広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

朝日秋田版より

2013-12-07 23:50:43 | 秋田のいろいろ
12月8日付朝日新聞秋田版から。
まずは、「温泉の女王 銀座で咲く/元アナウンサー村野さん、オーナーママに/山あり谷あり今は話し相手」。
1995年から2000年まで秋田放送のアナウンサーで「温泉の女王」の言われた女性が、いろいろあって今は銀座のバーのオーナーママになっているという記事。
2面しかない秋田版の4分の1近くを割いて伝えるほどの記事かどうかは疑問だけど、(秋田放送と資本関係にある)某新報社では伝えない(伝えられない)話題でしょうな。


さらに4分の1弱は「引退の「こまち」 ゆっくり旅立ち/羽越線経由、機関車がけん引」。
目のつけどころはユニークだけど、中身が中途半端で一般の人にはチンプンカンプンの記事ではないだろうか。

12月1日に、秋田新幹線E3系が、機関車に引っ張られていつもは通らない羽越本線を走ったという内容。EF81形電気機関車に牽かれて走るE3系のモノクロ写真付き。
「複数の鉄道関係者によると、この日は秋田での最後の仕事を終えた「こまち」を関東地方の工場に運ぶ回送運転。レール幅の異なる在来線用に車輪などを取り替え、(以下略)」といった文なのだが、これでは関東地方の工場で「何が」行われて、結果「どうなる」のか、すなわち「何が目的」の回送なのかが分からない。欠陥記事ではないだろうか。

ということで、勝手に解説。
以前、製造されたE6系が羽越本線経由で輸送されたが、今回はその逆方向ということになる。
新聞の「レール幅の異なる在来線用に車輪などを取り替え」というのは、「狭軌用の仮台車に履き替えて」という意味。
運ばれた先の「関東地方の工場」というのは、月刊誌「鉄道ファン」の出版元・交友社のサイトなどの情報によれば、横浜市にある「総合車両製作所」。2012年までは「東急車輛製造」だったが、JR東日本の完全子会社となって現社名になった。

さらにネット上の情報によれば、今回運ばれたのは「R24」編成。秋田新幹線用E3系26本中ではいちばん最後、2005年に製造された車両の1つ。

総合車両製作所に行ったE3系R24編成に対して何が行われるのか、現在のところ公式な発表も明確な情報もない。※したがって、以下は推測・憶測です
ごく一部では「廃車・解体されるのでは」という憶測もあるが、解体のためにわざわざ仮台車に替えて長距離を運ぶとは考えにくいし、しかも製造後10年に満たないいちばん新しい編成である。※廃車の解体は仙台の新幹線総合車両センターで行われているようだ。

可能性が高いのは「山形新幹線へ転用するための改造工事」。山形新幹線「つばさ」は、現在は形式としてはE3系で統一されているものの、1999年から2010年に渡って製造されたため、いくつかの異なる仕様のものが使われている。うち、1999年の新庄延伸時に製造された「L51」「L52」編成の2本はインバーターの方式が他と異なるため、この2本を置き換える計画があるとかないとか。
それよりも後に製造された、秋田新幹線用E3系最終グループの車両を山形新幹線に転用するというのは、説得力がある。ただし、山形新幹線は7両編成、秋田新幹線用E3系は6両編成なので、1両を追加(形式としてはこまちの12号車に相当する車両)しないといけない。

さらに、R25編成も運用を離脱しているらしい(後述)し、この後も同様の輸送が予定されているという情報もある。比較的新しいR18編成が仙台港から船で運ばれたという情報もある。仙台港といえば神戸の川崎重工。これも何らかの改造が行われそう。
JR東日本が10月に発表した経営構想の1つに「新幹線車両を使ったリゾート列車の導入」というのが入っている。この「リゾート新幹線」が秋田新幹線用だったE3系から改造されるのではないかという話もネット上にはあるようだ。
※繰り返しますが、以上は推測・憶測です。


公式発表されていないから新聞記事には書けないということなのだろうが、「他の路線を走行するための改造を行った後、“第二の人生”を歩むことになる。」くらいは書いてもいいのではないでしょうかね…

【22日追記】その後の報道によれば(この記事後半参照)、R編成のうち4編成が「つばさ」に転用されるとのこと。



ついでに、まだ走っているE3系R編成について。これは公式情報です。
JR東日本秋田支社では、まだ運行中のE3系において、「感謝をこめてラストラン」として11月下旬から順次、「ありがとう」のステッカーを車両側面のこまちロゴの上に掲示して運行している。
対象はR3、R4、R15、R16、R20、R21、R22、R23、R26の9編成(=したがってR25編成は離脱)だが、R4編成は既に12月15日がラストランになることが決まっており、セレモニーが行われる。
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東北各県パン/富士パン?

2013-12-05 23:55:28 | ランチパック
先日の続きでシライシパン(白石食品工業)「東北っていいなぁ。」シリーズ。
東北6県各県の素材をメインにした6つのパン(一部は洋菓子扱い)が11月から発売され、12月も継続中(ただし扱う店は減った気がする)。
11月中は応募シールが貼られていて、3枚集めれば抽選で各キャラクターのグッズ(青森はエコバッグとストラップ、秋田は土鈴と秋田杉ピンバッジ、他はぬいぐるみ・大)がもらえるキャンペーンを実施していた。
包装は各県のご当地キャラがデザインされている。前回紹介した青森のは「青森県マスコット いくべぇ」。

秋田県花立牧場ジャージー牛乳使用 フルーツオレパン 301kcal
パッケージは秋田県マスコット スギッチ。協力企業は花立牧場工房ミルジー。(小麦の提供元は表示されていないということは、東北以外産・外国産?)
クリームにはパイナップル、りんご、黄桃が入っているので、「フルーツオレ」。以前、ヤマザキランチパックやたけやフレッシュランチであったのと同じだ。
もうちょっとクリームが多くてもいいかも

岩手県産菜・彩・鶏使用 からあげピザパン 260kcal
岩手県マスコット わんこきょうだい そばっち(以前の記事)。
ピザソース、からあげに「オニオン入りのトマトソース、チーズ風味のマヨをトッピング」。からあげが(株)岩手チキン工房、岩手県産小麦ゆきちからがJAいわて中央。


山形県産ラ・フランス使用 ラ・フランス&ホイップ 326kcal
山形県マスコット ペロリン。ジャムがソントン食品工業(株)=紙容器のジャムでおなじみ。小麦ゆきちからは同じくJA、牛乳が岩泉乳業(株)。
正確には「ラ・フランス“ジャム”&ホイップ」。
割れ目にクリームを入れ、その上にラ・フランスのジャムがかかっている

宮城県産伊達ざくらポーク使用 まろやかチーズカレーパン
宮城県観光キャラクター むすび丸。ポークが(株)古川ミート。
「カマンベール風味の生地で、宮城県産伊達ざくらポーク入りのカレーとチーズマヨを包みました。」
辛すぎなくていいけれど、これももうちょっとカレーの量があってもいいかも

残る福島は「福島県産トマトピューレ使用 トマト&チーズデニッシュ」ですが、まだ食べていません。
トマトが苦手なので買うのに躊躇していた中、12月に入って販売店が減って買いそこねています。購入できたら、アップします。

これらの一部とよく似たパンが、JR東日本のコンビニ・NEWDAYSでも発売されていて、しかも製造者は同じシライシ。これも後日、アップします



ヤマザキから「まるで山!?パン(静岡県産いちごの果汁入りクリーム」という、富士山をかたどったパンが出ていた。他社からはこんなものが、
フジパン FUJIシフォン 392kcal
フジパンだけに富士パンとはいかず、シフォンケーキなので洋菓子扱い。
世界遺産登録を祝うシール付き
関東・東北地区限定で10月発売となっているが、もしかしたら地元の中部ではそれ以前に売られたのかもしれない。
 
雪をイメージしたホワイトチョココーティングはヤマザキと同じ。やや扁平な富士山で、中にはホイップクリーム。

シフォンがぽろぽろと“崩落”しやすいものの、オーソドックスな味でおいしかった。【12月8日追記】引き続き12月も発売されているが、扱う店は多くない。
12月は中部地区限定で「FUJIシフォン ショコラ」という、シフォン部分をチョコスポンジにしたものが発売中。
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増税後の運賃は?

2013-12-04 23:53:55 | 旅行記
来春からの消費税率引き上げが決まってしまった。
6月に記事にした通り、JR東日本など首都圏の鉄道事業者はICカード乗車券利用者に限って運賃を1円刻み(きっぷ購入より安い)にしたがっていた。
それじゃあ、JR東日本という同じ鉄道会社のエリアでありながら、IC乗車券が使えない地方では、選択の余地なく高いほうの運賃を払うことになるのかと、腑に落ちないでいた。
ところが、その後、別の情報が少しずつ出てきて、少しずつ詳細が分かってきた。分かった順番にまとめてみます。※すべて、発表または報道当時の内容に基づくもの。来春までに変化するかもしれません。

●仙台・新潟でも1円刻み
10月9日付河北新報「JR東日本のIC乗車券スイカ 仙台圏も1円刻み導入へ」。
JR東日本が1円刻み運賃を導入するのは、首都圏だけでなく仙台と新潟のSuicaエリアも対象にすることが分かった。同じ会社なんだし、それはまあ当然。
その記事では「JR東日本によると、仙台エリアのIC乗車券の対象区間は宮城、福島両県の東北線、仙石線、仙山線、常磐線などの約100駅と、仙台空港アクセス線の各駅。」としている。仙台空港アクセス線は「仙台空港鉄道」というJRとは別の第3セクター鉄道なのだが、そちらも1円刻みになるということだろうか?

来年度からIC乗車券を導入する仙台市営地下鉄の扱いについても触れている。「「仙台は首都圏ほどIC乗車券が普及していない。導入後の普及状況をみて判断したい」(市交通局)」だそう。
ちなみに、その愛称が11月8日に「イクスカ」に決まった。


●国の方針
10月29日には国土交通省が「消費税率引上げに伴う公共交通運賃(鉄道、バス)への1円単位運賃(ICカード利用)の導入について」を発表し、運賃に増税分を転嫁する際の基本的な考え方が分かった。
1円刻みのほうが正確に転嫁できるし、お客も納得しやすいから、国交省としては認めるという前提。(考えてみれば、今までの話は鉄道会社が勝手に言ってただけだったね)
1円刻みを実施する場合には「ICカード運賃の方が現金運賃より安くて然るべきという消費者感覚を前提に、利用者にとって分かりやすいものとして、ICカード1円単位運賃が常に「現金運賃以下」となることを基本とする」とし、端数処理については「事業全体として108/105以内の増収を前提に、各交通モードの利用特性を踏まえて現実的に対応。」することとしている。
※「交通モード」というのはバスか鉄道かといった交通機関の「種類」のこと。ちなみに、船、タクシー、航空事業者で1円刻み導入を考えている所はないとのこと。さらに、大阪など首都圏以外の鉄道、バス事業者でも検討していない(一部報道では、具体的にJR東海やJR西日本では検討していないとした)。

詳しく資料を見ると、
「現金よりICのほうが安いか同額」になるようにし、
鉄道では、IC利用者が多いため、現金の1円単位は「切り上げ」を認める
バスは、現金利用者が多いため、現金の1円単位は「四捨五入」を基本とする
という。
そして、定期券の値段等も含めて調整して、全体でちゃんと8%分の消費税になるようにしなさいとのこと。

これを読んだ限りでは、IC乗車券利用者の便宜と国が取りっぱぐれないことばかり考えていて、IC乗車券を使いたくても使えない地方の利用者のことは考えていないように感じた。
「会社全体として8%になるように」ということだが、それはお客の立場にしてみれば「8%以下の負担で済む客」と「8%以上を負担させられる客」がいても構わないということ。多くの客は決まったいつも同じ区間の同じ運賃額を払う人が多いはずだし。何かすっきりしない。


●現行×108/105
ちょっと話が逸れて、地方のバス運賃。青森市企業局交通部(青森市営バス)が10月30日付で消費税転嫁方針(案)を発表している。
7月5日付で国交省自動車局旅客課から出された事務連絡に基づくもの。現金払いでの転嫁方法については、ずっと前に示されていたことになる。

その事務連絡では、2通りの転嫁方法を見解として示していたそうだ。(文書の実物は見ていない)
1つは、「現行運賃(5%税込み)×108/105」。1997年の税率が3%から5%になった時も、これが(当時は105/103)基本だったようだ。
もう1つ、「現行の税抜き運賃×108/100」も可能としている。

青森市営バスでは、現行運賃×108/105を採用する方針で、現行運賃170円以下は据え置き、520円以下は10円アップ、870円以下は20円アップ、それ以上(990円が最高)は30円アップとするつもりだそう。(案なので変わる可能性もあるでしょう)
基本方針は108/105だそうなので、他のバス会社でもこんな感じになるのかもしれない。

短距離利用者としては値上がりがない、またはわずかでほっとしたいところだが、このやり方って、高額運賃を支払う人にしてみれば不公平だ。
10円の端数処理もあるので、どんなやり方でも完全に公平にはできないけれど、税抜き運賃に8%を掛けてイチから計算し直したほうが、まだ納得できそうな気もする。


●Suicaエリア内外で2本立て
11月6日の定例記者会見において、JR東日本の社長が新たな方針を示した。
11月7日付秋田魁新報総合面では、左下にわずか8行の簡潔な記事で伝え、「Suicaが使えない地域での消費税増税に伴う運賃値上げは「(10円未満の一律切り上げではなく)四捨五入で行おうと思っている」と述べた。」という。

なるほど。
現金払いの運賃を、Suicaエリアとエリア外で、切り上げと四捨五入で別々に設定するのか。四捨五入が適用されるエリア外のほうが安くなる区間が出てくるから、これなら多少は納得できるかも。

ただし、切り上げ/四捨五入前の運賃を「現行運賃×108/105」とするか「現行の税抜き運賃×108/100」とするかで、その差額が違ってくる。
JRの本州3社における幹線1~3キロ区間の運賃140円は、国鉄最後の1986年9月から3%も5%も転嫁されず、ずっと変わっていない。これに8%を掛けると、151円になってしまう。IC乗車券なら151円、エリア内できっぷを買えば切り上げだから160円、エリア外なら四捨五入で150円ということになるのだろうか? それともまたまた140円で据え置きだろうか?
結局は具体的な運賃表が明らかになるまでなんとも言えないか。


エリア内外で2本立ての運賃にするとは、考え付かないアイデアだった。それはそれで心配なことも。
実際の発券操作はコンピュータがやってくれるからいいとしても、今でさえ簡単ではない運賃体系がさらにややこしくなりそう。
両方の運賃体系が混在することになるSuicaエリアの末端に近い駅(甲府、いわき、黒磯、長岡、郡山、小牛田等々)、乗り入れ先の私鉄で乗り越し精算する時とか、面倒が起こらないだろうか。

それから、新幹線にはSuicaでは乗車できない。(一部の定期券や割引乗車券を除く)
したがって、東京-那須塩原・高崎では、新幹線ではSuicaが使えないけれど並行する在来線はSuicaが使える。今は、きっぷを買えばどちらにも利用(もちろん特急券は別)できるけれど、ここは増税後はどうなるだろう。在来線と新幹線で運賃計算が異なるという、山陽新幹線の小倉-博多(これは運賃体系が異なる別会社経営のため)のような感じになるのだろうか。
【12月12日追記】12月12日に公式発表があり、上記とは違う考え方だった。切り上げとするのは、都心に近い電車特定区間内のみ。他はSuicaエリアであっても、エリア外と同じ四捨五入の運賃体系となる。要は、従来からの電車特定区間内の運賃を8%・切り上げ、他を8%・四捨五入にするということ。


なお、この時の共同通信の報道(魁では使わなかったようだが)では、これは使えない地域の利用者の不公平感を解消するための措置であり、今後は「増税分を正確に転嫁できるスイカが利用できる地域の拡大を急ぐ考えをあらためて表明。」したそうで、それが次の項目。


●面でなく点で拡大
11月29日、JR東日本が「Suica の一部サービスをご利用いただける駅が増えます」というリリースを出した。33駅において4月1日からSuicaで列車に乗れるようになるという。さっそく上記の「スイカが利用できる地域の拡大」が行われるわけか。
ただ、今までのような「“エリア”を広げる」ではなく「使える“駅”を増やす」のが違う。既存エリアの延長線上にある駅の一部だけをかいつまんで対象にするイメージ。途中の駅では引き続き使用できず、「面」でなく「点」での拡大ということ。従来通り、エリアをまたがっての利用は不可。

新たに対象となる駅では「使うこと」だけができ、カードの発売・払い戻しはできない。Suica定期券も発売しないとのことで、あくまでも簡易的な扱いのようだ。(チャージについてはできないとしても、コンビニでできるから問題は少なそう)

使えるようになる33駅は、既存Suicaエリア内と在来線(特急含む)で行き来する人が多そうな駅。松本など「あずさ」停車駅。新幹線駅との接続駅である一ノ関、古川。新幹線から乗り継いだ観光客が降りる、平泉、鳴子温泉、会津若松、喜多方。エリア内の大都市との移動が活発な山形、直江津、村上。といった感じ。

現段階では示されていないはずだが、この区間の運賃設定はどうなるんだろう。Suicaが使える駅と使えない駅が入り乱れた状態だから、Suicaエリア内の運賃体系にしてしまうと、逆転現象が起きておかしくなりそう。運賃はエリア外のを適用するかもしれない。
あと、山形-福島間で「つばさ」の乗車には(乗車券として)使えるだろうか。「あずさ」同様の在来線特急扱いならば利用できていいはずだけど、途中駅はSuicaが使えないし、福島駅では「つばさ」を使う時に出入りする新幹線改札口では使えない。


既存エリアを延長するというこのやり方では、秋田を対象とするのは無理だろう。仙台エリアだって新幹線を使って行くのが普通だから。本格的なエリア拡大を待つことになりそう。


●大都市近郊区間
上記、Suicaが使える駅の拡大に伴い、「大都市近郊区間」が拡大されたり、仙台周辺で新たに適用される。※新幹線、山形新幹線を利用する場合は対象外
大都市近郊区間とは、区間内相互を移動する際、実際に乗車する区間に関わらず、常に最短の距離で運賃を計算する【5日適正】もっとも安くなる運賃が適用されるエリアのこと。【5日追記】正確には、安いほうの運賃を「選択できる」ということだが、好き好んで高いきっぷを買う人は少ないし、特にICカードを利用した場合は強制的に最安運賃が適用されることになる。

例えば、山形と鳴子温泉の間を新幹線を使わずに移動する場合。
現状では、仙山線・東北線回り(仙台・小牛田経由)では2520円。奥羽線・新庄回りでは1890円。
来春以降は、どちらを通っても、あるいは福島なんかまで遠回りしても、常に新庄回りの運賃が適用される。
なお、山形や鳴子温泉が仙台Suicaエリアの端であり、新庄回りだといったんSuicaエリア外に出てしまう形になるが、仙台の大都市近郊区間からは出ないことになるし、Suicaエリアをまたがっているわけではない(どちらも仙台エリアに属する)から、Suicaを使っても問題なく適用されるはず。


この大都市近郊区間適用によって、不便になることがある。エリア周辺の旅慣れた人には痛手かもしれない。
それは大都市近郊区間内相互では、途中下車ができないこと。
「途中下車」とは、100キロ以上の乗車券(特急券等は別)において、後戻りしない限り、途中の駅でいったん改札の外に出ることが可能な制度。
例えば、今は上記の山形-仙台-鳴子温泉のきっぷを使っていれば、途中で山寺を観光して、作並で温泉に入って、仙台に一泊して、鳴子に行くことができた。これが来春以降はできなくなる。
大都市近郊区間が韮崎から松本まで拡大される東京でも、新宿-松本などで途中下車できなくなる。※秋田-鳴子温泉や仙台-松本など、近郊区間外からの乗車券では引き続き途中下車可能
【12月12日追記】上記、新宿-松本のような近郊区間末端との利用なら、1駅先の近郊区間外の駅まで(orから)購入すれば、途中下車が可能になる(運賃もほとんどのケースで変わらない)。

ICカードでは途中下車の概念がないし、今どきは旅慣れた人以外では途中下車制度を知らない人が多いのかもしれない。
そもそも途中下車制度は、大昔の列車が遅くて移動に何日もかかる時代、都度手作業で計算して乗車券を発券する手間を省くという意味もあったかもしれない。
列車が高速化し、運賃が瞬時に計算できるようなり、さらに「えきねっとトクだ値」のような特急券とセットになって大幅に割引されたきっぷをJR自身が発売するようになった現代では、途中下車なんて時代遅れのものになってしまったのだろうか。(一方で、割安なきっぷがない地域ではありがたい制度だし、JR側では自動改札機の普及で途中下車を正確に管理できるようになったはず)



増税後、具体的にどこからどこまでの運賃がいくらと分かるには、まだ時間がかかりそうで、発表を待つしかない。とにかく複雑になりそうな予感がしてしまい、面倒になりそう。
そして、長い目で見れば、消費税増税やICカード乗車券の普及が、永年続いてきたの鉄道運賃制度の考え方が変わるきっかけになってしまうのかもしれない。
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木3題

2013-12-03 23:29:05 | 動物・植物
木の話3つ。
●エノキの黄葉
昨年、存在を知った「エノキ」。
きれいに黄葉するという話だったものの、ケヤキなど他の木よりも早く落葉してしまい、昨年は見逃してしまった。今年は…
11月初めのけやき通り北端・八橋一里塚交差点
ケヤキは美しく紅葉(個体差があるので黄葉する木も)している。
信号機のすぐ後ろに、小さいエノキが1本だけあるのだけど、
ギリギリ間に合った!(いや、間に合ってない?)
たしかに黄色くなるようです。


以下2つは、秋田市立保戸野小学校の木関連。
●秋田のハルニレ
保戸野小正門にあって、学校のシンボルである2本の「ニレの木」の正体(標準和名)は、以前の記事では「ハルニレ」ではないかと推測していた。
しかし、今年夏に札幌の北大植物園に行って実物を見たところ、葉っぱの感じからハルニレではなく近縁の「ノニレ(別名マンシュウニレ)」ではないかと思うようになった。
じゃあ、秋田にはハルニレってないのだろうか?

それがあった。
場所は土崎で、街路樹として。
通称「ガス灯通り」と呼ばれる、国道7号線の「臨港警察署入口」交差点から旧道の五十嵐記念病院・秋田信用金庫の交差点とを結ぶ、短い市道。全長96メートルの「市道土崎港中央一丁目線」というそうだ。
1986年春に7本のガス灯が設置され(土崎が秋田油田に近く、かつての秋田市営ガスの発祥地であることにちなんだのか?)て歩道が整備された際、街路樹のハルニレが植えられていた。
南側にだけ4本のハルニレがある。
 逆光などで見づらいですが10月下旬撮影
あまり大きくはなく、格好もいまいち。
北海道のハルニレに比べればずっと若いから大きさはこんなもんだろうが、広くはない道路の街路樹という性質上、かなり刈り込まれてしまったのだろう。
 
葉っぱはケヤキの葉を大きしたようで、北大植物園のハルニレもこれと同じだった。地肌が縦方向にゴツゴツしているのは、ハルニレにもノニレにも共通する特徴だから、保戸野小との似ている。

撮影時はあまり紅葉していなかった。今年は保戸野小のノニレも似たような感じで、紅葉が遅かったのかもしれない。
どうしてハルニレが選ばれたのかは分からないけれど、秋田では貴重かもしれないハルニレ並木です。

土崎にはアキニレ並木が2か所あるのを発見した。


●ポプラ
保戸野小のもう1つのシンボルツリーであるポプラ。
昔はグラウンドの外周にたくさんのポプラがあったのだが、今はたった2本になってしまった。
(再掲)
ポプラは種が綿毛で飛んで、その処分やアレルギー源として問題になるという。ポプラはイチョウと同じく雌雄異株なので、オスの木だけを植えれば解決するけど。
それに、生長が早い上に根が浅く、倒れやすいことも問題になる。有名な北大のポプラ並木でも、倒木の恐れがあって並木が通行止めになったり、新しいポプラを植え替えて対処したりしている。
保戸野小のポプラが2本に激減してしまったのも、それらが理由だろうか。(今ある2本は綿毛は飛ばさないはず)
※札幌市の資料(http://www.city.sapporo.jp/ryokuka/midori/forest/dororyokuka/documents/31popura.pdf)によれば、「ほうき状の樹形となるのは雄の木で、雌の木はやや広がる。 」【2015年4月30日追記】雌雄で樹形が違うことへは異論もある。


上の写真のように、昨年は美しく枝を広げて、葉がさらさらと風にそよいでいた。
今年も若葉は出そろったものの、5月下旬には、
あれ?
太い幹を残して、上部の枝がすべてバッサリと切られてしまった!
広げて乾燥させて処分したらしい
そういえば、何年か前にもこんなことがあったような。
上記の通りポプラは枝が弱いため、放っておくと危険。そこで、ポプラは生育が旺盛なこともあり、かなり切り詰めて丈夫な新しい枝を伸ばさせる「強剪定」が、管理方法の1つとして存在するそうだ。
最近は、秋田市でも他の自治体でも、経費節減や落ち葉の処理からか、街路樹や公園の樹木をかなり大胆に切ってしまうことが少なくない。このポプラでもその意図もあるのかもしれないが、ポプラという種の性質上、安全に長く生かすために必要な措置なんだろうと思った。
その後、
 6月下旬と8月中旬
その後、わずかな期間で幹の上部にはたくさんの葉が茂った。
この分では、また数年経てば新たな枝が高く伸びるだろうと思っていたら…
9月中旬
左の木がだいぶ枝を減らされ、右のも少し減った。さらに、
10月中旬
また丸裸になってしまった!
1年に2度も剪定を行うやり方があるのだろうか?
まあ、ポプラの生命力からすれば、来春も枝や葉を伸ばすとは思うけれど、ちょっと心配。→あまり芳しくないようで…(リンク先末尾)
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無名交差点化回避

2013-12-02 23:19:05 | 秋田の地理
交差点に設置される「主要地点」の案内標識。「交差点名」と認識されることも多いが、厳密には「地点の名称」。
案内標識なので道路管理者管轄の標識だが、設置される信号機は警察の管轄という事情なのか、2009年の記事のように秋田県では縮小傾向。
信号機の更新の際に表示板が撤去されたのか、いつの間にか「無名の交差点」に成り下がってしまったものがいくつかあるし、新しい道路が開通しても新たに名付けられることは少ない。
※地点名は地図やカーナビでも表示されるが、現地調査の情報に基づいて更新されているはずなので、無名化されてしまうと、早晩地図上からも名称が消えてしまうことになる。

表示板が付いている交差点でも、1方向にしか表示板が残っておらず、しかもその文字が剥離してボロボロで、いつ無名になってしまうか危うい交差点が、秋田市中心部に2か所あった。
1つは、2009年の記事でも紹介した秋田市道どうしの十字路「大町五丁目」。こちらは2012年に表示板が更新されて無名化は回避された。他の3方向には相変わらず表示はないものの、1枚だけの表示板は今年信号機が更新されても引き続き使われている。

もう1つは、「広小路西」。
広小路が西端で旭川(土手長町通り)に突き当たる丁字路のことで、秋田県道26・28号線(重複区間・広小路~土手長町南側)と233号線(土手長町北側=この交差点が起点)が交わる。昔の協働社の角。
ここも大昔はどちら側にも表示板があったはずだけど、現在は南進側(通町橋から二丁目橋に進む時に見える)にだけ残っている。
中央分離帯(かつての市電の電停の名残)があるため、信号機は片面タイプが1本の柱の左右に分けて設置されている。表示板類は反対側用の信号機のアームに取り付けられているという、少し変わった配置。
左のアームに付ければ良さそうなのに…
この広小路西もまた、
(2009年8月撮影)

ボロボロだった
隣の警察管轄の2つの表示板は比較的きれいなのと対照的。縦割り行政というか我関せずというか…
それが、先週気付いたら、
きれいな「広小路西」
筋の入った新タイプの反射素材に、今風の丸ゴシック体の表示板に変わった。表示板のサイズは以前と同じようで、英字がない縦書き。以前の表示板の上に重ね貼りしたのなら留め具が見えるはずだが、それがないので、表示板自体を交換したのだろうか。
広小路西も無名になるのは避けられたわけだが、やはり他の2方向には表示がないまま。「首の皮一枚」ならぬ「表示板一枚」でその名称が存続しているわけだ。


それにしても、僕は比較的よくここを通るのに、表示板については長らく気に留めないでいてしまった。いつの間に交換されたのだろう。
11月3日の夜霧の画像を確認すると、既に新しくなっていた。
2012年10月撮影のGoogleストリートビューでは、
ボロボロのまま
※上の2009年の写真よりも剥離が進んでいて、ほとんど真っ白。
ということで、昨年10月から今年11月初めの間に交換されたことになる。←ずいぶん幅がありますけど…
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消火栓の目印

2013-12-01 21:03:39 | 秋田の季節・風景
今年5月の記事後半のその後。秋田市の消火栓について。
秋田市など積雪地の消火栓は地上部に出ているのが一般的。(数か月前の秋田魁新報の水に関する連載で、「秋田市の消火栓は、“すべて”地上部に設置されている」という記述があったが、それは間違い。数は少ないが地下式もある)

冬期間は、消火栓の地上部が雪に埋もれる可能性があるため、秋田市消防本部では竹竿に赤い旗を付けたものを目印として冬期間だけ設置してきた。(雪が積もった後は、定期的に巡回して除雪作業も行う)
ところが、今年初め頃から、旗に代わって細い棒に「放火に注意」と書かれた小さな表示板(?)が、徐々に通年で設置されるようになった。
 (いずれも再掲)
従来の旗に比べると、背が低く、白くて小さいので積雪時は目立ちにくそうで、目印としての効果に疑問を感じていたし、やたらと「放火に注意」と書いているのもあまりいい気がしなかった。

常設といっても夏の間に取れたり壊れたりしてしまったものも少なくなかったので、積雪期を控えたここ最近、新たに表示が整備された消火栓があった。
今まで通りの旗
以前同様、竹竿+旗の消火栓もわりと存在するようだ。竿自体が新品らしきものもある。

細い棒+「放火に注意」の表示も引き続き設置されているが、そのマイナーチェンジ版が登場した。片面は今までと同じ「放火に注意 秋田市消防本部」なのだけど、その反対面は、
「設置は義務です 住宅用火災警報器 秋田市防火安全協会」
2011年から2012年にかけてのシーズンに寄贈され設置されていた旗(安物ですぐボロボロになった)と同じ文言。
これで文面は2パターンが出たけれど、どっちにしても小さくて白い部分が多くて目立たない。

また、棒は昨年度までは先端が赤いものが多かったはずであり、表示板はそこに針金状の金具で取り付けられていた。
それが今年は、上の写真のように先端も白い棒で、表示板は黒い結束バンドで固定されている。でも、設置早々、
ストンと下に表示板が落ちてしまったものも
【7日追記】↑写真の箇所は、数日後に正しい状態に戻っていた。

昨シーズンからのものか、表示板がなく、白くて細くて長くない棒の上部にビニールテープを巻いたものも。
これも目立たないよ
【2日追記】従来の竹竿をそのまま使って、旗の代わりに新しい表示板を結束バンドで取り付けたものも存在した。(いずれも城東消防署管内か?)
高さは確保でき、棒(竿)の色によって視認性はいくらか向上するけれど、なんとかく不釣合いで格好悪い。
【7日追記】土崎消防署管内では、従来の竿の先端を赤く塗ったもの(旗や表示板なし)が比較的多く設置されているようで、管轄消防署によって対応が異なる模様。また、こんなものもあった(リンク先後半)。
※2014年にはさらに別タイプが登場


さて、ここで、夏に北海道で見た消火栓。
 帯広市中心部
帯広市も積雪地ではあるけれど、道内としてはさほど積もらないのか車両用信号機は横型と縦型が混在していた。
消火栓には、常設の看板タイプの立派な表示板。これなら耐久性もあるし目立つ。
丸い表示板の下の四角い看板には「災害 あなたの避難場所は…」。「あなたの」というか、その設置場所において指定されている避難場所(「あなた(が今いる場所)の」ということか)を示しているようだ。英語も併記。
避難場所の指定は消防とは別部署の担当のはずだが、部局を越えた連携による消火栓表示板の有効活用だ。

全国的(というか雪国中心か)には、消火栓は赤色が多いようだけど、帯広駅前にあったのは、
ステンレス製の銀色
秋田市でも秋田中央道路地下トンネル用の消火栓はこんなのが設置されている。(あれを一般の火災時に使うことはできないんだろうか?)

ほかにも、札幌市では、
 南区定山渓温泉にて
札幌市章入りの黄色い消火栓。札幌市は黄色が標準のようだ。


最後に、秋田市近隣某市の消火栓。
真っ白?
塗装が剥がれてほとんど白くなってしまっている。
色はともかく、錆びついてしまって使う時に水が出なかったり、出なくていい時に噴出したりしそうで、怖い。
コメント
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