植物に「斑入り(ふいり)」と呼ばれるものがある。
葉っぱの一部分に葉緑体がなく、そこだけ違う色になる(普通は白っぽくなる=それが「斑」)性質。※花弁が斑入りになるものもありますが、ここでは省略します。
斑入りの植物は、葉っぱに濃淡ができて模様になるので、園芸植物では珍重されることが多い。
一般的には形質として遺伝するものを斑入りと呼ぶが、環境や病気が原因で斑入りになってしまう場合もある。
アサガオの斑入り葉
(再掲)ジンチョウゲの斑入り葉
遺伝する斑入りは、メンデルの法則に従って劣性遺伝するものと、葉緑体が独自に持つDNAにより母方からだけ遺伝(母性遺伝・母系遺伝)するものがある。
上のジンチョウゲは、斑が葉を縁取るように入っている。アジサイなどでも見るタイプで、たまにまったく葉緑体がない真っ白い葉ができることもある。
こういう斑の入り方は、母性遺伝だと聞いたことがあるが、真偽は不明。(実際には挿し木や取り木で殖やすから、確認しにくいし、どっちでも問題はない)
野生状態では、斑入り→葉緑体が少ない→光合成能力・効率が劣る→弱くて淘汰されるという流れになるのか、あまり見ないと思う。
ところが、秋田市内の公園で、こんな植物を見つけた。
斑入り?
植栽されたのではない、雑草の葉に斑が入っていた。
この植物はブドウ科の「ヤブガラシ」。
つるを伸ばして旺盛に繁茂し、藪を覆い尽くして枯らしてしまう「藪枯らし」が和名の由来。別名は「ビンボウカズラ(貧乏葛)」で、諸説あるようだがイメージは良くない植物。
ただ、見方によっては、きりりとしなやかで端正な姿。絵画の題材にされたりもする。
ヤブガラシは民家の庭や空き地などでも、わりと見かける。冬に地上が枯れたり、除草作業をしたりしても、地中に根が残ってしまうので、退治は難しい。
ヨウシュヤマゴボウと似たような性質のやっかいな雑草だが、こちらはツルで伸びるので、さらにやっかいかもしれない。我が家では、ケーブルテレビの引き込み線に巻き付かれてしまったことがあった。
そのヤブガラシの斑入りとは初めて見た。
ネットで調べると、たまに例はあるようだし、同じブドウ科のツタなどにも斑入りがある。
まあ、きれいと言えばきれいかも。雰囲気としては、庭木のアオキの斑入りに通ずるものがある。
斑のあるのとないの
公園では斑のあるのとないのが混ざっているが、まず株が違うのだろう。
だけど、1本の同じツル(株)の中でも、葉によって斑の入り方がまちまち。
右のツルの先端の葉ほど斑が少ない?
固定された形質ではなく、病気とか何かの突発的な原因だろうか。そのわりには元気に茂っているけど。
ほんのちょっとだけ斑入りの葉もあり、普通ならこんな差は出なさそうなような…
根が残って来シーズンも出てくるだろうけど、その時、斑が入っているか?→この記事後半にて
【2017年10月9日追記】こことは別の秋田市内の公園にも、斑入りのヤブガラシが生えていた。
葉っぱの一部分に葉緑体がなく、そこだけ違う色になる(普通は白っぽくなる=それが「斑」)性質。※花弁が斑入りになるものもありますが、ここでは省略します。
斑入りの植物は、葉っぱに濃淡ができて模様になるので、園芸植物では珍重されることが多い。
一般的には形質として遺伝するものを斑入りと呼ぶが、環境や病気が原因で斑入りになってしまう場合もある。
アサガオの斑入り葉
(再掲)ジンチョウゲの斑入り葉
遺伝する斑入りは、メンデルの法則に従って劣性遺伝するものと、葉緑体が独自に持つDNAにより母方からだけ遺伝(母性遺伝・母系遺伝)するものがある。
上のジンチョウゲは、斑が葉を縁取るように入っている。アジサイなどでも見るタイプで、たまにまったく葉緑体がない真っ白い葉ができることもある。
こういう斑の入り方は、母性遺伝だと聞いたことがあるが、真偽は不明。(実際には挿し木や取り木で殖やすから、確認しにくいし、どっちでも問題はない)
野生状態では、斑入り→葉緑体が少ない→光合成能力・効率が劣る→弱くて淘汰されるという流れになるのか、あまり見ないと思う。
ところが、秋田市内の公園で、こんな植物を見つけた。
斑入り?
植栽されたのではない、雑草の葉に斑が入っていた。
この植物はブドウ科の「ヤブガラシ」。
つるを伸ばして旺盛に繁茂し、藪を覆い尽くして枯らしてしまう「藪枯らし」が和名の由来。別名は「ビンボウカズラ(貧乏葛)」で、諸説あるようだがイメージは良くない植物。
ただ、見方によっては、きりりとしなやかで端正な姿。絵画の題材にされたりもする。
ヤブガラシは民家の庭や空き地などでも、わりと見かける。冬に地上が枯れたり、除草作業をしたりしても、地中に根が残ってしまうので、退治は難しい。
ヨウシュヤマゴボウと似たような性質のやっかいな雑草だが、こちらはツルで伸びるので、さらにやっかいかもしれない。我が家では、ケーブルテレビの引き込み線に巻き付かれてしまったことがあった。
なお、ヤブガラシは夏から初秋にかけて地味な花が咲く。この花はアシナガバチやスズメバチが好むらしく、花の周りを飛んでいることがあり、怖い。
さらに今まで知らなかったけれど、多くのヤブガラシは花が咲いても果実はできないのだそう。「3倍体」と言って染色体数が半端なため。
植物で3倍体は珍しくないけど、じゃあどうやって日本中にヤブガラシが広まったのだろう? 元から日本にあったみたいだけど…(ヒガンバナは3倍体で実ができず、人里近くにしか分布しないため、稲作とともに大陸から渡来して人為的に広まったと考えられている)
さらに今まで知らなかったけれど、多くのヤブガラシは花が咲いても果実はできないのだそう。「3倍体」と言って染色体数が半端なため。
植物で3倍体は珍しくないけど、じゃあどうやって日本中にヤブガラシが広まったのだろう? 元から日本にあったみたいだけど…(ヒガンバナは3倍体で実ができず、人里近くにしか分布しないため、稲作とともに大陸から渡来して人為的に広まったと考えられている)
そのヤブガラシの斑入りとは初めて見た。
ネットで調べると、たまに例はあるようだし、同じブドウ科のツタなどにも斑入りがある。
まあ、きれいと言えばきれいかも。雰囲気としては、庭木のアオキの斑入りに通ずるものがある。
斑のあるのとないの
公園では斑のあるのとないのが混ざっているが、まず株が違うのだろう。
だけど、1本の同じツル(株)の中でも、葉によって斑の入り方がまちまち。
右のツルの先端の葉ほど斑が少ない?
固定された形質ではなく、病気とか何かの突発的な原因だろうか。そのわりには元気に茂っているけど。
ほんのちょっとだけ斑入りの葉もあり、普通ならこんな差は出なさそうなような…
根が残って来シーズンも出てくるだろうけど、その時、斑が入っているか?→この記事後半にて
【2017年10月9日追記】こことは別の秋田市内の公園にも、斑入りのヤブガラシが生えていた。
ふいりの葉にヨウ素液を付けるとふだけ紫じゃないというあれ。
確かに、見た目がきれいだから高いと言っていました。
すっかり忘れていました。僕は教科書で見ただけでやらなかったのかもしれません。
専門用語っぽい「斑入り」は、義務教育でも言葉は出てくることになりますね。
大学の時、斑入りの遺伝を少々取り上げる科目があったのですが、別科目を選択したので習わず終い。今にしては心残りです。
ありがとうございました。
実験材料でしょうか。アオキやアジサイの斑入りは、探せばそれなりにあるかと思います。