奄美へのいざない

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奄美大島本島一周第一区間完漕 レポート3

2008-05-30 22:08:00 | サーフスキー・シーカヤック

 レポート3 西古見~ヤドリ浜  レポート1 レポート2

 手の豆はつぶれ水ぶくれも9箇所あるお尻も痛い肩もあがらない足もつり気味、睡眠不足も影響しているのだろう、少しの昼寝をする。

 1時間位の長い休憩はかなりの体力回復になった、さて後は海峡の間を反対側太平洋方向へ向けて漕いで行くだけだ、堤防の上から村のおばあちゃんがお菓子を投げて見送ってくれる、今日の漕ぎでは携帯電話のGPS機能を使い上陸のたびに位置確認の記録をとっている便利だ。

 西古見の港を出ても相変わらずの南西の風、波も右側から寄せてくる共に強いものではないがこれだけ漕いで来ているとストレスには変わりない午前中のベタ凪ぎの海が恋しい、全身の痛い所をかばいながら漕ぎ方を変えたり足の位置をずらしながらしのいでいる、右側にやっと加計呂麻の島が風と波の影を作ってくれるようになったと喜んだら今度は永遠と向かい波、向かい風になってしまった、空もどんより陽もだいぶ傾いているだんだんと気も焦る、携帯電話のメール音、しばらくするとまた全身あっちこっちの苦痛上陸して背伸び運動をしたい、近場の上陸ポイントを探す、加計呂麻側のビーチが近そうなので向きを変え赤い粘土質の岩場の間のビーチにに上陸する。

 岩場に登って写真を撮ろうとしたが足があがらない無理に登ったら転げ落ちそうなので諦めた、先ほど鳴ったメールをチェック、こんな時に台風5号発生のありがたいお知らせだ、台風位置はまだ遠いが気分は落ち込む、この海峡の間は船の往来が多い明るいうちに一番の港古仁屋港の前は通過しておきたい、夜間航行装備はなにも準備していない、雲が無ければまだまだ明るいのだろうが今日の日暮れは早そうだ時間は午後6時になろうとしている。

 たまに横を通る船から手を振ってもらうと元気が出る、気分的には古仁屋の町はもうすぐそこだと思っていたが一つ一つ岬や島を越えてもなかなか町の明かりが見えてこない、この辺まで来ると痛みに慣れてしまったのか早くゴールしたいという気持ちが勝っているのかサクサクと好調に進む、コースも最短を考えるからど真ん中を真っ直ぐ進む前から来る船に私たちの姿が見えていることを祈りながらの漕ぎだ。

 やっと左側に古仁屋の町の明かりが見えてきた既に夜の灯りである、ここでまた町の灯りから元気をもらう、相変わらず弱いが向かい風と波の状況には変わりはない、加計呂麻シーカヤックマラソンでスタートして全員が一目散に目指す最初の岬トンキャンで私はまた小休止軽く体操をしてからだをほぐす、春山さんは舟を降りずに待っているので先に行ってもらう、岬からヤドリ浜の方角を見るがまだ遠い、既に陽は暮れ山の稜線でなんとなく位置確認が出来るくらいだ益々気が焦る。

 急いで舟にまたがり200mくらい先を漕ぐ春山さんを追いかける、左の清水・嘉鉄の集落の灯りと右の渡連の灯台の位置で自分の漕ぐ位置を確認しながら闇の中を漕ぎ進む、月でも出てくれたらもう少し明るいのだろうが、お互いの舟が良く見えない声をかけて初めて近くにいるのが分る、清水の沖に来るとゴールのヤドリ浜のホテルの灯りが見えると思っていたが見えない、手前にある島影になっているのだ。

 だんだんと海峡の間から太平洋からのゆるいウネリが入って来る、暗闇の中でのウネリは気持ちのいいものでは無い、見えない波に対するパドルあわせが分らない、陸の上に車のヘッドライトと思われる灯りが動いている先回りした陸上班のありがたい道しるべだ、島の岩場に砕ける波の音が恐ろしく響く、その岩場が近いのだろうか遠いのだろうか分らない、それを抜けるやっとホテルの灯りが上陸の浜辺を照らしていた。

 午前6時に朝仁の浜を出発して13時間35分目的地ヤドリ浜に着いたのは午後8時前だった。漕行距離71km シーカヤックマラソンフルコースの2倍の距離だ。

 数分遅れで春山さんの舟も到着した。

 いやはやお疲れ様でした。

 翌日天候が許せば太平洋側を北上するつもりだったが、翌朝は昨日より強い風、遠くには台風もある、ウネリはゆるいが水面はバチャバチャしている、一番嫌なのは突然吹く強い風だ、昨日の疲労を残した体で漕ぐのは諦めた。また日を改めて残りを漕ごう。

 今回の体験で沢山のことを学んだ今後の糧となるだろう、このような長距離を漕ぐのにベストなサーフスキーかシーカヤックをいつの日か造りたくなった、そして今回のこのコースをもう一度逆周りで漕いで見たい。

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