議室で司令を下す誰よりも、戦争の本当の姿を彼らは知っているようです。
素敵な作品です。

ロープ 戦場の生命線 [DVD]
ベニチオ・デル・トロ,ティム・ロビンス,オルガ・キュリレンコ,メラニー・ティエリー
オデッサ・エンタテインメント



<WOWOW視聴にて>
「ロープ 戦場の生命線」
2015年/スペイン/106分
監督:フェルナンド・レオン・デ・アラノア
出演:ベニチオ・デル・トロ、ティム・ロビンス、オルガ・キュリレンコ、メラニー・ティエリー、フェジャ・ストウカン

理不尽度★★★★☆
満足度★★★★★

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ラプラスの魔女

2019年03月23日 | 映画(ら行)

並外れた予想能力で

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温泉地で硫化水素中毒で死亡した男性が発見されます。
温泉地が安全かどうか現場調査を依頼された青江修介(櫻井翔)のもとに、
中岡刑事(玉木宏)が現れ、計画殺人の疑いはないかと問います。



複雑な地形で気象条件も安定しない屋外で、
計画的に中毒死を起こそうとするのは不可能、と修介は答えます。
しかし数日後、別の地でまた同様の死亡事故が・・・。
もしこれが殺人事件だとすると、複雑な自然現象を予測する力が必要だが・・・。
そんな時、修介の前に謎の女性、円華(広瀬すず)が現れる。

「科学」を扱う東野圭吾さんらしい作品です。
しかしちょっとトーンが暗すぎるような気も。
この手の謎解きとしては、ガリレオシリーズの湯川のカリスマ性を思い浮かべるのですが、
それに比べるとこの修介さんは凡庸。
いっそもっとドジな感じにして狂言回しに務めたほうが楽しめたか・・・。
キャスト的には豊川悦司さんが、始めほんのちょい役のように見えて、
実は彼こそが重要人物という運びとその重み、納得の布陣でしたね。

余談ですが、実際にこんな予測ができる魔女のような人がいたとしたら、
気象予報士になるべきだと思う。
大災害が事前に予測できれば、素晴らしいのにな・・・。

ラプラスの魔女 DVD 通常版
櫻井翔,広瀬すず,福士蒼汰
東宝

<WOWOW視聴にて>
「ラプラスの魔女」
2018年/日本/116分
監督:三池崇史
原作:三池崇史
出演:櫻井翔、広瀬すず、福士蒼汰、玉木宏、リリー・フランキー、豊川悦司

満足度★★.5

 

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ルージュの手紙

2019年02月15日 | 映画(ら行)

反発し合う母と娘

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パリ郊外に住むクレール(カトリーヌ・フロ)のもとに、
30年間音信不通だった血のつながらない母ベアトリス(カトリーヌ・ドヌーブ)から
「会いたい」との連絡が入ります。
ベアトリスは以前突然家を飛び出し、残された父はそれを苦に自殺していたのです。
そのためクレールは義母を許しがたく思っていました。
会ってみればやはり奔放すぎる母、クレールのいらだちはつのります。
しかし、ベアトリスが今になって会いに来たのには理由があり・・・。

助産婦をして息子を育て、一人生きてきたクレール。
男を渡り歩いて自由に生きてきたベアトリス。
この二人が次第に心の溝を埋めていくストーリー。

二人が反発し合うのは当然なのですが、
実は互いにないものを羨望する気持ちもあったのかもしれません。
助産婦として常に命の誕生を見届ける仕事をしているクレール。
老境に入り、死を意識するベアトリス。
けれどベアトリスの生き様を見て、仕事に多少行き詰まっていたクレールの行く手に
光が指すような・・・、そんな作品ではありました。

しかしまあ、言ってみれば凡庸かな・・・? 
カトリーヌ・ドヌーブが出演しているというだけで・・・。
これは血のつながらない母娘ではなくて、実の母娘としたほうが良かったような気がします。



ルージュの手紙 [DVD]
カトリーヌ・ドヌーブ
ポニーキャニオン

<WOWOW視聴にて>
「ルージュの手紙」
2017年/フランス/117分
監督・脚本:マルタン・プロボ
出演:カトリーヌ・フロ、カトリーヌ・ドヌーブ、オリビエ・グルメ、カンタン・ドルメール、ミレーヌ・ドモンジョ

満足度★★.5
(他の尺度が見つからない・・・)

 

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