広く浅く

秋田市を中心に青森県津軽・動植物・旅行記などをご紹介します。

弘前の道標

2010-11-04 20:10:00 | 津軽のいろいろ
引き続き、弘前の話題です。
今回は、歩道上の道しるべ・道標(正式名称はなんて言うんだろう?)について。
今まで、秋田県の秋田市由利本荘市本荘地区における、“表記の揺れ”などを紹介してきた。

しかし、観光都市である弘前市では、この手の表示は見たことがなかったと記憶していた。
ところが、今回、
発見!
新設されたようだ。秋田や本荘のよりやや背が高いかもしれない。
柱の部分は秋田や本荘では「大町二丁目三(日銀前交差点)」などと、その所在地(秋田市は交差点名も)を表示していたが、弘前では「宝塚ビル前」などと周辺施設の名称を表示していた。
秋田や本荘のものは、1つの方向につき、最大3つまでの表示板を設置できたが、弘前のものは構造上、1枚しか設置できないのではないだろうか。

僕が確認できた限りでは、弘前駅から弘前公園へ徒歩で向かう際の最短経路である中央通り(弘前郵便局・ホテルニューキャッスル前を通る県道31号線)の要所や弘前公園周辺の市有施設前(市役所・文化センター)に設置されていた。
一方、やや遠回りになるが、商店街である土手町周辺では見かけなかった。これから増設されるのかもしれないが、弘前市中心部は城下町特有の迷いやすい道の配置なので、もっと表示があってもいいと思う。
弘前市役所前
この表示が示している場所は、観光施設のみ。
観光客のためだけに設置したということになるが、徒歩圏内にある文化センター、市役所、大学病院くらいは表示があってもいいのではないだろうか。
また、弘前駅前では単に「弘前公園」だが、公園周辺では「弘前公園(追手門)」となっていた。逆に弘前駅のそばでは「弘前駅」ではなく「弘前駅観光案内所」となっているように、距離に応じて表示内容を変えていた。
最勝院五重塔まで0.7km
日本語、英語のほか、ハングルと漢字2種類(おそらく中国の「簡体」と台湾・香港の「繁体」)の計5言語。
目的地までの距離はkm単位(小数第一位まで)の表示だが、市役所前に設置された「弘前市立観光館」へは矢印のみで、距離表示はなし。道路を渡ってすぐだから省略したのだろう。(ただし同地点の追手門は「0.1km」となっている)

由利本荘市のような、歩いて行かれないほど長距離の表示は見かけなかったが、上の写真を見て、距離に疑問を感じた。
上の写真は弘前市役所前に立っていたもので、最勝院五重塔まで0.7kmと言っている。
でも、僕の感覚では、もう少しありそうなので、ネットの地図サイトで測ってみると、両地点の直線距離だけでも700メートル強ある。最短コースを歩いても、900メートル以上はあると思われる。
測定ミスか、僕の知らない秘密の近道でもあるのだろうか???


柱の根元に銘板があり、「2010年3月 株式会社中村製作所」とあった。
調べると、同社は千葉県にある、公園施設や遊具のメーカーだった。ベンチ・東屋・ウッドデッキなどを造っているようだが、道標のような街路設置向け製品はサイトには出ていない。
さらにサイトを見ると、同社には「中村弘前株式会社」というグループ企業があった。弘前市清野袋地区に本社があり、グループ内の製造拠点であるとともに、北東北地域の販売拠点であるようだ。(秋田市大町にも営業所がある)
弘前産の製品が弘前市内に設置され、道案内をしていることになるのだろう。


改めて弘前市内を見ると、ほかにもいくつかの道案内があった。
イトーヨーカドーとジョッパルの間の「並木通り」の交差点
歩道に“角松の竹”状の石の車止めがあり、その上部にタイルが付いていた。
リンゴや弘前城の絵が描かれたタイルもあったけど、
タイルの一部には、現在地(通りの名前)表示や道標の役目をするものもあった。
弘前バスターミナルはこっち
車止めの存在は記憶にあったが、道案内は前からあったっけ? ちょっと気づきにくい。
墓石形(?)の道案内もあった
これらは、見た分だけでは、「◯◯通り」の英訳は、すべて「◯◯-Dori Ave.」で統一されていた。
ただ、やはり、それぞれの表示間の「表記揺れ」は見られた。
「弘前バスターミナル」は「Hirosaki Bus Terminal」と「Hirosaki Bus Terminal Sta.」があった。最後に「Sta.」を付ける必要あるのか?



前から知っていたけど、車道上に大きな案内も設置されている。

道路管理者が設置する案内標識は青地だが、これは緑地(高速道路みたいだ)だし、「りんご色のまちHIROSAKI」とあるので、道路管理者に関係なく、弘前市が設置したようだ。
大学や病院など観光施設以外の公共施設も案内されている。(白神山地35kmは別として)比較的近距離の施設が多いので、車道上にありながら、歩行者向けでもあるのかもしれない。
一部には、歩道上にも
歩道のは車道のよりは小型だが、威圧感があって歩行者向けにしては大きすぎる気がする。

上の2つは、同じデザインの看板でも設置時期が違うらしく、「国立弘前病院 National Hirosaki Hospital」と独立行政法人化(2004年)後の「国立病院機構 弘前病院 Hirosaki National Hospital」のものがあった。
英語の単語の順番が新旧で逆になっているが、同機構の公式サイトによれば、新しい方の「Hirosaki National Hospital」が、公式な英語表記のようだ。

道路管理者設置の案内標識(下土手町の県道。右下がめくれているのはねぷたがぶつかったのか?)
「県道3号線」だから、六角形の中は「3」だけど、なぜか「1」のようなものがくっついていて「13」に見える。
絵入りで、岩木山のリンゴや弘前城の桜がかわいい。

さて、弘前市内の「最勝院」には、日本最北の五重塔(1667年築。重要文化財)がある。
各案内における「最勝院五重塔」の英訳は、上の県道の標識では「Saishoin Temple Five Storied Pagoda」、最初に紹介した新しい道標では「Five- Storied Pagoda Saishoin Temple(実際はすべて大文字)」。
「最勝院」と「五重塔」の順番が逆になっている。英語式だと、「五重塔@最勝院」だろうから、道標の方がいいのかな?(ofとかatとか必要な気もするけど)
それにしても、「五重塔」は英語で「five-storied pagoda」というのか。つまり「5階建ての仏塔」ね。なるほど。


観光客はあまり見ないと思うが、弘前駅の裏側「城東口」に案内地図がある。2004年の新駅舎完成時に設置されたのだろう。
だけどこの地図、建物の名称が変わっても、ぜんぜん手直しされていない。
「ダイエー(ジョッパル)」
現在はダイエーは撤退、ジョッパルは閉鎖。
城東口のそばの「マックスバリュー」
そもそも「マックスバリュ」の間違いだし、この店は今は閉店。【2018年11月13日補足】この店は、亀屋→K・バリュー→マックスバリュ→マックスバリュ・ツルハドラッグ→スーパースポーツゼビオと変遷し、2008年に佐藤長になっている。
ほかにも「シティ弘前ホテル」とあったが、今は「ベストウェスタンホテルニューシティ弘前」になっている。
これらの中でいちばん昔のことだと思われる、ダイエー撤退が2005年秋の閉店だから、5年間放置されていることになる。


弘前や秋田に限らず、1つの町に複数種の案内があり、その設置・維持を行う所が別々な場合が多いようだ。また、地元の人は気にならなくても、旅行者にとっては迷わせてしまう設置や表記もあるだろう。
分かりやすい地図を作って配るとか、そばにいる市民が教えてあげるといった方法もあるけれど、設置したからには、役に立つものであってほしい。

まだ続きます
※駅の案内地図は、翌年春に更新されました
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする