木村忠啓の大江戸百花繚乱

スポーツ時代小説を中心に書いている木村忠啓のブログです。

由美かおるの入浴シーンって?

2007年11月09日 | 江戸の風俗
TVドラマ「水戸黄門」では、由美かおるの入浴シーンが人気と聞く。なぜだか、ゆったりとひとりで入っていることが多いのだが、水道もガスもなかった江戸時代、風呂を焚くというのは、大変なことであった。十辺舎一九の「東海道五三次」では、風呂桶の底から直接火をかける五右衛門風呂への入り方が分からなくて、右往左往する場面があるが、実際は湧いた湯を風呂桶に移すことが多かったようである。その風呂桶というのは、一人はいれば一杯になってしまうほどのもので、今の感覚からすると驚くほど小さいものである。二川本陣資料館の展示によると、本陣の湯殿は湧いた湯を入れる方式であったが、一般客が泊まる旅籠「清明屋」の湯殿は直接焚く方式であったとある。
どちらにせよ、湯量の心配のない温泉場でない限り、由美かおるのような入浴シーンが見られるゆったりとした風呂はなかったのが一般的である。
しかし、由美かおるの入浴シーンに時代考証は、余計なことかも知れない。
ちなみに、二川本陣資料館では、旅籠の一般的な夕食の献立が模型で展示されている。
写真を見れば分かるように、焼き魚、野菜煮、沢庵、みそ汁と、あまり白くないご飯といったごくシンプルなものである。当時の旅籠の夕食は、一汁二菜か、一汁三菜が多く、食事は銘々膳に乗せて持ってくる。この頃は、一般家庭でも出先でも、ちゃぶ台のように乗せて食事を摂る習慣ははなかったのである。今見ると、安い定食屋のメニューのようであるが、江戸時代においては、これでもご馳走であったのだろう。

実際は、風呂はこのような小さなものだった。


手前左にあるのがご飯。地方の多くは、江戸のような白い搗き米ではなかった。
二川本陣資料館HP


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