『キンダガートン・コップ』(90)(1991.7.23.日劇プラザ)
麻薬密売組織のボスを追う、ロス市警の鬼刑事キンブル(アーノルド・シュワルツェネッガー)が、ひょんなことから幼稚園の先生になる羽目に…。
シュワルツェネッガーがコメディに初挑戦した、同じくアイバン・ライトマン監督の『ツインズ』(88)を見たときに、「勝負はこれから」と書いた覚えがあるが、その後の数年間で、良かれ悪しかれ、取りあえずは見事にイメージチェンジに成功したといってもいいだろう(われわれ日本人は、CMでのコミカルな姿を見慣れているせいもあるが…)。
つまり、ご自慢の肉体を誇示しなくても、面白い話なら、そこそこ見られる役者として存在し始めたのだ。それが証拠に、この映画もライトマンのしたたかな演出に助けられているとはいえ、子どもが中心の中でも存在感はしっかりと示せていたし、肉体よりも精神の大切さを前面に押し出しているところに、この映画に対する彼の思いが感じられる。
その点では、頭のいい人なのだろうし、何かと比較されるシルベスター・スタローンが、何だか哀れに見えてきてしまうのだ。
ところで、アメリカの子役のうまさには、毎回感心させられるが、今回は、彼らが両親に吐く本音に思わずドキッとさせられた。子どもだと思ってばかにしているとえらいことになる。彼らの方が、よっぽどシビアに大人を観察しているのだから。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます