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映画の王様

映画のことなら何でも書く

「並木座」4『金田一耕助の冒険』『さらば映画の友よ インディアン・サマー』

2022-12-10 09:05:26 | 違いのわかる映画館

リクエスト作品選(1980.7.21.)


『金田一耕助の冒険』(79)

https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/75f563283bdb53163ba7567fa8f7837e


『さらば映画の友よ インディアンサマー』(79)

 ファーストシーンで映る、岡本喜八の『肉弾』(68)は、先日見たばかりだったので、強烈な印象があった。ところが、この映画、アイデアはいいのだが、全体的には、残念ながらちょっと期待外れだった。時代設定が1968年なので、当時のGSソングが流れ、大学紛争なども取り入れていたが、ドラマの設定自体に、少々無理がある感じがして、素直に入り込めなかったのだ。

 主人公のシューマ(重田尚彦)という若者(自分と同い年)の性格が不安定で(それが青春時代といえないこともないが…)、川谷拓三演じる映画狂の元大部屋俳優のダンさんをいいように利用するのに、最後は愛想を尽かせて「あんたには付き合ってられないよ」とは、何ともひどい仕打ちに映る。

 評論家上がりの原田真人監督の映画を愛する気持ちは、端々に見られるのだが、映画を見て評論することは出来ても、必ずしもいい映画が撮れるわけではないということなのか。

 名セリフ:(映画を見ないでしゃべっている若い女たちに対して)「あんたたち、もっと人に愛されるように、映画見たいと思わない」「俺は1年に365本、映画を見ることを、20年続けるって決めてるんだ」(どちらもダンさん)

 【今の一言】ここから40年近い月日が流れ、原田眞人は立派な監督になり、自分はその人にインタビューをする身になった。そう考えると、この映画はいろいろな意味で感慨深くもあり、懐かしくもある。


 

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「並木座」3『酔いどれ天使』『どですかでん』

2022-12-09 18:30:49 | 違いのわかる映画館

リクエスト作品選(1980.1.12.)


『酔いどれ天使』(48)

https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/4b38340bc73fa6f59353f97e3a09ce45


『どですかでん』(70)

 原作は山本周五郎の『季節のない街』。これまでの黒澤明の映画とは異質の感を受ける。世の中の底辺に生きる人々の一人一人が丹念に描かれ、浮き彫りになる。中でも、渡辺篤の老人と三波伸介の職人がよかった。頭の足りない六ちゃん(頭師佳孝)の「どですかでん」がやけに悲しく聞こえた。武満徹の音楽も哀感があっていい。

https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/657b78d783fb148163c7bf94f7c66dec

名画投球術No.2「ダメな人間ばかり出てくる映画を観て安心したい」黒澤明
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/5b428edd45778476ab0530bc08c0ef67


 

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「並木座」2『羅生門』『デルス・ウザーラ』

2022-12-09 13:19:23 | 違いのわかる映画館

黒沢明作品選(1979.11.22.)


『羅生門』(50)(再)(1978.1.3.TBS)

 久し振りに映画館で見て、モノクロ画面のライティングの妙を再確認。この映画は、決して芸術作品などではなく一級の娯楽作であると改めて感じた。

 三船敏郎、森雅之、京マチ子、志村喬の4人が、自分の都合のいいように証言し、それが再現されるから、それぞれの演技も4通り見られるというお得映画なのだ。三船が何を言っているのか分からないことがあり、時に滑稽に映るところもある。そして、一体どれが真実なのか…という推理劇としての面白さもある。

 出演時は「何が何だかわけが分からない映画だった」とボロクソにけなしながら、この映画がベネチア映画祭でグランプリを取ると、いきなり「羅生門に出た上田吉二郎」と刷った名刺を配ったという怪優・上田吉二郎伝説も笑える。

『暴行』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/900fc360a27dbc9e77a20d51b419de56


『デルス・ウザーラ』(75)

 ほかの黒澤映画に比べると、サスペンスやスペクタクルはないが、その分、静かに迫ってくるものがある。デルスの生きざま、自然描写が素晴らしい。文明社会になじめず、森へ帰っていくデルスの最期が何とも悲しい。「カピターン」

https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/ee613faa762d4ffcd05f26688fb3d79f


 

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「並木座」1『実録不良少女・姦』『愛のコリーダ』

2022-12-08 14:09:22 | 違いのわかる映画館

 銀座・並木通りの地下にあった邦画2本立ての小さな名画座。立ち見の時は柱が邪魔だった。黒澤映画をよく見た。1998年閉館。


リクエスト作品選(1977.11.2.)


『実録不良少女・姦』(77)

 15歳で初体験、家出、売春、同棲、16歳で出産…。マコの青春とは一体何なのか。どうということもない話だが、主役の日夏たより、内田裕也、岸部一徳らが面白い味を出していた。監督は藤田敏八。


『愛のコリーダ』(76)

 阿部定事件を題材にした大島渚監督作。オープニングのフランス語のタイトルスーパーに戸惑う。ここまでくると、愛情というよりも、ただの独占欲なのではないかと感じた。


 

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「三軒茶屋映画」2『アメリカン・グラフィティ』『アニマル・ハウス』『天国から来たチャンピオン』

2022-12-08 09:24:50 | 違いのわかる映画館


『アメリカン・グラフィティ』(73)(1980.5.4.)

https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/87d264e12b672f4b67416c351cceb4d2


『アニマル・ハウス』(78)

https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/74c8bb6bbc570da6229d2d9ddf929c11


『天国から来たチャンピオン』(78)

 

 ウォーレン・ベイティがこんなにも才能豊かだったとは驚いた。本当に、彼が監督もし、脚本も書いたのかなと、勘繰ったりして(バック・ヘンリーとの共作)。少々、出来過ぎの話(『幽霊紐育を歩く』(41)のリメークとのこと)だが、全体的にユーモアとペーソスにあふれた良作になっている。

 元恋人のジュリー・クリスティが相手役を務め、ジェームズ・メイスン、ジャック・ウォーデンの両ベテランが脇を固めている。映画を見ながら、別れても仕事は一緒にするベイティとクリスティの関係は、京唄子と鳳啓助のようなものなのかなと思った。

 名セリフ「何も恐れることはないわ」(クリスティ)

『幽霊紐育を歩く』
https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/ae43736ed27f0d8ebe2f6f6be71d24f6

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「三軒茶屋映画」1『新・明日に向って撃て!』『グッバイガール』

2022-12-08 00:14:46 | 違いのわかる映画館

 大学の隣駅にあった。大学に入って最初に訪れた映画館。


『新・明日に向って撃て!』(79)(1980.4.15.)

 どうせ前作の足元にも及ばないだろうと思っていたが、どうしてどうして、決して上回ってはいないが、かなり面白かった。

 前作に負けず劣らずのユーモアがあり、ブッチを妻子持ちにしたり、トム・ベレンジャーとウィリアム・カットが、驚くほどポール・ニューマンとロバート・レッドフォードと似ていたり、脇役にジョン・シャックやジェフ・コーリーが出ていたりと、いろいろと見どころがあった。さすがリチャード・レスターという感じがした。


『グッバイガール』(77)

https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/6b4e684ecf2930458758a1da68e60bab

https://www.youtube.com/watch?v=SN84g-qVwkk

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「五反田TOEIシネマ」4『サージャント・ペッパー』『ザ・ビートルズ マジカル・ミステリーツアー』『THE BEATLES/シェアスタジアム』

2022-12-07 19:04:06 | 違いのわかる映画館

「ビートルズ特集」(1982.1.22.)

『サージャント・ペッパー』(78)

 ビートルズのストーリー性のある歌詞を基にした映画が作られてもおかしくはないとは前々から思っていた。そんな夢をかなえてくれたのか…という淡い期待を抱きながら見始めたのだが、残念ながら、どうにもお粗末としか言いようのないものになっていた。

 全く関連性がないのに突然歌が流れ出す数々のシーン。ミュージカル仕立てなのだから多少は我慢もするが、これはちょっとひどかった。まあまあ見られたのは、エアロスミスの「カムトゥゲザー」と、アース・ウィンド&ファイアーの「ゴット・トゥ・ゲット・ユー・イントゥ・マイ・ライフ」、珍しく歌とストーリーがマッチしていた「ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード」ぐらい。

 所詮、ビージーズとピーター・フランプトンという四人組に、多くを望む方が無理というものなのだ。これは企画倒れということになるのではないか。いつの日か、ビートルズの曲を題材にした素晴らしい映画が作られる日が来ることを願わずにはいられない。

【今の一言】ある意味、ダニー・ボイル監督の『イエスタデイ』(19)は、ビートルズの曲を題材にした素晴らしい映画だったといえるのではないか。


『ザ・ビートルズ マジカル・ミステリー・ツアー』(67)(再)(初見は1981.8.3.国立スカラ座.併映は『ザ・ビートルズ グレイテスト・ストーリー』『THE BEATLES/シェアスタジアム』)

 もともとはテレビ用に作られたものだが、これはある意味“ビートルズ映画”の総決算的な映像集である。また、彼ら自身の手で作られたことを考えれば、それだけでも興味深く、一見に値する。

 わがお気に入りの「フール・オン・ザ・ヒル」「ハロー・グッドバイ」「ユア・マザー・シュッド・ノウ」などが、どんな形で映像化されているのかに興味があった。

 バス旅行「マジカル・ミステリー・ツアー」の乗客たちは、リンゴの太ったおばさん、コチコチの英国紳士を気取ったじいさん、グラマーなガイドに、あほな接客係など、くせ者だらけ。

 しかも、幻想の場面が、それに輪をかけたおかしさで、太ったおばさんと英国紳士のじいさんが「オール・マイ・ラヴィング」交響曲風が流れる中でロマンスを展開させたり、ジョンが一人で何役もこなして見事なコメディアンぶりを発揮したり(特に「アイ・アム・ザ・ウォルラス」のエッグマンが最高)、ポールが「ザ・フール・オン・ザ・ヒル」をバックに踊り狂ったり…、とにかくひっちゃかめっちゃかなのだが、なぜか楽しいのである。

 また、過去の『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』(64)『ヘルプ!4人はアイドル』(65)では、リンゴが一人で目立っていたが、この映画では、ほかの3人も大活躍を見せる。それは、リンゴが撮影も担当していたとかで、そっちに力を注ぎ過ぎたせいだったのかな。


『THE BEATLES/シェアスタジアム』(65)(再)

 ニューヨーク・メッツの本拠地、シェア・スタジアムで、1965年8月15日に行われたライブの映像。まず、スタジアム全体を覆う、すさまじいばかりの熱気に驚かされた。前にテレビの特集で、ハイライトシーンは見たことがあったが、こうして改めて映画館で全編を通してみると、当時の女の子たちの悲鳴を聞くだけでも圧倒される思いがした。

 薬のせいなのか、もはやライブに嫌気がさしていたためか、目の下にくまをつくり、驚くほどやつれた表情で歌い、演奏するジョンとポールの姿が印象的。

 演奏された曲は、「ツイスト・アンド・シャウト」「シーズ・ア・ウーマン」「アイ・フィール・ファイン」「デイジー・ミス・リジー」「涙の乗車券」「みんないい娘」「ベイビーズ・イン・ブラック」「アクト・ナチュラリー」「ア・ハード・デイズ・ナイト」「ヘルプ」「アイム・ダウン」

 「ベイビーズ・イン・ブラック」なんかを見ていると、改めてジョンとポールの掛け合いは、もう二度と見られないんだなあと思い、感慨深いものがあった。そして、ラストのぶっ飛んだ「アイム・ダウン」は最高!

 このライブの1年後に、サンフランスシコ・ジャイアンツの本拠地、キャンドルスティック・パークで行われたものが、ビートルズ最後のライブとなった。

【今の一言】『ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years』(16)公開時に、音と映像に一部加工を施して再上映された。https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/0559aba187e1bcff1da867885d5e9ba9

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「五反田TOEIシネマ」3『自由の幻想』『赤いブーツの女』『プロビデンス』

2022-12-07 12:11:01 | 違いのわかる映画館

ルイス・ブニュエル+ワン(1980.11.17.)


『自由の幻想』(74)

 ルイス・ブニュエルの映画は、『昼顔』(67)を見ただけだが、この映画の場合は、現実社会のモラルを壊して、それを表現したとでもいうのだろうか。

 絵葉書を見て卑猥だと騒ぐ夫婦、お祈りと称して女の部屋に入り込み、トランプで博打をする神父、トイレと食堂を逆さまにした家、墓荒らしをする偽警視総監…。

 いやはや何とも、どこまでが現実でどこからが幻想なのか。自分のような凡人には何とも理解に苦しむ“迷画”であった。


『赤いブーツの女』(74)

 親父の次は息子ホアンの出番。まったく親子そろって不思議な映画を作るものだ。カトリーヌ・ドヌーブ演じる主人公は、超能力めいた力を発揮し、フェルナンド・レイ演じる金持ちは、幻想ばかり見て、枕をかじったりする。

 いい面の皮は、女房を死なせたあげく、ドヌーブにいいようにあしらわられて、結局最後はふられる男(アダルベルト・マリア・メルリ)の姿。

 ラストで、頭が燃えながら走り去っていくレイの姿が、何ともおかしかった。こんな映画を見ると、頭の中がごちゃごちゃになってしまう。チェスを知っていたら、もう少し楽しく見られたのだろうか。


『プロビデンス』(77)

https://blog.goo.ne.jp/tanar61/e/cd1fea62711f9563903cc929e60e202f

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「五反田TOEIシネマ」2『アラビアン・ナイト』『ソドムの市』『バルスーズ』

2022-12-06 20:17:31 | 違いのわかる映画館

パゾリーニ+ワン(1980.10.6.)

『アラビアン・ナイト』(74)『ソドムの市』(75)


 どちらもピエル・パオロ・パゾリーニの監督作だが、ひどく理解に苦しむものだった。

 『アラビアン・ナイト』の方は、伝説に題材を求めているのでまだましだが、『ソドムの市』は特にひどかった。まさか、男色シーンや食糞のシーンを、ああもしつこく映すとは…。

 もはや我々凡人の及ばぬところに、パゾリーニは達していたということなのだろうか。まさに、○○と天才は紙一重といった感じか。彼が性行為相手の少年に惨殺されたといううわさも、あながちうそではないのかもしれないと思わされた。

【今の一言】少年に惨殺されたというのは、どうやらねつ造だったらしい。また、パゾリーニは、こうした過激な形で、ファシズムやブルジョワに対する憎しみを描いたのかもしれないと、今では思うものの、再評価する気にはどうしてもなれない。


『バルスーズ』(74)

 犯罪に明け暮れる2人の青年(ジェラール・ドパルデュー、パトリック・ドベール)の無軌道な性を描く。パゾリーニの映画に辟易した後だけに、この映画など、まだかわいげがあるという感じがした。監督はベルトラン・ブリエ。タイトルには睾丸の意味があるらしい

 2人が旅するフランスの片田舎の風景が何ともわびしく映る。列車内でドパルデューたちに乳をもまれるブリジット・フォッセーには驚いた(おお、ポーレット!)。後半は、ジャンヌ・モローが出てきてさすがに締まった。

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「五反田TOEIシネマ」1『グリニッチ・ビレッジの青春』『ハリーとトント』

2022-12-06 11:28:05 | 違いのわかる映画館

「五反田TOEIシネマ」(1991年閉館)

目黒川沿いのマンション下にあった東映系の名画座。


ポール・マザースキー監督特集(1979.3.23.)

『グリニッチ・ビレッジの青春』(76)

 スターを目指す若者たち(レニー・ベーカー、エレン・グリーン、ロイス・スミス、クリストファー・ウォーケン、アントニオ・ファーガス)の悲喜こもごもを描いた佳作だが、ラストがいま一つ。主人公の両親役のマイク・ケインとシェリー・ウィンタースが好演を見せる。


『ハリーとトント』(74)

 老いの怖さと寂しさを、笑わせながら痛感させる映画。ハリー(アート・カーニー)が尋ねる三人の子どもたち(エレン・バースティン、ラリー・ハグマン、フィル ・ブランズ)が、それぞれいい味を出している。もちろん猫のトントも。

 

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