田中雄二の「映画の王様」

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『マ・レイニーのブラックボトム』

2021-04-29 17:29:29 | 新作映画を見てみた

黒人の側面史や音楽史を知るには興味深い内容

 1927年、シカゴの録音スタジオで、黒人のブルース歌手マ・レイニー(ビオラ・デイビス)のレコーディングが始まろうとしていた。だが、4人組のバックバンドの一人でトランペット奏者のレヴィー(チャドウィック・ボーズマン)は野心に燃え、他のメンバーたちともめ事を起こす。やがて、遅れて到着したマ・レイニーは白人のプロデューサーらと主導権を巡って激しく対立し、スタジオは緊迫した空気に包まれる。

 1920年代のシカゴを舞台に、「ブルースの母」と称される実在の歌手マ・レイニーと彼女を取り巻く人々の葛藤を描いたNetflixオリジナル映画。劇作家オーガスト・ウィルソンの戯曲を、デンゼル・ワシントンがプロデュースし、ジョージ・C・ウルフが監督して映画化。音楽はブランフォード・マルサリス。

 基は戯曲だけに、舞台劇を思わせるところもあるが、黒人の側面史や音楽史を知るには興味深い内容。実際、マ・レイニーという歌手の存在を、この映画で初めて知らされた。アカデミー賞にもノミネートされたデイビスとボーズマンが圧巻の演技を見せるだけに、ボーズマンの早世が惜しまれる。

チャドウィック・ボーズマン ジャッキー・ロビンソンとジェームス・ブラウンを演じた男
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/d54c9022bea21d1f91cc2d297fb1496b


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