むぎわら日記

日記兼用ブログです。
野山や街かどで見つけたもの、読書記録、模型のことなどを載せております。

『乳と卵』川上未映子(文春文庫)

2024年05月28日 | 読書
2008年の第138回芥川賞受賞作。
特徴的な文体で、読みにくそうと思ったが、けっこう、読んでしまいました。
へたっぴに見える文章ですが、すらすら読めてしまうのは、面白いですね。
題名の「乳と卵」は、豊胸手術をしようと上京してきた姉(乳)と、女の体の中にある卵子を気持ち悪いと考えるその娘(卵)が、主人公の家に泊まった3日間を描いているということらしいです。
つらつらと日常が続いているような描写がつづきますが、女性の性的なことを書くと女流文学的というスタンスなのかという感じの不快感を感じました。
最後の方は、暴力的な親子喧嘩が勃発して、この辺も、最後に盛り上がりを持ってくるのが純文学的というスタンスなのかと不快感を感じます。
なんとなく純文学の賞を取るには、こういう構成にすると、文体が変わっていても大丈夫と挑戦的な感じもしました。
他の作品は、ちゃんと書いてあるのかなと思って、併載されているもう1本の作品も読んでみましたが、構成が同じでした(笑)。
純文学のテンプレを目指したのかしら? と思いたくなるような本なので、そっち系に興味がある人は一読の価値ありかな。


コメント
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