この時期はアヤマの季節。いろいろな種が花を見せますが、山の中に咲いているのはこのヒメシャガくらいですね。純粋な在来種で登山道の脇などの比較的明るい適湿地に見られます。うつむいて歩くことが多い坂道ですから、そんな目線にストレートに飛び込んできて癒してくれる可愛い花ですね。
シャガという花があります。里山の日陰でかなり湿り気のある場所にはいたるところで見られます。でもこれは中国からの移入種で、それも全て染色体が3倍体という状態で結実することは無いのです。繁殖は唯一地下茎で、それでいて驚くほどの繁殖を見せます。低山の奥深くに観察に出かけて、シャガがあればそこは放棄された家の跡と考えていいのです。少なくとも農地があった証拠ですね。それはそうと、このヒメシャガは花は確かにシャガに似ますが色は濃く姿が上品ですね。もちろん結実します。