NHK総合テレビの朝の「NHKニュース おはよう日本」。
平日の7時45分から8時00分はローカルパート。エリアによって若干の違いがあるようだが、東北地方6県では、7時45分から県別ニュースと東北共通のレポートを放送した後、7時55分から気象情報。
気象情報は、前半が仙台放送局のスタジオから気象予報士が出演する6県向け、後半が各放送局からの県別という構成。
その仙台からの気象情報では、最初に気象予報士があいさつして「まずは各地の外の様子をご覧いただきます。」となる。リモコンカメラ(お天気カメラ)の映像が流れる、いわゆる「天カメリレー」。
現在は、1日につき2か所が30秒ずつ放映される。2か所は別々の県(放送局管内)の光景で、今は県庁所在地(放送局の建物設置)以外の町や観光地にもカメラがあるので、そこの映像が流れることも多い。映像に合わせて、各放送局からのナレーションというかコメントも流れるが、それを読む人の顔も名前も表示されない。スタイルとしては30年前からほとんど変わらないのではないだろうか。
以前も書いたように、県域版「おはよう○○」の出演者は、多くの放送局において複数のアナウンサー(正職員もしくは正職員退職者)・キャスター(契約職員)が交代で担当していて、東北では秋田以外の各局がそうしているようだ。秋田放送局「おはよう秋田」は、1名の契約キャスターが専任で担当している。
さて、お盆中も通常通り放送されたこの番組。
職員の休暇や高校野球の出張などでイレギュラーな体制だったのかもしれないけれど、8月13日・木曜日にこんなことがあった。
仙台の気象予報士は夏休みでいつもと別の人だけど、いつも通り「まずは各地の外の様子をご覧いただきます。」。
(映像は別として音声は、)「青森県弘前市です。」と青森放送局に切り替わった。
このコーナーでは、2週に1回くらいはNHK弘前支局(建物としては弘前放送会館)のカメラからの弘前公園や岩木山の映像が流れる。今回も…と思ったら、画面は青森放送局の増子有人アナウンサー?!(かつて秋田局にもいた増子さんとは昨秋のこの時に続き、衝撃的な“再会”となった)
※「支局」と「放送局」は別の組織。天気カメラの場合、支局は単なる設置場所で、操作やコメントは青森放送局から行っているはず。
(再掲)NHK弘前放送会館。アンテナの上にカメラがあるはず
そう、何らかの手違いで、弘前のリモコンカメラの映像が流れず、青森放送局のニューススタジオの映像が流れてしまったのだ!
増子アナウンサーは、自分の姿が映るとはつゆも思わず、原稿がある下を向いて読み始めたが、すぐにアナウンサーの習性かちらりと視線をモニター画面があるであろう方向へ上げた。
映っているはずのない自分の姿を見て、「うわっ。ヤバイ」というような顔を一瞬浮かべ、以後は若干困惑した表情ながらも普段ニュースを読むように、時折カメラ目線で原稿を最後まで読んだ。(声はまったく通常だったのはさすが)
通常は画面右下に、オレンジ色の帯の上に地名が「青森 弘前」と表示されるのに、出なかった。(あれって仙台局から送出するのだろうか? デザインや位置は各県共通だけど)
当然、「増子有人」と名前なども出なかった。
見ている視聴者のほうが気の毒になるような30秒が終わり、次の仙台の映像は通常通り流れた。
NHK仙台ホームページには「天カメリレー」の記述あり。13日は「青森・仙台」だったが… ※出演者は夏休みの予報士や出演しないアナウンサーが掲載され、いい加減
手違いやミスが起きてしまうのは、しょうがないし、この程度のミスは大した問題ではない。
だけど、お詫びがなかったのはいかがなものか。(少なくとも秋田局経由で視聴する限りでは)
増子さんでも、次の仙台局のアナウンサーでも、その後の気象予報士でも、ひとこと「弘前の映像が流れませんでした。失礼いたしました」と言ってくれればいいのに。
弘前の映像が流れなくて困る視聴者はいないだろう。だけど、本来のあるべき放送とは違うもの、失敗作を届けてしまったことには変わりないのだから。NHKの「おごり」を感じてしまったのは僕だけでしょうか。
この一件のおかげで、普段、各局のアナウンサーがどんな風にしてコメントを読んでいるのかが垣間見られたのはおもしろかった。
例えば、別のスタジオに移動して読むのか、ニューススタジオから読むとすれば照明が暗くなったりするのか、これはさすがにないだろうけどスーツを脱いで茶でも飲みながらふんぞり返っていたりしないのか、等々妄想してしまうが、スタジオもアナウンサーも、ニュースの時とまったく同じだった。(少なくとも青森局の増子さんは)
同じスタジオで数分前まで県域ニュースを読み、数分後に県域気象情報を伝えるはざまのタイミングだから、当たり前といえば当たり前だけど。
最後に、このコーナーで読まれるコメントは、各アナウンサー・キャスターが各自考えるらしい。しかも、制約はあまりなさそう。
もっとも、多くのアナウンサー・キャスターは、「今朝の気温は何度」だの「今日は○○という催しが行われる」だの、当り障りのない内容。
だけど、2名のアナウンサーはちょっと違う。
盛岡放送局の上原康樹アナウンサー(公式ホームページではアナウンサー扱いだが、定年退職後再雇用されている「シニアスタッフ」だそう)と山形放送局の島田政男アナウンサーである。
上原アナウンサーは、詩的な表現を交えて朗読するように伝える。
島田アナウンサーは、冒頭は他の人と同じようなコメントながら、最後に自作の俳句を詠む。
盛岡局、山形局とも、他の人が出演することもあり(その時はもちろん普通のコメント)、上原、島田両アナウンサーは2回に1回(=週に1回)出るかどうかの割合。
運が良ければ(?)、上原→島田もしくはその逆と、同じ日に2人の名調子を聞くこともできるが、ここ最近では1度しか遭遇していない。※この後、9月15日・火曜日に盛岡→山形で実現。その次は10月2日・金曜日に盛岡→山形で実現したものの、爆弾低気圧接近中であったため、島田さんの俳句はなかった。以後、12月24日木曜日の盛岡→山形、2016年1月14日木曜日の盛岡→山形。1月20日水曜日も盛岡→山形で上原・島田コンビであったが、大雪の情報を伝えるため、島田さんの俳句はなし。次は3月22日火曜日盛岡→山形。3月30日水曜日盛岡→山形。
仮に今回の件に遭遇したのがこのお2人であれば、どんな対応をしただろう?
【2016年8月5日追記】2016年7月に、島田アナウンサーが仙台放送局へ異動。8月初めまでの段階では、昼のニュース(宮城県域向け)などを担当しており、朝の俳句を聞くことはできなくなった。上原アナウンサーは盛岡のままだが、担当する機会が減っている感じ。
※2019年春から、天カメリレーは縮小され、各局からの音声がなくなった。この記事中ほど。
※2019年8月の上原アナウンサーの転身。
平日の7時45分から8時00分はローカルパート。エリアによって若干の違いがあるようだが、東北地方6県では、7時45分から県別ニュースと東北共通のレポートを放送した後、7時55分から気象情報。
気象情報は、前半が仙台放送局のスタジオから気象予報士が出演する6県向け、後半が各放送局からの県別という構成。
その仙台からの気象情報では、最初に気象予報士があいさつして「まずは各地の外の様子をご覧いただきます。」となる。リモコンカメラ(お天気カメラ)の映像が流れる、いわゆる「天カメリレー」。
現在は、1日につき2か所が30秒ずつ放映される。2か所は別々の県(放送局管内)の光景で、今は県庁所在地(放送局の建物設置)以外の町や観光地にもカメラがあるので、そこの映像が流れることも多い。映像に合わせて、各放送局からのナレーションというかコメントも流れるが、それを読む人の顔も名前も表示されない。スタイルとしては30年前からほとんど変わらないのではないだろうか。
以前も書いたように、県域版「おはよう○○」の出演者は、多くの放送局において複数のアナウンサー(正職員もしくは正職員退職者)・キャスター(契約職員)が交代で担当していて、東北では秋田以外の各局がそうしているようだ。秋田放送局「おはよう秋田」は、1名の契約キャスターが専任で担当している。
さて、お盆中も通常通り放送されたこの番組。
職員の休暇や高校野球の出張などでイレギュラーな体制だったのかもしれないけれど、8月13日・木曜日にこんなことがあった。
仙台の気象予報士は夏休みでいつもと別の人だけど、いつも通り「まずは各地の外の様子をご覧いただきます。」。
(映像は別として音声は、)「青森県弘前市です。」と青森放送局に切り替わった。
このコーナーでは、2週に1回くらいはNHK弘前支局(建物としては弘前放送会館)のカメラからの弘前公園や岩木山の映像が流れる。今回も…と思ったら、画面は青森放送局の増子有人アナウンサー?!(かつて秋田局にもいた増子さんとは昨秋のこの時に続き、衝撃的な“再会”となった)
※「支局」と「放送局」は別の組織。天気カメラの場合、支局は単なる設置場所で、操作やコメントは青森放送局から行っているはず。

そう、何らかの手違いで、弘前のリモコンカメラの映像が流れず、青森放送局のニューススタジオの映像が流れてしまったのだ!
増子アナウンサーは、自分の姿が映るとはつゆも思わず、原稿がある下を向いて読み始めたが、すぐにアナウンサーの習性かちらりと視線をモニター画面があるであろう方向へ上げた。
映っているはずのない自分の姿を見て、「うわっ。ヤバイ」というような顔を一瞬浮かべ、以後は若干困惑した表情ながらも普段ニュースを読むように、時折カメラ目線で原稿を最後まで読んだ。(声はまったく通常だったのはさすが)
通常は画面右下に、オレンジ色の帯の上に地名が「青森 弘前」と表示されるのに、出なかった。(あれって仙台局から送出するのだろうか? デザインや位置は各県共通だけど)
当然、「増子有人」と名前なども出なかった。
見ている視聴者のほうが気の毒になるような30秒が終わり、次の仙台の映像は通常通り流れた。

手違いやミスが起きてしまうのは、しょうがないし、この程度のミスは大した問題ではない。
だけど、お詫びがなかったのはいかがなものか。(少なくとも秋田局経由で視聴する限りでは)
増子さんでも、次の仙台局のアナウンサーでも、その後の気象予報士でも、ひとこと「弘前の映像が流れませんでした。失礼いたしました」と言ってくれればいいのに。
弘前の映像が流れなくて困る視聴者はいないだろう。だけど、本来のあるべき放送とは違うもの、失敗作を届けてしまったことには変わりないのだから。NHKの「おごり」を感じてしまったのは僕だけでしょうか。
この一件のおかげで、普段、各局のアナウンサーがどんな風にしてコメントを読んでいるのかが垣間見られたのはおもしろかった。
例えば、別のスタジオに移動して読むのか、ニューススタジオから読むとすれば照明が暗くなったりするのか、これはさすがにないだろうけどスーツを脱いで茶でも飲みながらふんぞり返っていたりしないのか、等々妄想してしまうが、スタジオもアナウンサーも、ニュースの時とまったく同じだった。(少なくとも青森局の増子さんは)
同じスタジオで数分前まで県域ニュースを読み、数分後に県域気象情報を伝えるはざまのタイミングだから、当たり前といえば当たり前だけど。
最後に、このコーナーで読まれるコメントは、各アナウンサー・キャスターが各自考えるらしい。しかも、制約はあまりなさそう。
もっとも、多くのアナウンサー・キャスターは、「今朝の気温は何度」だの「今日は○○という催しが行われる」だの、当り障りのない内容。
だけど、2名のアナウンサーはちょっと違う。
盛岡放送局の上原康樹アナウンサー(公式ホームページではアナウンサー扱いだが、定年退職後再雇用されている「シニアスタッフ」だそう)と山形放送局の島田政男アナウンサーである。
上原アナウンサーは、詩的な表現を交えて朗読するように伝える。
島田アナウンサーは、冒頭は他の人と同じようなコメントながら、最後に自作の俳句を詠む。
盛岡局、山形局とも、他の人が出演することもあり(その時はもちろん普通のコメント)、上原、島田両アナウンサーは2回に1回(=週に1回)出るかどうかの割合。
運が良ければ(?)、上原→島田もしくはその逆と、同じ日に2人の名調子を聞くこともできるが、ここ最近では1度しか遭遇していない。※この後、9月15日・火曜日に盛岡→山形で実現。その次は10月2日・金曜日に盛岡→山形で実現したものの、爆弾低気圧接近中であったため、島田さんの俳句はなかった。以後、12月24日木曜日の盛岡→山形、2016年1月14日木曜日の盛岡→山形。1月20日水曜日も盛岡→山形で上原・島田コンビであったが、大雪の情報を伝えるため、島田さんの俳句はなし。次は3月22日火曜日盛岡→山形。3月30日水曜日盛岡→山形。
仮に今回の件に遭遇したのがこのお2人であれば、どんな対応をしただろう?
【2016年8月5日追記】2016年7月に、島田アナウンサーが仙台放送局へ異動。8月初めまでの段階では、昼のニュース(宮城県域向け)などを担当しており、朝の俳句を聞くことはできなくなった。上原アナウンサーは盛岡のままだが、担当する機会が減っている感じ。
※2019年春から、天カメリレーは縮小され、各局からの音声がなくなった。この記事中ほど。
※2019年8月の上原アナウンサーの転身。