田中雄二の「映画の王様」

映画のことなら何でも書く

『女は二度決断する』

2018-02-20 18:17:29 | 新作映画を見てみた
クルーガーが入魂の演技を見せる



 ドイツ・ハンブルグの外国人街で爆弾による爆発が発生。カティヤ(ダイアン・クルーガー)はトルコ移民の夫と息子を失う。在住外国人を狙ったドイツ人の右翼によるテロと判明するが、容疑者をめぐる裁判はカティアの思うようには進まない。やがてカティアはある決断を下す。

 実際に起きたネオナチによる連続テロ事件に材を取った力作。クルーガーが入魂の演技を見せる。監督は『ソウル・キッチン』(09)『消えた声が、その名を呼ぶ』(14)のファティ・アキン。トルコ移民のドイツ人としての自身の怒りや思いを、主人公のキャラクターに反映させたという。

 同じく、子どもを殺された母の怒りを描いた『スリー・ビルボード』と同時期に、こうした映画が作られたのは偶然か、必然か。ただ「やはり、こうするしかないのか…」という厳しい結末は、われわれ日本人には理解し難いところもある。
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