東北小回り旅(前回の記事)。山形を訪れた目的の1つが、食べたい駅弁があったから。
山形県の駅弁といえば、全国的には米沢牛を使った米沢駅が著名。2つの業者が競い合い、駅弁大会の常連だけど、それじゃない。
あと、山形駅ビルで販売され、広義では山形駅弁ととらえられる、鶏のそぼろの弁当もあるけれど、それでもない。
山形駅構内で販売する正真正銘の駅弁業者、「もりべん(2015年に森弁当部から改称)」の商品。
米沢の陰に隠れてしまっている感じもするけれど、駅弁大会で取り扱われることもあるし、幅広い食材を使ったおいしそうな商品をいろいろ出している製造元。
十数年前、山形駅でもりべんのとある弁当を買い、仙山線の車内で食べたところ、懐かしい味にちょっと感動して、それをもう1度食べたいと思っていたのだった。
公式ホームページによれば、その駅弁は仙台や首都圏の輸送駅弁店「旨囲門」「祭」では売らないようで、以前売っていた新庄駅からも撤退してしまったので、山形駅と山形新幹線車内販売でしか買えないようだ。【2022年1月26日追記・一方で、東京駅や仙台駅で売られていたという、個人発信の情報もちらほらある。運が良ければ購入できるかもしれない。】
山形駅改札口向かい(改札外)の待合室の売り場では、豊富にあった。
特製 山菜牛肉 みちのく弁当の旅 1100円
バーコードと消費期限が記されたシールでは「みちのく弁当」と略していた。
素朴な包装の絵と独特なネーミング。
ネーミングは映画「2001年宇宙の旅(1968年)」の影響か??
【2021年11月14日追記】ヨネスケ(桂米助)氏は、駅弁好きでもありブログ(http://blog.livedoor.jp/yonemeshi)を更新している。2009年3月8日に本品を取り上げていて、ネーミング「山本譲二の「みちのく一人旅」のもじりか?」としている。「みちのくひとり旅」のシングルリリースは1980年。そうかもしれないけど、音数が違いすぎて語呂が悪い。
中身
左の区画は白いごはん(山形県産)の上に、おかずが敷きつめられている。
茶色部分の4分の3ほどが煮た味付牛肉、残り(右側)がぜんまい煮とヒラタケ煮。
左にはワラビ酢漬とタケノコ、「の」状の卵焼き。枠外の右には、山形らしく玉こんにゃく2つ(カラシ付き)。
以前と変わらない! と言いたいところだけど、変わっている。
昔は、正方形の容器で、富山のますのすしのような箱(絵は同じ)に入っていた。
中身は全体に分量が多いものの、若干すき間があって白いごはんが見えていた。もっと素朴というか野暮ったい印象の弁当だったかもしれない。※リニューアル前はこの記事後半にて。
現在は、おかずの割合はそのままに、全体に減量した感じ。箱は横長になり、包装は箱ではなく筒状。結局のところ、コスト削減でしょう。
2013年頃に変更されたようだ。2014年時点では900円、その後1000円を経て、1100円になった模様。
前回、懐かしい味に感動したのは、牛肉。子どもの頃に食べた味にそっくりだったのだ。
その時は、うちのばあさんが作ってくれた牛肉の煮物の味かなと思った。
別の機会に、米沢の新杵屋「牛肉どまん中」、秋田駅の関根屋「特製牛めし」、同じもりべんの「山形特選牛めし(同社一番人気だとか)」を食べたけれど、それらとは違う味。
だから「みちのく弁当の旅」をまた食べたかった。
卵焼きは以前よりやや小さく・薄くなった気がする
久々に食べてみると、肉は脂分が多めで、少し甘めのしょうゆ味。
これは、ばあさんの味じゃない。(ばあさんのはもっとしょっぱくて甘くなかった。また、関根屋の牛めしは甘さがあったはずだけど、それとは違う甘さ)
東北新幹線が大宮駅発着だった頃、大宮駅で売っていた駅弁の牛肉の味だ!!
現在、大宮駅では地元業者による駅弁はなくなってしまったが、当時はまだ存在し、すき焼き弁当とかいうのを食べて、子ども心にとてもおいしかった思い出がある。2度くらいしか食べたことがなく、その後上野開業で食べる機会がなくなり、今は業者自体がなくなってしまった。ネット上に情報は少ないが、「牛すき焼弁当」というのがあったようだ。その味。
今食べても、やっぱりおいしい。好みの味。
大宮のは見た目は肉がもっと白っぽかったような記憶。
個人的思い出はともかく、ネット上で「みちのく弁当の旅」の評判は悪くない。薄味の地域のかたには、しょっぱいと思われることもあるようだけど。
近くに米沢という強敵があることと、「みちのく弁当の旅」というネーミングと中身の関連性がピンとこないことで損してしまっている感じもするものの、末永く残ってほしい駅弁である。
また食べたいけれど、山形駅へ行かなきゃならないのでしょうね… それが本来の駅弁の姿なのですが。
※次の記事も山形の食べ物(パンカテゴリー)について。
【2022年2月15日追記・「みちのく弁当の旅」の歴史について】
2010年4月に東京駅で開催された、「駅弁の日 東日本縦断駅弁大会(春)」において、各地のいくつかの駅弁が復刻製造・販売されたのを知った。
その1つに、山形駅森弁当部「特製みちのく弁当」(750円)があった。いくつかのサイトで今も画像を見られるので、参考にさせてもらった。
「1968年のレシピと掛け紙」を再現したもので、この年発売開始ではないようだ。
掛け紙は、サクランボと山菜類の絵で、一般的な長方形の箱。
薄茶色のごはんが一面に敷かれ、その上に鶏の竜田揚げ4切れ、ワラビ、タケノコ薄切り2切れ、笹のタケノコ2本、台形(脚の1片が垂直)の玉子焼き、紅生姜が載り、かなり余白がある。
一角を区切って、サクランボとパイナップルのシロップ漬けと細かい漬物。
ごはんの上に山菜と肉を載せる点では、~弁当の旅に通じるものがあるが、肉が大きく違う。
各サイトでは、これを~弁当の旅のルーツ・前身であるととらえるものが多く、納得できる。
また、「1970年代前半には牛肉に替わった」、「1991年には旧仕様「~弁当の旅」と同じものが「みちのく弁当」として売られており、1997年には「~弁当の旅」の名になっていた」との情報も。
「弁当の旅」の名はそんなに長くないようだが、中身の歴史は長いようだ。
※この後、2022年9月に購入すると、中身が変わってしまっていた。
山形県の駅弁といえば、全国的には米沢牛を使った米沢駅が著名。2つの業者が競い合い、駅弁大会の常連だけど、それじゃない。
あと、山形駅ビルで販売され、広義では山形駅弁ととらえられる、鶏のそぼろの弁当もあるけれど、それでもない。
山形駅構内で販売する正真正銘の駅弁業者、「もりべん(2015年に森弁当部から改称)」の商品。
米沢の陰に隠れてしまっている感じもするけれど、駅弁大会で取り扱われることもあるし、幅広い食材を使ったおいしそうな商品をいろいろ出している製造元。
十数年前、山形駅でもりべんのとある弁当を買い、仙山線の車内で食べたところ、懐かしい味にちょっと感動して、それをもう1度食べたいと思っていたのだった。
公式ホームページによれば、その駅弁は仙台や首都圏の輸送駅弁店「旨囲門」「祭」では売らないようで、以前売っていた新庄駅からも撤退してしまったので、山形駅と山形新幹線車内販売でしか買えないようだ。【2022年1月26日追記・一方で、東京駅や仙台駅で売られていたという、個人発信の情報もちらほらある。運が良ければ購入できるかもしれない。】
山形駅改札口向かい(改札外)の待合室の売り場では、豊富にあった。

バーコードと消費期限が記されたシールでは「みちのく弁当」と略していた。
素朴な包装の絵と独特なネーミング。
ネーミングは映画「2001年宇宙の旅(1968年)」の影響か??
【2021年11月14日追記】ヨネスケ(桂米助)氏は、駅弁好きでもありブログ(http://blog.livedoor.jp/yonemeshi)を更新している。2009年3月8日に本品を取り上げていて、ネーミング「山本譲二の「みちのく一人旅」のもじりか?」としている。「みちのくひとり旅」のシングルリリースは1980年。そうかもしれないけど、音数が違いすぎて語呂が悪い。

左の区画は白いごはん(山形県産)の上に、おかずが敷きつめられている。
茶色部分の4分の3ほどが煮た味付牛肉、残り(右側)がぜんまい煮とヒラタケ煮。
左にはワラビ酢漬とタケノコ、「の」状の卵焼き。枠外の右には、山形らしく玉こんにゃく2つ(カラシ付き)。
以前と変わらない! と言いたいところだけど、変わっている。
昔は、正方形の容器で、富山のますのすしのような箱(絵は同じ)に入っていた。
中身は全体に分量が多いものの、若干すき間があって白いごはんが見えていた。もっと素朴というか野暮ったい印象の弁当だったかもしれない。※リニューアル前はこの記事後半にて。
現在は、おかずの割合はそのままに、全体に減量した感じ。箱は横長になり、包装は箱ではなく筒状。結局のところ、コスト削減でしょう。
2013年頃に変更されたようだ。2014年時点では900円、その後1000円を経て、1100円になった模様。
前回、懐かしい味に感動したのは、牛肉。子どもの頃に食べた味にそっくりだったのだ。
その時は、うちのばあさんが作ってくれた牛肉の煮物の味かなと思った。
別の機会に、米沢の新杵屋「牛肉どまん中」、秋田駅の関根屋「特製牛めし」、同じもりべんの「山形特選牛めし(同社一番人気だとか)」を食べたけれど、それらとは違う味。
だから「みちのく弁当の旅」をまた食べたかった。

久々に食べてみると、肉は脂分が多めで、少し甘めのしょうゆ味。
これは、ばあさんの味じゃない。(ばあさんのはもっとしょっぱくて甘くなかった。また、関根屋の牛めしは甘さがあったはずだけど、それとは違う甘さ)
東北新幹線が大宮駅発着だった頃、大宮駅で売っていた駅弁の牛肉の味だ!!
現在、大宮駅では地元業者による駅弁はなくなってしまったが、当時はまだ存在し、すき焼き弁当とかいうのを食べて、子ども心にとてもおいしかった思い出がある。2度くらいしか食べたことがなく、その後上野開業で食べる機会がなくなり、今は業者自体がなくなってしまった。ネット上に情報は少ないが、「牛すき焼弁当」というのがあったようだ。その味。
今食べても、やっぱりおいしい。好みの味。
大宮のは見た目は肉がもっと白っぽかったような記憶。
個人的思い出はともかく、ネット上で「みちのく弁当の旅」の評判は悪くない。薄味の地域のかたには、しょっぱいと思われることもあるようだけど。
近くに米沢という強敵があることと、「みちのく弁当の旅」というネーミングと中身の関連性がピンとこないことで損してしまっている感じもするものの、末永く残ってほしい駅弁である。
また食べたいけれど、山形駅へ行かなきゃならないのでしょうね… それが本来の駅弁の姿なのですが。
※次の記事も山形の食べ物(パンカテゴリー)について。
【2022年2月15日追記・「みちのく弁当の旅」の歴史について】
2010年4月に東京駅で開催された、「駅弁の日 東日本縦断駅弁大会(春)」において、各地のいくつかの駅弁が復刻製造・販売されたのを知った。
その1つに、山形駅森弁当部「特製みちのく弁当」(750円)があった。いくつかのサイトで今も画像を見られるので、参考にさせてもらった。
「1968年のレシピと掛け紙」を再現したもので、この年発売開始ではないようだ。
掛け紙は、サクランボと山菜類の絵で、一般的な長方形の箱。
薄茶色のごはんが一面に敷かれ、その上に鶏の竜田揚げ4切れ、ワラビ、タケノコ薄切り2切れ、笹のタケノコ2本、台形(脚の1片が垂直)の玉子焼き、紅生姜が載り、かなり余白がある。
一角を区切って、サクランボとパイナップルのシロップ漬けと細かい漬物。
ごはんの上に山菜と肉を載せる点では、~弁当の旅に通じるものがあるが、肉が大きく違う。
各サイトでは、これを~弁当の旅のルーツ・前身であるととらえるものが多く、納得できる。
また、「1970年代前半には牛肉に替わった」、「1991年には旧仕様「~弁当の旅」と同じものが「みちのく弁当」として売られており、1997年には「~弁当の旅」の名になっていた」との情報も。
「弁当の旅」の名はそんなに長くないようだが、中身の歴史は長いようだ。
※この後、2022年9月に購入すると、中身が変わってしまっていた。
伊達巻も可愛らしいし。
仙台のこばやし牛タン弁当ぐらいしか食べたことがない自分ですが。
花善、米沢、牛タンみたいにメジャーになれそうな気がします。
世間一般の人は、ご当地名物とか奇抜なネーミングの駅弁にひかれ、業者もそれを推して駅弁大会に出す傾向があります。
そんな中で、これはちょっと地味ですが、評価されていい駅弁でしょう。
と言いつつ、もりべんでは芋煮風やつや姫の駅弁もあるそうで、そちらも気になります。