田中雄二の「映画の王様」

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『イントゥ・ザ・スカイ 気球で未来を変えたふたり』

2019-12-18 08:42:44 | 新作映画を見てみた
 
 1862年イギリス。気象学者のジェームズ(エディ・レッドメイン)と気球操縦士のアメリア(フェリシティ・ジョーンズ)は、酸素ボンベなしで気球に乗って高度1万メートル余まで上昇するが…。
 
 実話を基にしたアドベンチャーロマン。最新の映像技術を駆使して、19世紀のロンドンの風景と、空中、雲上の世界を見せるのだが、高所恐怖症の者には少々刺激が強過ぎるほどリアルだ。『博士と彼女のセオリー』(14)の2人が再共演。アクティブな役柄上、ジョーンズの方が危険なアクションに挑むわけだが、これが現代の男女関係にも通じるようで面白い。その意味では、宇宙船を舞台にした『ゼロ・グラビティ』(13)と重なるところもある。
 
 ところで、この映画は、昔々の『罠』(49)『真昼の決闘』(52)、あるいは和田誠の『真夜中まで』(99)が用いた、劇中の時間(この映画の場合は飛行時間)と実際の上映時間とを同じにしたリアル・タイム形式を取り入れていたようだが、時間経過の描写が少々雑で、あまり効果を発揮していないところが残念だった。『イエスタデイ』で好演を見せたヒメーシュ・パテルが、ジョーンズの親友役を演じたこの映画でも、なかなかいい味を出していた。

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