打倒!破廉恥学園

旋風寺武流PLが意味もなくただ、だらだらと掻き散らかすブログです。

赤星潮の消失

2014-03-16 22:16:52 | Weblog
馴染みの古本屋で梶原一騎の「四角いジャングル」を全巻購入しました。未読だったので実に楽しみでした。

つい先程読み終えたのだが、なんというか……これはテコ入れなのか、そういう方針で作られたのかわからない作品でした。

この作品は、アメリカはラスベガスで行方不明になった兄を探す若き空手家・赤星潮が、兄の仇(死んではないけどボコにされた)ベニー・ユキーデを倒すためにレスラーとボクサーの二足のわらじを履いて奮闘する話……でした!

ベニー・ユキーデは実在の格闘家で、フィクションとリアルを絶妙に混ぜ込んだ梶原一騎お得意のマジックが炸裂です。

最初の方は赤星潮が主人公だったのですが、大山倍達のアドバイスを受けた潮は黒崎健時の門下に入るのです。そこから話の内容は潮の仇討ち話から黒崎ジムの精鋭たちが打倒ベニーに燃える話となっていくのです。

さらにストーリーはフィクション成分が薄まりドキュメント作品へと変貌していきます。

ベニーの出番自体が作品中盤で終わってしまい、いつしか話はアントニオ猪木とウイリー・ウイリアムスとの異種格闘技戦へと動いていきます。そうなってしまうと潮の出番はウイリーの通訳と背景モブキャラくらいしかありません。最終巻に出てきた潮の台詞がこれです。

「この赤星潮はミスター・ウイリーの通訳だけ……ちょっとさびしいな」

これぞ正にキャラクターが独りでに動く、喋るという現象ではないでしょーか!?

最終巻の潮の出番はほとんどなく、ラストページ直前で黒崎師範から取ってつけたように「そうじゃ、近いうちにバンコクに本格的なムエタイ修行に出してやるとするか」と言われ「オスッ!」で終わりです。それまではずっと猪木とウイリーの仕合が行われていました。ちなみにラストページはリングがドーンと描かれて「完」です。

……これ読んだ人はわかると思いますが、潮がどれだけ修行を積んでも、きっとベニーには勝てないだろうなぁー。それくらいベニーは強く描かれています。ウイリーも猪木もすごい強そうです。

ウイリーがトレーニングでポンコツ車を素手で破壊するシーンがあるのですが、スト2のボーナスステージはここからとったんでしょうな。