広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

青森進出/赤飯分布 他

2014-05-18 21:11:31 | 秋田のいろいろ
青森と秋田の話題いろいろ。まず青森から。
●40年前の弘前
陸奥新報に「日曜随想」という、県内の大学の研究者などが執筆したエッセイがある(http://www.mutusinpou.co.jp/index.php?cat=37)。いろんな人が書いて、各自の研究分野以外の話題も多い。
今日は弘前大学医学研究科長の中路重之氏。1951年長崎県諫早市生まれで、大学生以降41年間、ずっと弘前大学にいるようだ。
今日のタイトルは「「私的弘前40年史」ヨーカドーとかくは宮川」。(以下、太字部分が日曜随想からの引用)

昔の弘前の様子が描写されていて興味深かった。
1973年4月に初めて弘前に来た時(受験は弘前でない所だったのか?)、一緒に来た母を見送ったのが「今のヨーカドーの場所にあった木造のバスターミナルである。」。

正確には、今もイトーヨーカドー弘前店の中にバスターミナルが同居しているから、「先代のバスターミナル」ということになるが、木造だったのか。
写真などは見たことがないが、どんな趣きだったのだろう。

ところで、長崎からの行きは「丸1日以上電車に揺られて」来たようだが、帰りのお母さんはバスでどこへ行ったのだろう? 青森空港かな?【2024年8月21日追記・ご本人よりコメントをいただいた。「その日から開業になった十和田湖行のバスに乗った」とのこと。】
弘前-盛岡の高速バス「ヨーデル号」は1985年の運行開始だし、そもそも当時は東北自動車は青森まで到達(開通)していなかったし、県外への路線バス自体、なかったはずだから。

その後、バスターミナルの場所に弘南バスが「弘南ビル」を建設し、中に「弘南ビルバスターミナル」が開業。ビルにはイトーヨーカドー弘前店が1976年10月1日にオープン。
(後にビルはイトーヨーカドーに売却され、「弘前バスターミナル」となった)


中路先生は開店直後にヨーカドーに行き、「女子店員の垢(あか)抜けた東京スマイルには驚いた。」「“中三”、“カネ長武田”の両デパートも健在であったが、イトーヨーカドーの東京スマイルには「いずれしてやられるな」と直感していた」そうだ。
※「中三」は改築・経営破綻を経て今も土手町で営業(だから書き方としてはまずいのでは?)。土手町のしたどてスカイパークの位置にあった「カネ長武田」は、1993年10月1日に「弘前ビブレ」として郊外へ移転。現・さくら野弘前店。

ここを読んで思い出した。僕が子どもの頃の昭和50年代辺りまでは、秋田でも、青森でも、他の地方都市でもそうだったかもしれないが、イトーヨーカドー、ジャスコ、ダイエーなど駅前や市街地にある「総合スーパー」のことを「デパート」として認識する人が(おそらく大人でも)少なくなかったと思う。
秋田や青森では、中三、松木屋、木内、本金といった本当の「デパート(百貨店)」もあったわけだが、「なんでも1か所で揃う」ということでは同じ分類だったということだろうか。また、当時は郊外型ショッピングセンター(モール)はまだなかった。

弘前ではその後、もう1つの百貨店「かくは宮川」が「ハイローザ」を経て閉店、ダイエーの進出と撤退などがあったが、何やかんや言って、イトーヨーカドー弘前店が今なお営業を続けているのは、すごいことだ。


東奥義塾高校も聖愛高校も街中にあった。
両私立学校の郊外移転は、東奥義塾は1986年だが、聖愛中学高校は1974年だから、ヨーカドー開店よりは先だし、先生が来て1年後。


そのころの弘前の市街地はまだこぢんまりしていた。級友が城東にアパートを借りたが、「何が悲しうて、あんな田舎に」とからかって大笑いした。しかし、今ではそれも昔の話。城東の変化はまったく驚くべきである。
「昔の弘前は懐かしい」。
この部分、「弘前」を「秋田(市)」に、「城東」を「駅東(広面~桜辺り)」に置き換えても、当てはまる。古くからの市街地と、「駅裏」である幹線道路沿いに発展した新しい街の関係。

現時点において、秋田市と比べれば、弘前市はまだコンパクトにまとまっていて、市街地もまだ元気なようには思えるが、ずっと見ている人にしてみればやっぱり寂しくなっているのだ。


●ついに進出
今日の朝日新聞3面に、「セブン-イレブン空白県ゼロ筋道/沖縄で市場調査に着手」という記事があった。
記事は、地理的要因から制約が多かった沖縄でも、セブン-イレブンが進出する用意があることをメインに伝えているが、
「現時点で店がない4県のうち、高知、青森、鳥取への数年以内の進出も決めた」
そうで、沖縄にもできれば、セブン-イレブンの全国制覇が達成される。

ということで、ついに青森にもセブンイレブンができることになりそう。
高知と青森には2015年に、鳥取は遅くとも2019年春(JR西日本のキヨスクの転換もあり)までに出店するとのこと。

実は5月2日に社長が明らかにしていたようで、時事通信は既に伝えていた。「弁当や総菜を生産する提携先の専用工場が15年春に岩手県北上市で稼働するため、供給体制が整う。」ためとしている。

※その後、青森進出が確定した


以下、秋田の話題。
●秋田のコンビニ
秋田では、パチンコ屋の敷地内に出店するなどセブン-イレブンが増殖中。
5月15日の秋田魁新報社会面に、今年2月末時点の秋田県内のチェーン別店舗数が出ていた。
ローソン179店、サークルK・サンクス97店、ファミリーマート73店、セブン-イレブン38店、デイリーヤマザキ34店。

なお、セブン-イレブンは今日現在、店舗検索によれば秋田県内に40店、うち秋田市に21店。秋田市以外では、内陸南部に集中しているが、1店だけ本荘に「由利本荘荒町店」があった。3月5日にオープンしたようだ。
今後は由利方面も増えていくのだろう。

【2016年6月4日追記】
2016年5月10日付秋田魁新報経済面より、2016年2月末現在の店舗数。
ローソン184店、サークルK・サンクス99店、ファミリーマート78店、セブン-イレブン75店、デイリーヤマザキ24店。
前年(2015年)比ではトータルで9店増で2012年から5年連続の増加。チェーン別では、ローソンは増減なし、サークルKサンクスは+1、ファミマは-1、セブンは+15、デイリーは-6。デイリーヤマザキは10年前は73店舗もあったとのこと。


一方、減っていくコンビニも。
秋田市山王新町、山王大通りに面した県立体育館の向かい、バス停の所に、「サンクス県立体育館前店」があった。
2012年11月撮影Googleストリートビューより
これがいつの間にか閉店してしまっていた。5月2日に気付いた時には、既に店内は空になっていた。
立地は悪くなさそうだったけれど。【19日追記】いただいたコメントによれば、この店が秋田初出店のサンクスだったとのこと。

なお、先に閉店していた、泉(保戸野桜町)の天徳寺地下道そばのサンクス秋田金ノ町店跡は、高齢者向けの健康関係のお店になったとか。
ビルの中にあって移転に伴って閉店したローソン秋田竿燈大通店跡は、空いたまま。

【7月21日追記】
この後、7月中旬に、千秋矢留町のマンション1階にあった「サンクス秋田矢留町店」が閉店。ここは酒屋さんの名前が併記された店だったはず。(【2015年1月1日追記】サンクス秋田矢留町店は、2001年オープン、2014年7月1日朝9時閉店という話もある。)
ビル内の店ながら前に駐車場があり、真向かいがアパホテル(旧・ホテルはくと)なので宿泊客の利用があり、複数の高校の通学路沿いでもあり、立地は悪くなかったはず。川の向かいのセブン-イレブン通町店の影響か、単にサンクスの縮小傾向の一環か。
撤退後はとりあえず空きフロアになっている。
また同じ頃、ローソン秋田竿燈大通店跡は何かの工事が行われている。

【2014年11月8日追記】サンクス県立体育館前店の跡は、建物を改装してマッサージ店「りらく 秋田山王店」が11月7日にオープンした。
【2015年6月22日追記】サンクス秋田矢留町店跡はずっと空きフロアのままだったが、2015年6月に内装工事が行われている。中には衣類用大型乾燥機が並んでいるのが見えるので、コインランドリーになると思われる。

●赤飯分布
以前、青森県などでは「赤飯が甘い」ことを記事にした。
17日の秋田朝日放送「サタナビっ!」で、秋田におけるこのことを取り上げていた。サタナビは、こういう県内の文化的な風習をたまに取り上げてくれるのがいい。お店紹介ばかりがローカル情報番組ではない。


秋田大学の佐々木信子准教授(教育文化学部家庭科教育分野)が調査しているそうで、市郡単位で「高甘味地域」「低甘味地域」「混在地域」に分けた分布が地図で示された。

うろ覚えだけどそれによれば、低甘味は秋田河辺と男鹿南秋だけ。
高甘味は、鹿角、大曲仙北、横手平鹿、湯沢雄勝、由利本荘。
両者が混在するのが、能代山本と大館北秋。
上記は1996年の調査で、2010年には大館北秋が「高甘味」に鞍替えしていたという。


内陸南部で甘いものが食べられるのはわりと知られていて、納豆に砂糖を入れたり、茶碗蒸しが甘かったりはするから、赤飯が甘くてもおかしくはない。
番組では、「県南部では昔、麹屋が多くあり甘いものがぜいたく品として作られていたようで、その名残で砂糖を使った甘いお赤飯を好む方が多い」としていた。(ホームページより)
そういえば、由利本荘市大内の道の駅の産直でも、甘そうな赤飯が売られていた(食べてないので未確認)し、本荘ではそばつゆも甘い。
でも、鹿角とか北の方でも赤飯が甘いとは知らなかった。青森と隣接している関係だろうか。

青森では、ローソンがわざわざ甘く変えた赤飯を売ったり、1つの店で甘いのと普通のと両方売ったりしていたが、秋田ではそこまではやっていないと思う。(あるいはタカヤナギ辺りは地域で分けているのだろうか?)
地域の食文化を大事にして、もっと売り出してもいいかもしれない。
コメント (19)
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