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シニアアキカ申込開始

2022-07-10 23:07:17 | 秋田のいろいろ
先日、そろそろ動く頃かとした、シニアアキカ。7月7日に動いた。

シニアアキカは、「高齢者コインバス事業」専用のICカード乗車券。
高齢者コインバス事業は、65歳以上で手続きした秋田市民が、秋田市内の秋田中央交通の一般路線バスと、秋田市マイ・タウンバス(郊外部の廃止代替バス)を、1回につき100円均一で乗車できるもの(2011年の開始当初は70歳以上だった)。
これまでは、登録時に紙の「高齢者コインバス資格証明書」を発行してもらい、それをバス降車時に提示して、現金100円を支払う方式だった。回数券での支払い不可。
証明書には、顔写真のほか氏名・住所・生年月日と個人情報が満載。バス運転士は顔写真以外の情報を提示されても確認のしようがないし、落とし物になれば悪用される危険もあったと思う。

秋田市と秋田中央交通による一般向けのICカード乗車券(地域連携Suica)「AkiCA」が2022年3月から導入されたのに続き、同年秋頃には、その高齢者コインバス用である「シニアアキカ」が始まるということだった。
※表記は、一般用はアルファベットのAkiCAなのに対し、高齢者用はカタカナなのが正式らしい。ただし、高齢者用もカード面にはAkiCAロゴも表記。
カードに一本化され、紙証明書は廃止される模様。
というのがこれまでのところ。


7月7日。秋田市役所ホームページに、福祉保健部 長寿福祉課 長寿企画担当による「高齢者コインバス事業(地域連携ICカードシニアアキカ)」がアップ(ページ番号1034693)され、詳細が分かった。
市のサイトには、リーフレットのPDFファイル(2種類3ファイル)と動画による説明もアップ。動画は「PIP-Maker」というソフトで作ったらしいが、リーフレットと中身は同じことを伝えているようだ。
今後の流れなどをまとめる。※以下、勘違いの可能性や一部推測している点がありますので、正確さは保証できません。

・シニアアキカは2022年10月開始。
・紙の証明書は2023年3月31日で終了。
→今年10月から来年3月までは、紙とICカードが共存。

・カードのデポジット(預り金)500円は不要。正確には秋田市が負担。

・現時点ですでに対象年齢になっている人と、2022年10月までに対象年齢になる市民には、申込書を郵送。それを送り返せば、2022年9月下旬からシニアアキカが送付される。コールセンターを開設。
→市役所など窓口で引き換えをするかと思っていた。数が多いのと、新型コロナウイルス感染症で外出や接触を避ける意図か。
窓口が遠い市民もいるから、妥当かもしれないが、現在対象年齢でも証明書を持たない(=コインバスを使う気がない)人にも、最初の郵送がされるのは無駄かもしれない。証明書を持つ/持たない市民の比率が分からないけれど。
また、ICカードについて何も知らない高齢者も少なくないはず。対面での説明なしに送り付けて、各自でチャージして使えというのは難易度が高い場合もあるだろう。何らかのサポートが必要では。

・利用開始後に対象年齢に達する人には、誕生月の前月に「シニアアキカ引換証」が送付され、中央交通の秋田駅東口か長崎屋バスターミナルの窓口へ行く。
→一般AkiCAは中央交通が発行元なのに対し、シニアアキカは秋田市が発行すると聞いていたが、どうも違うらしい。リーフレット「実施方法が変わります」には「シニアアキカは秋田中央交通株式会社が発行する地域連携ICカードとなります。」とある。
窓口は秋田市中央部の2つだけなので、それ以外の地域の人は受け取るのが大変な人もいそう。


というわけで、まだ2か月以上あるから、我が家の対象者には、そのうち郵送されるのかと思っていたら、7月8日に届いた!

近年の郵便配達は時間がかかるようなったが、絶妙のタイミング。配達日指定でもしたのか。
一連の申し込み作業は「トッパン・フォームズ株式会社」へ委託したようで、今回の還付先、申込書返送先とも、東京多摩郵便局の私書箱。
封筒裏面

郵送物一式
封筒の中身は、ご案内と申込書を兼ねた紙と、PDFと同じリーフレット2枚、返信用封筒。
申込書には締切日が設けられていて、2022年10月31日必着とのこと。トッパンとの契約が切れるということだろうか。
となると、対象年齢ではあるが、今はコインバスを利用する気がない人が、この後何年かして(免許返納するなどして)利用する気になった場合、どうすればいいのか分からない。改めて市役所へ連絡して、申込書を送ってもらって、中央交通へ行くことになるのだろうが、説明がないのは不親切。

紙の証明書の現在では、ほとんどバスに乗らないが、いちおう証明書を取得したという高齢者もいる。
それがカードになると、1000円単位でのチャージが必須になるので、1度乗ったら、残り900円がいつまでも使い切れないということになりそうだし、プラスチックの無駄になりそう。
そうした人や、どうしても電子マネーになじめない人のため、紙証明書も存続させるということができたかもしれない。


以下、いろいろ気付いた点。
・3%の交通ポイント付与はなし。
以前から告知されていて、当然のこと。リーフレットに記載はないが、ホームページには記載されている。
ただし、個人情報を登録した「記名式」の地域連携ICカードであるからには、「記名式Suica(My Suica)」でもあるはず。
ということは、駅のコンビニNewDaysや秋田生鮮市場保戸野店での買い物で、シニアアキカで支払った場合には、そのSuica部分にJREポイント(旧・Suicaポイント)は付与されるはず。
AkiCAとして、秋田市としては関知しない分野であるのだろうが、初めてSuica系カードを持った人には、JREポイントの存在を知る術がない。(次項も参照)


「実施方法が変わります」リーフレット裏面より
・チャージは現金のみのお支払いとなります。
「現金のみ」とは言い切れない。前項の通り、Suicaの一種である以上、シニアアキカにも、次の2つのチャージ方法もあるはず。
1.JREポイントでのチャージ
前項の買い物で、シニアアキカ自体に貯まったポイントを、シニアアキカの電子マネーにチャージできる。
さらに秋田駅ビルアルス・トピコなどのJREポイントカードを持っていれば、シニアアキカと連携させて、シニアアキカへのチャージもできる。
2.ビューカードでのチャージ
JR東日本のクレジットカード「ビューカード」に限り、チャージできる。クレジットカード側に0.5%ポイントが貯まる。
ビューカードの1つである「大人の休日倶楽部ジパングカード」を所有する高齢者は少なくないだろう。
やはりJR東日本の領分で、秋田市は関知しないのかもしれないし、知らせるとややこしくなりそうではあるが。

・記名人以外が利用してはなりません。記名人以外が利用した場合は、不正使用として当社の定めるところにより処理します。(補足・「当社」は中央交通のこと)
・氏名の印字は、JR東日本のSuica取り扱い駅(略)にて可能です。氏名の印字をご希望のお客さまは、必要に応じてJR東日本の駅窓口(秋田駅等)にお申し出ください。
地域連携Suicaの共通事項として、バス会社等地域事業者側では、カード面に氏名を印字できないらしい。シニアアキカも、カードと個人情報が紐付けられてはいるが、記名はされない状態で届くようだ。
夫婦など同居する複数人がシニアアキカを持つ家庭も多いし、落として拾ったりなんだりで2枚のカードを取り違える可能性もある。意図せずに、他人のカードを使ってしまう可能性もあるだろうし、そうだとしても運転士やバス会社がそれを見抜くのはできるだろうか。
駅に行かないまでも、カードが届いたら各自、ペンで記名するか、裏のカード番号を控えておくのが無難かも。
それ以前に、大量発送時の手違いで、他人のカードが送られてしまうおそれだってないとは言えないだろうし、確認する術がないのでは。


・秋田市外への通し乗車
高齢者コインバス事業は、秋田市内のバス停間相互のみが対象。
秋田市の外まで運行するバス路線は、新国道経由五城目線と新国道経由追分線(天王グリーンランド行き)。※羽後交通(本荘線)は事業対象外。
紙証明書で、この2路線で秋田市内と秋田市外を乗り通す場合は、秋田市側分の100円に加えて、境界のバス停(大清水/追分三叉路)から市外側のバス停までの正規運賃を支払うことになっている。
リーフレットで、その点が説明されている。
「シニアアキカを使っておでかけしよう」リーフレットより
「秋田市内を越えて乗車する場合」として、2つの図が示される。上の図は、上記従来の方法と変わらない。
さらに下に別の図があり、100円が適用されず、通しの通常運賃を払っている。「※運賃が安い方が適用されます。」とある。
ちょっと説明が下手な気がする。
要は、乗車区間の「市内100円+市外分正規運賃」と「市内~市外通しの正規運賃」を比較して、安いほうということだろう。境界バス停で何もしなくても、乗降時に自動で比較・適用されるということなんでしょうかね。
例えば、中野三区~(追分三叉路)~追分小学校入口 を乗車する場合。前者では100円+170円=270円、後者は200円。
後者のほうが安くなるのは、秋田市内側で、境界間近のごく短区間(おそらく初乗り区間)乗った場合のみのはず。該当するケースは少ないだろう。また、その区間をいつも乗る人なら、高齢者でも一般用AkiCAも持ったほうが、ポイントが付いて得になろう。

・ピピッピンポン
チャージ~乗降のしかたは1面を使って説明。それでも、初めてでは理解できない人もいるかもしれない。
以前、一般用AkiCAの利用説明で、降車時の音についての説明が実態と合っていないと指摘した。
「「ピッ」と音がなります。」と表記されていたが、実際には「ピピッ」と「ピンポーン(※)」。それに「鳴り」と漢字表記するべき。※ピンポーンはAkiCAで交通ポイントが付与または使用された時の音らしい【2023年8月3日追記・というわけでもないかもしれない。謎】。
これは、秋田市以外の地域連携Suicaの説明書きでも同じ言い回しなので、JR東日本によるひな形が原因かと推測。説明は極力実態と一致させたほうが分かりやすいのではと、いちおう秋田市役所へ伝えた。

今回のリーフレットでは、
「ピピッピンポン」「鳴ったら」
指摘を受けてかどうかは分からないが、実態と違和感がほぼない表記になっている!
実際には「ピピッ」と「ピンポーン」の間に若干インターバルがあり、音の出どころが違うような気もするし、「ピンポン」ではなく「ピンポーン」としたほうが、より正確。
というか、交通ポイントがないシニアアキカでも「ピンポーン」が鳴るのか。高齢者コインバスとしての割引が適用されたという合図なんだろうか。


最後にリーフレットやホームページに記載がなく、秋田市の管轄外なのだろうが2点。
・マイナポイント
マイナンバーカード取得や、その健康保険証利用、公金受取口座登録で、最大2万円分の電子マネー等のポイントがもらえる「マイナポイント事業」。
現在は、2022年9月末までにマイナンバーカードを申し込んだ人が、2023年2月までポイント申請できる。【9月20日追記・その後、カード申込期限が2022年12月末までに延長された。】

シニアアキカはSuicaであり、JREポイントが貯まるはず。JREポイントもマイナポイント対象(JR東日本のキャンペーンで、さらに1000ポイントもらえる)。
9月までにマイナンバーカードだけ取得しておけば、シニアアキカ受け取り後5か月間申し込みできるはず。

高齢者の中には、マイナンバーカード自体がよく分からず、さらに電子マネー、マイナポイントなどちんぷんかんぷんで、蚊帳の外にされている人も多いだろう。
せっかくシニアアキカを手にするのだから、ポイントをもらわないのはもったいない。秋田市が、ポイント取得をサポートしてやればいいのでは(マイナンバーカード取得のサポートはすで実施している)。国は市町村へマイナンバーカード取得率を上げるよう、発破をかけているみたいだし。

・最期
高齢者向けである以上、当人が亡くなってカードが不要になる場合も多くなろう。秋田市がデポジットを負担してくれて、カードを借りている形なのだろうから、使う人がいなくなったら返すのが義理だと思う。カード内に故人の遺産になるであろう残高があることもある(MySuicaの規定により、それを他人が使うことはできないことになっている)。
本家Suicaでは、死亡を証明する書類と、払い戻しを受ける人の身分証明があれば、遺族が駅で払い戻しを受けられるようだ。
シニアアキカも(一般AkiCAでも)同様だと思われるが、窓口は中央交通か。そうした説明も必要だろう。


シニアアキカが混乱なく、スムーズに始まることを願う。

【15日追記・15日号「広報あきた」No.2013】17ページにシニアアキカの説明。ここでは降車時「“ピッ”と音が鳴り」の表記。

【15日追記・15日付 秋田魁新報「声の十字路(投書欄)」】秋田市雄和地区の64歳の人による「コインバス、硬貨使用も継続を」が掲載。
チャージについて、「私たちの住む雄和地域を走る「マイタウンバス」の車内ではできない。わが家から一番近い(補足・チャージができる場所である)コンビニまでは、車で20分もかかる。」「マイタウンバスに乗ろうにも、どこでチャージするのか。」として、従来の紙証明書も継続してほしいとの内容。
雄和に限らず、車内チャージできない秋田市マイ・タウンバスしか走らないエリアは存在するから、シニアアキカを使いたくても最初のチャージができないという人が存在し得るのだった。
対策としては、マイ・タウンバス車内でもチャージできるように改める、あるいは初回乗車(チャージに行くため)用に100円なり200円なりをあらかじめチャージした状態で、シニアアキカを送付するとかだろうか。
【9月17日追記・9月17日付 秋田魁新報「声の十字路」に、上記に対する秋田市福祉保健部 長寿福祉課長からの回答がようやく掲載】「利用資格の確認と、運賃の精算とを同時に行えるなど、利便性と業務効率の向上が図られる」として、検討の結果ICカードのみにしたと説明。
「マイタウンバスについては、(略)路線バスよりも小さい車両を使用しているため、車内にチャージ機を設置することはできません。」と、理解と乗車前のチャージの協力を求めている。

【10月10日追記・運用開始前後の状況】
見込み以上の申し込みがあったとかで、カードの発送が遅れ、申し込んだのに10月1日時点でカードが届かない人が多数。従来の証明書も使えるためか、大きな問題にはなっていないようだが、なんだか…
10月1日には記念式典が開かれ、市長、JR東日本秋田支社長、(春のAkiCA開始時には代理出席だった)中央交通社長がテープカット。それなのに使えない人が多いとは、なんだか…
10月9日付秋田魁新報に社説「シニアアキカ導入 高齢者に親身な対応を」が掲載。読者欄で指摘されたマイ・タウンバスの件などを挙げ「高齢者がスムーズに移行できるよう、市と事業者には手厚いサポートが求められる。」としている。その中で、「高齢者コインバス事業の対象者は約9万5千人。(注・申し込み者数ではないので、65歳以上の市民の人口ということになろう)」「9月末時点で発送が済んだのは1万人余りにとどまる。」とある。
また、9月30日付 同紙によれば、一般AkiCAの「発行枚数は9月25日時点で約7750枚。」なので、すでに一般向けよりもシニアアキカの枚数のほうが多くなっていることになる。

シニアアキカの続きはこちら

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5 コメント

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Unknown (Unknown)
2022-07-18 17:56:35
雄和の場合、川添地区以外はたしかにチャージが難しいかもしれませんね。

大正寺あたりだと、JA秋田なまはげライフサービスが気が利くようであれば、なんとかなる気がしないでもないですが、種平地区や戸米川地区はなかなかカバーするのがきつそうな気もします。

逆に、岩見三内については、太平方面のバスであれば、バスでチャージできるので、あまり問題がなさそう。
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郊外でのチャージ (taic02)
2022-07-16 00:03:50
マイタウンバスは、利用区間によっては、まったくチャージできなくなるおそれがあるでしょうね。
回数券委託販売のように、チャージポイントを増やすなど必要かもしれません。

来春のJRのSuica対応に向けて、券売機やチャージ機がどうなるかも、そろそろ気になってきます。
返信する
Unknown (Unknown)
2022-07-15 19:51:34
チャージができないバスも現状ではあり、近隣にチャージポイントがない地域だと使いづらいケースもあるかもしれません(シニアアキカに限定した話ではないと思いますが)。

チャージできる店を増やす努力も必要かと。

和田駅がSuicaエリアに入っているのは、この絡みもあるかもしれません。
であれば、下浜駅もエリア入りしてほしい。
返信する
Suicaとして (taic02)
2022-07-12 23:12:15
Suicaとしての使いかたが周知不足で、もったいないことになりそうです。
JR東日本が積極的にPRしてもいいと思いますが、各地のバス事業者等への遠慮があるのでしょうか。
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Unknown (Unknown)
2022-07-12 20:28:17
Suicaの仕組みを含めて、未だに提携先の内容が読めない気もします。

JREポイントとのからみやマイナポイントのからみなどもクリアにしてほしいところですね。
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