田神六兎の明るい日記帳

田神六兎の過去、現在、そして起こるであろう出来事を楽しく明るくお伝えします。

カシワの引きずり

2015年12月16日 | 日記
 年の瀬になると思い出すことがあります。昔、大晦日の夕御飯を「年越し」といい、日頃は食べないご馳走をいただきました。今は限界集落の私の故郷のメインストリートは、国鉄駅から続く線路沿いの道路でした。ここが街の中心で、更に奥まった山あいに、多くのがありました。
 
 年の瀬になると、朝早くから買い物客が、山奥のからも遠い道を行き来しました。店の主人は依頼され、取り置きした品物を新聞紙で包み、買い物客に渡します。さらに買い物をするにも、財布の中と相談したのだと思いますが、決して豊かではありません。買い物の多くは年越しの食材だったと思います。
 
 同級生の、決して豊かではない彼の家のご馳走は、塩漬けのサンマだったことを聞きました。年越しのサンマは、尾を目に通したドーナッツ型だったそうです。彼と妹に一匹だったそうです。半分にするとワッパじゃなくなるからだったそうです。残った骨を火鉢で焼いて食べ、「美味しい、美味しい」と言う妹に多くあげたそうです。「もっと食べたかった」と絵日記に書いたことを、満面の笑みで、楽しそうに話してくれました。
 
 今朝の新聞記事に、1960年代(昭和35年)の鶏肉は高級食材であったことが書かれていました。当時、どの家にも鶏は飼われていましたので、私の家の年越しのご馳走が『カシワの引きずり(鶏肉のすき焼き)』であることが不満の私でした。この歳になって、とても恥ずかしい思いをしたのでした。
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