田中雄二の「映画の王様」

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『桃色の店/街角』

2019-04-22 18:44:55 | 映画いろいろ

『桃色の店』(40)(1997.10.)



 この映画、エルンスト・ルビッチの監督作としては後期に属し、良作としての評価もあまり得ていない。実際に見てみると、確かに、端々に“ルビッチタッチ”と呼ばれた粋なセリフや設定の妙は見られたが、全体的には大満足とは言い切れないところがあった。もっとも、この映画には原作戯曲があり、しかもルビッチは脚本を書いていないのだから、隅から隅まで“ルビッチタッチ”というわけにもいかなかったのだろう。

 主演のジェームズ・スチュワートとマーガレット・サラバンにも増して、脇役のフランク・モーガン(『オズの魔法使』(39)『町の人気者』(43)『甦る熱球』(49)にも出ていた)がいい味を出している。

 ペンフレンド同士が、互いに相手だとは知らずに同じ職場で、しかも仲違いしながら働いているという設定は、いかにも古めかしい半面、ロマンチックでもある。今ならさしづめパソコン通信やインターネットで…ということになるのかもしれない。

【今の一言】
 この映画は、このメモを書いた翌年、監督ノーラ・エフロン、出演トム・ハンクス、メグ・ライアンで『ユー・ガット・メール』としてリメークされた。設定が文通からEメールに置き換えられていたが、オレにも先見の明があったということか。

ジェームズ・スチュワート


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