硝子戸の外へ。

優しい世界になるようにと、のんびり書き綴っています。

「犬を飼うという事」  11

2013-10-06 17:00:01 | 日記
人気のあったテレビドラマが終了してしまい、僕たちは犬の事をあまり話題にしなくなっていった。それにゲームアプリやカードゲームの話のほうが楽しくて、犬を飼う事に熱中していたのが不思議なくらいに思っていたら、隣の席の敬太君が不意に、

「そういえば、あの問題ってもう解けたの?」

と、たずねてきた。敬太くんは問題を忘れずにいてくれたみたいだったから少し驚いた。

「いやぁ。まだ解決してないんだ・・・。わかんないからさ、先生の答え待っているんだ。」

「ふ~ん」

「何で考えないのさ。」

凄く鋭い質問にあせった。

「えっ。」

「むつきにはいつもお父さんがいて、話をしてくれるわけだろ。それならいっぱい話が出来るじゃないか。だったら、答えもその中から見つけられるんじゃないか?」

「そうかな。」

「そうさ。」

「そうかぁ。」

「そうだよ。それにむつきは、大事な事を忘れてる。」

「えっ。」

大切な事って、なんだろう。そう思っていると、

「えっ。じゃないだろう。両親がいるってことは、いいことなんだぜ。」

「・・・。」

「前にむつきの家に遊びに言った時、すごくお父さんとお母さんの仲がよくて、むつきはいいなと思ったよ。オレんちは、母さんが父さんの代わりもしてくれているけれど、忙しいからそんなに話は出来ないんだ。」

「だからさ、がんばって答えを出さないとさ、お父さん、がっかりするよ。」

僕は、敬太くんの言葉に納得した。

「そうだね。」

「そうさ。」

「うん。敬太君ありがとう。」

「おうっ。」

敬太くんは照れながらも、どこかうれしそうだった。それにひきかえ僕は、どこか恥ずかしいという気持ちが消えなかった。

「犬を飼うという事」  10

2013-10-06 16:36:03 | 日記
家に帰ってからも、また考えていた。先生もわからないことが僕にわかるのかなと。
お母さんも、先生も「考えられるところこまで考えて。」と言うから、これは犬を飼わせない為の陰謀なのかと思えるけれど、お父さんがそんな意地悪をするとは思えないし、それより、先生がお父さんの事を知っている事もわからない。

「あ~っ。わからない!」

そう叫ぶと、キッチンにいたお母さんがくすくすと笑っている。僕は悔しくってソファーから起き上がりキッチンに行って、

「う~っ。お母さん笑い事じゃないよ。大変なんだよ。」

「ごめんごめん。笑い事じゃなかったね。まだ考え続けているんだね。えらいわよ。」

そう言ってお母さんは僕を励ましてくれた。少しうれしかったけれど、やっぱりすっきりしないから、今日の出来事をお母さんに話してみた。

「お母さん。あのね。今日ね。お父さんの質問を先生に聞いてみたんだ。そしたらね。少し待っててって、言われてね。それでね。お父さんらしいって言ってた。」

「へぇ。先生に聞いたんだぁ。」

「先生に聞いたんだぁって?それだけ?」

「なに?ほかになにかある?少し答えを待ってっていったんでしょ?」

「うん。そうなんだけれど・・・。」

僕は、それ以上お母さんに聞くことが出来なかった。

「先生も答えに困る質問だったって事かな。」

それもあったけれど、僕の心の中ではお父さんの問題と同じくらい先生がお父さんを知っている事が気になっていた。でも、なんだか怖くてそれは聞けない。だから僕はそのまま話を続けた。

「何でお父さんはそんなに難しい問題を出したのかなぁ?」

そうつぶやくと、お母さんはニコッと笑って、

「へへへっ。お父さんはねぇ。そういう人なのよ。」と、言った。

「それはわかるけれど、何で、お母さんはうれしそうなの?」

「それはそうよ。だってうれしいもん。」

「え~っ。うれしいもんって。どうゆうことさ。」

僕はますます混乱していった。その様子を見たお母さんは

「むつきがね、お父さんの気持ちを知ろうと一生懸命考えてくれている事がとてもうれしいのよ。」

凄くうれしそうだったから、僕はなんだか安心した。

「それにね。先生に聞いたこともえらいわ。」

「えっ。それは・・・。」

次郎君の意見だよ。そう言おうとしたけれど、その続きを言えず、少し胸が痛くなって下を向いていると、

「自分の問題の答えは、最後は自分の力で出さなければならないけれど、誰かの力を借りたりすれば、よりいい答えが見つけられると思うの。誰かの力を借りると、自分の考えを諦めなければならなくなる時もあるけどね、それでも自分自身が出した答えより、多くの人が「良いね」といってくれる答えだったら、そっちの方が沢山の人が幸せになれると思うの・・・。だからそれをお父さんはむつきに知ってほしかったんじゃないかな?」

なんだか難しい事だけど、それでも、なんとなくわかった。

「うん。わかったよ。でも、お父さんとお母さんが仲良しでよかった。」

「・・・? 何を突然言い出すの。照れるじゃない。」

「ほんとの事だもん。次郎君も唯ちゃんもお父さんとお母さんあまり仲がよくないって言ってた。」

お母さんは少し難しい顔をして

「・・・そういう家もあるわ。でもお父さんとお母さんは大丈夫だから。」

と、言って口をつぐんだ。それは吉行君の「大人の事情」ってやつだろうと思う。
お母さんは僕の頭をなでながら

「大好きよ。」そう言ってくれた。

「犬を飼うという事」  9

2013-10-05 08:23:11 | 日記
「けどさぁ、大切なことっていっても、だれもそこまで考えてないと思うんだ。だから僕らにはわからないと思うんだ。」

「なるほどね。」

「だからさ、やっぱり先生とかに聞いた方がいいとおもうよ」

「それいいね。」

「じゃあ、決定ね。」

話は決まった。早速僕らは職員室を訪ねた。

「如月先生~。」

「なになに。みんなでどうしたの?」

担任の如月先生の席まで行って問題を言おうと思ったけれど、恥ずかしくてもじもじしていたら二郎君が、

「先生、質問があります。犬を飼う事で大切な事ってなんですか?」

と、あっさり聞いてしまった。先生も突然の質問に少し驚いた様子だった。

「突拍子な質問だわね。」

そう言うと、すかさず吉行君が、

「むつきのお父さんがむつきに出した問題なんだよ。」

と、先生に返した。すると、

「へぇ~っ。それならむつき君が考えなきゃいけないことじゃないの?」

と、僕に聞いてきた。けれども、僕は何も考えてなかったから

「あぅ、あっ、そうなんだけれど、どうしても分からなければ誰かに聞いてもいいってルールがあるから・・・・。」と、答えると先生は、

「そうなんだ。変わらないわねぇ。むつき君のお父さんらしいわねぇ。」

と、言った。その事に僕は驚いて、

「僕のお父さんの事知っているの?どうして?学校には来たことがないと思うんだけれど。」とたずねると、

「よく知っているよ。学校が一緒だったのよ。」

「ええっ!」

僕らの驚きの声が職員室に響いて、他の先生も何事かと、こちらを見ていた。如月先生は「何でもありませんから。」と、手を振りながら他の先生に言った後に、

「それはいいとして、その答え少し待ってくれないかなぁ。」

と、意外な答えが返ってきた。その答えにどうして良いか分からなかった僕たちだったけれど、みんなは僕の方を見て、小さな声で「決めろよ」と、言ってくれたから、

「・・・。じゃあ待ってます。」

と、答えた。すると先生は少し安心した様子で

「ありがと~っ。先生なりに考えてみるね。でも、むつき君たちも考え続けてね。それがお父さんの願いでもあるみたいだしね。」

と、何処か安心した様子だった。でも、僕らは「先生でもわからないことがあるんだね。」と納得しながら、職員室を出た。

「犬を飼うという事」  8

2013-10-04 08:45:32 | 日記
翌日、次郎君に、はずれであった事をおしえたら「え~っ。またはずれなのかぁ。」と、悔しがった。
吉行君も「う~ん。これはわからないなぁ。」といって腕を組んでいる。
唯ちゃんも「ちがってたの! じゃあなんでちがうの?」と、僕に迫ってきた。でもなんで違うのか分からない僕は、「なんでだろう。」と、答えるだけで精一杯だった。

唯ちゃんは納得がいかないみたいで、

「餌をやったり、散歩に行く事が大切じゃないなんておかしいよ。」と言ったから、僕は、

「それも大切な事なんだけれど、もっと違う答えがあるみたいなんだよ。」と言うと、考え込んでいた二郎君が、

「難しい事は考えない!!やっぱり、誕生日に買ってもらう!これしかない。」

と言うと、よしゆきくんも、

「そうそう、それが一番簡単だよ。」

「それよ。それっ!」

みんなその意見に賛成しているから、僕もそれしかないかなぁと思い始めていたら、隣の席に座っている、普段から静かな敬太くんが、読んでいた本を閉じて、

「・・・それじゃあ、無理だと思うよ」

と、小さな声で言ったから僕たちは驚いた。

「どっ、どうしてそう思うのよ。」

唯ちゃんが突っかかったように言うと、

「・・・。だって、問題に答えないといけないって言っているんだから、答えないとだめだと思うんだ。」

と、小さな声で答えた。それを聞いた唯ちゃんは

「でも、誕生日って言えばプレゼントじゃない!おねだりしたらきっと買ってもらえるわよ。」

と、少し怒りながら啓太くんに言っている。それでも敬太くんは諦めようとはせずに、

「・・・むつきのお父さんは約束を守る人。だから、おねだりしたって無理だよ。」

その言葉に唯ちゃんは、

「どうして敬太くんにそんなことがわかるの?それに・・・。」

そう言いながら僕の方を見て、

「そうなのむつきくん!」

と、聞かれてしまったけれど、よく分からないから、

「いやっ、どうかなぁ。」

と答えると、

「なによ。はっきりしないわねぇ。」

と、言ってあきれられてしまった。

だから、「・・・。よく分からない。」と言うと、唯ちゃんは、

「よく分からないって。いつも一緒にいて分からないの?」

と、聞き返してきたからもう一度、

「分からないよ。たしかに約束事は守ってくれるけれど、あまり深く考えた事がないもの。だったら、唯ちゃんはお父さんの事ってわかってる?」

と、聞き返してみると、唯ちゃんは少し戸惑いながら

「・・・。パパはいつもお仕事で忙しいからあまり家にいないけれど、唯には優しい・・・。」

唯ちゃんはうつむいて黙り込んでしまって、少し重い空気が広がった。すると敬太君が、

「おれの親は離婚してしまったから、家にはお父さんはいないけど、たまに会えるんだよ。それで、会った時は、いろいろ話すけれど、それでもお父さんの事はわからないよ。もし、離婚してなくてもお父さんの事が分かるかって言われたら、やっぱりわからないと思う。でも、むつきの父さんは約束を守る人だってわかるきがしたんだ。」

と、言うと、今度はみんなが本当にだまってしまった。

敬太君は学校の帰りに僕の家に遊びに来たことがあって、その時、僕のお父さんと読んでいる本について話をしていたことがあって、その時、僕のお父さんについてなにかを感じたんだと思った。

しばらくすると次郎君は、

「そっかぁ。敬太ンちは、お母さんだけなんだね。」

と、言うと、それを見た吉行君も、

「大人の都合って奴だね。でも僕らはそれをどうする事も出来ないし、どちらかについてゆくしかないんだよね。」

と、言って話を続けると、それまでうつむいてだまっていた唯ちゃんが

「・・・。最近お母さんはお父さんの悪口をよく言っている。たまに会えばけんかしているし、そんな時すごく不安になる。」

寂しそうにつぶやいた。それを聞いた次郎君は

「でも、でも、離婚していないんだからいいじゃん。」

と明るく言うと、吉行君もその話にのって、

「そうそう、喧嘩なんて僕の家でもしょっちゅうだよ。本当につまらない事で喧嘩しているから、関わらない事にしているよ。」

「吉行んちも? おれんちもつまらない事で喧嘩してるよ、おかずがまずいだとか言っては喧嘩するし、休みにはゴルフばっかりとか・・・。そう言いながらもパパが出張の時は何処かに遊びに行ってしまうし・・・。まったくしょうがないよね。」

「そうそう、しょうがないよね。でも、喧嘩するほど仲が良いって言葉があるしね。それに唯ちゃんの家はまだいい方だぜっ。」

「ほんと、ほんと。だから大丈夫さっ。」

そうすると、唯ちゃんが小さな声で

「そうなんだ。よかった。」と、つぶやいた。

僕の家では喧嘩はめったに起こらない。その代わりとても長く話し合っている。お父さんもお母さんもなんだか一生懸命に。だから、そういう親の喧嘩話が出てくると、不思議な気持ちになる。でも、それぞれにお父さんとお母さんちがうんだなぁと思っていると、敬太くんが、

「ごめん。おれがこんな話をするから。」

と、みんなにあやまったら次郎君が

「だいじょうぶだって。それより、むつきの話だよ」

と、言って話を元に戻した。

「ああ、そうそう。」

「そうだった。忘れてたわ。」

「ホントだよ。さっさとなぞを解いちゃおうよ。」

僕達は問題についてまた考え始めた。

「犬を飼うという事」  7

2013-10-03 17:25:47 | 日記
その日、学校で吉行君の答えがはずれだったことを二郎君と吉行君に話すと、

「何だろうな。意外と難しいな。」

「うん。たしかに手ごわいな。」

と、いって「うーん」と唸っていると、唯ちゃんがやってきた。

「どうしたの?」

「あのねぇ。犬を飼うのに大切な事ってなんだろうって考えてたんだ。」

「なにそれ?」

「なにそれって、犬を飼うのに大切な事だよ。」

「だから、犬を飼う事に理由がいるのって聞いてるの。」

「うーん。そう言われると、理由ってないのかもしれないけどさ、僕のお父さんがこの問題に答えないと犬は飼えないって言うんだよ。」

「ふ~ん。へんなの。」

「やっぱり変なのかなぁ。でも、それがわからないと犬が飼えないんだよ。」

「なるほどねぇ。それって餌をあげなきゃいけないとか散歩に連れて行かないといけないとかじゃないの?」

「ああっ。たしかにそうだ!!」

「なるほど~。唯ちゃん天才!」

と、感心していると「そんなの当たり前でしょ。」と、言って自信たっぷりに笑った。

「うん。たしかに大切だ。」

「おおっ。それがないと犬もかわいそうだしね。」

僕らは「これは間違いない。」と思った。

僕は、早速お父さんに言ってみることにした。

「お父さん。答えがわかったよ。」

お父さんは飲みかけていた湯飲みをテーブルに置いて、

「では答えをどうぞ!」

と、言ったから、僕は自信たっぷりに

「それは、餌をあげること、散歩に連れてゆくことです!」と言うと、お父さんはうれしそうに、

「実に惜しい!残念ながら不正解です。」

僕は少し悔しくなって、

「ええ~っ。違うの?」

と言うと、お父さんは、

「でもいいところまできたぞッ。」

と、言ってまたお茶を飲み始めた。その横でお母さんもにこにこしている。僕が答えを外しているのに、どうしてにこにこしているんだろうか。まったくいやになっちゃうよ。

「犬を飼うという事」  6

2013-10-02 07:58:05 | 日記
翌朝、お父さんが仕事に出かけた後で、朝ごはんの後片付けをするお母さんの側に行って、聞いてみた。

「お母さん。あのね。お父さんの出した問題。本当に答えがわからないんだ。お母さんなら知っているでしょ。だから教えて。」

「だ~めっ。それはむつきへの問題って言ったでしょう。お父さんもね、むつきが考えて答えてくれる事を待っているんだから、簡単に答えを出そうとしたらいけない。きっとお父さんもがっかりするよ・・・。それにね、お母さんもお父さんの事をすべて知っているわけでもないのよ。」

僕はわけが分からず、「えっ!」と、声を出してしまった。するとお母さんは、

「おどろいた? お父さんの事は好きだけどそれはまた別なのね・・・。」

お母さんはゆっくりと考えながら、話しを続けた。

「・・・。上手く説明できないけれど、夫婦ってそういうとこもある物なのよ。きっと、大人になったらわかる時が来ると思う・・・。だからね、お父さんの事を全部しらなくても、お父さんの事を尊敬しているから、わからないところがあったってぜんぜん平気なの。」

自信たっぷりにそう言って微笑んだ。

「ふーん。そんなものなの?」

「そんなものよ。」

「でも、犬の事は分かっているでしょ?」

僕は、どうしてもその理由が知りたくてがんばって聞いてみた。でもお母さんはニヤニヤするだけで大切な事は話してはくれそうに無い。

「むつき~。ずるはいけないぞ~っ。」

「やっぱりだめ?」

「とうぜんです。だってお父さんとの約束でしょう。」

「うっ!」

僕にはもう返す言葉がなくなっていた。

「まだ答えを探す手段は沢山あるでしょう?思ったことを全部やりつくして、それでもわからなかったらヒントをあげる。」

「ほんとに!約束だよ!」

「答えが探せなくなってからだよ。それが絶対条件。」

「うん。わかった。がんばって探してみるよ。」

僕はまた、答えを探す事にした。

「犬を飼うという事」  5

2013-10-01 07:25:21 | 日記
それからずっと考えていたけれど、なかなか答えが見つからなかった。僕にわからないのは犬を飼っていないからかもしれない。それなら犬を飼っている人に聞けばわかると思った僕は早速次郎君に同じ質問をしてみた。

「犬を飼う事で大切な事ってどういうことなの?」

「んっ? 犬を飼う事になにかあるの?」

「えっ。なにもないの?」

「なにもないよ。プレゼントに買ってもらっただけだからさ。それに父さんも母さんも喜んでたよ。」

「えーっ。それでおしまい? 」

「それでおしまいって、それ以外に何があるのさ。」

そう言われてとても困ってしまった。やっぱり僕のお父さんは少し変なのかなと思いながら、

「お父さんにね、犬を飼う事で大切な事ってなにかと言う問題を出されているんだ。」

そう言うと、次郎君は腕を組んで「うーん。わからないなぁ。何か理由でもあるのかなぁ」と考え込んでしまった。すると僕の横で話を聞いていた吉行君はさらりと、

「それは、家族の一員になるって事だよ。」

と、得意げに答えた。その答えに僕と次郎君は

「うぉっ。よしゆき。すげーな。」

と、感心した。

それを聞いた吉行君は

「あたりまえだよ。そんなの簡単だぜ!」

と、自信満々だったから僕も次郎君も吉行君の答えを信じていた。

その夜、ご飯を食べ終わった後、僕はお父さんに「答えがわかったよ。」と言うと、お父さんは、うれしそうに「ではお答えをどうぞ!」と言った。僕は自信満々に、

「家族になると言うことです!」

と、言うとお父さんは、

「おしい。近いけれど正解ではないです。」

そう言って、お母さんとうれしそうに見つめ合っている。いったいなんだろう。ますます謎が深まってしまった。それでも、犬を飼うためなのだから諦めずに考えようと思った。