喜多嶋隆著『パイナップル巨人軍』角川文庫
何十年か前に映画化の話があったようなのですが、トラブルでおジャンになったと記憶しています。
このころの喜多嶋隆の小説は、まるで良質な1本の映画を観たような読後感と評されることが多かったと思います。
以下、文庫の紹介文を引用します。
『ちょっと走れば息も絶えだえ。平均年齢75歳、ハワイ日系一世の野球チーム、パイナップル巨人軍。対戦成績361敗2分0勝という空前絶後の最弱チームだ。ひょんなことから彼らと対戦するハメに陥ったのが、東京から撮影にきたロケ部隊、その名もマヒマヒ・タイガース。貧乏症のプロデューサー、日和見ディレクターにオカマのヘア・メイクと、こちらも史上空前の軟弱チーム。パイナップル畑の撮影許可を賭けて、マウイ島に火花を散らす老若男女と犬一匹、いま世紀の一戦の幕が開く!』
ベテランの名優さんたちが、大勢出演出できるので、絶対に素晴らしい演技を披露してくれるでしょうし、高齢者が映画館に足を運ぶきっかけにもなるでしょう。
大笑いさせながら、最後にほろりと泣かせて、最後にずっこけ笑いで占めるのだけど、試合が終わってハワイの夕暮れに歌う爺さんたちのホレホレ節のエンディングになるだろうから、泣けると思います。