他国への抗議は、外務省幹部が相手国の在京大使館のカウンターパートに対して行うことが多い。在外の日本大使、公使が相手国外務省のカウンターパートに行うケースもある。

平成28年8月には当時の岸田文雄外相が、尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺での中国海警船の領海侵入を受け、中国の程永華駐日大使(当時)を外務省に呼び出し強く抗議。大使のカウンターパートは外務事務次官で、外相による大使の招致は異例だった。今年4月、韓国の野党議員ら17人が竹島に上陸した際は鯰博行アジア大洋州局長が在日韓国大使館の金壯炫次席公使に電話で強く抗議した。

抗議の形式や内容は事案を総合的に勘案した結果だが、31日に呉氏の発言に対する抗議文をまとめる予定の超党派「日華議員懇談会」(古屋圭司会長)からは、課長レベルでは不十分だとして「政府は腰が引けているのではないか」との声も出ている。