自民党の検討チームは平成29年3月、能力保有の検討を求める政府への提言をまとめた。首相は18日の記者会見で、党の提言を「受け止めていかなければならない」と強調。国家安全保障会議(NSC)で議論の対象とするとみられる。

 既存の弾道ミサイル防衛網は、海上自衛隊イージス艦の迎撃ミサイルSM3と、航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオット(PAC3)で迎撃する2段構え。

 防衛省はイージス艦を地上配備型迎撃システム「イージス・アショア」に置き換える計画だったが、事実上撤回した。ただ、配備が実現しても敵ミサイルをすべて確実に撃ち落とすのは技術的に難しい。

 北朝鮮は昨年以降、17回の弾道ミサイル発射を繰り返しながら、10分以上だった連続発射間隔を約20秒に短縮した。相手の迎撃能力を超える数を同時に撃ち込む「飽和攻撃」を狙っている可能性がある。また、従来型より低く複雑な軌道を描くため迎撃が難しい新型の発射にも成功した。

 政府は敵基地攻撃能力について「他に手段がなければ自衛の範囲で、憲法上認められるが、政策上保有しない」と解釈している。首相もこれを引き継いできたが、記者会見では「日本に撃ち込むのはやめた方がいいと(敵に)考えさせるのが抑止力」と語った。政府幹部は「撃てば自分がたたかれると思わせる能力の保有を念頭にした発言だろう」とみる。イージス・アショア計画停止を受け、自民党内でも保有論が再燃している。

 防衛省は戦闘機に搭載し、艦艇などを攻撃する射程500〜900キロの長距離巡航ミサイルの導入を決めている。国産も開発中で、「敵基地攻撃に転用することは十分可能」(防衛相経験者)という。

 とはいえ、どのように敵の発射基地を特定し、ミサイル防衛網を突破するかなど技術的な課題も多い。また、公明党が保有に反対し、連立政権離脱を主張するのではとの懸念も政府・与党内にはある。(田中一世)

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イージスアショアを巡る報道に疑問があります。

まずは軍事に関する事は敵対する国がある限り、表の情報と裏の情報があるでしょう。

正直に事実を公表することは、こちらの手の内を晒す事になるからです。

これは素人考えと言われれば仕方ありませんが。

 

先日のイージスアショアの配備計画の停止の発表ですが、

切り離したブースターが計画通り自衛隊演習地に落下させられない事が判明した。

つまり民間地に落下する可能性がある。との事でした。

そこで異論が出たのがブースターの落下と核兵器の着弾と天秤にかけるのか、

との意見でした。

勿論ブースターの直撃を受ければ大きな被害が予想されます。

しかしミサイル被害はそれと比較にならないほど甚大なものになります。

現に欧州ではイージスアショアを配備している国もあります。

(ルーマニア、ポーランド)

 

では日本はどうでしょう。

自国存続の為なら何でもする北朝鮮という危険な国があります。

昨年は低空飛行で経路が予測できない新型のミサイルを発射しています。

つまりイージスアショアでは撃ち落とせないのです。

そうなれば宝の持ち腐れです。

用立たずの施設に莫大な費用をかけられないという事です。

 

この事を関西テレビの「報道ランナー」で神崎博解説委員が

「陸上イージスの配備 突然の中止 背景は?」とのタイトルで

表の事情と裏の事情がある、みたいな話をしていました。

その時の画像はこちら 

 

これを聞いて、そうだったんか、と思ったんですが、自民党内からも批判の声が上がっていました。

佐藤正久氏や小野寺五典氏を始め多くの議員が批判していたように思います。

そんな中、青山繁晴氏は次のようにブログで語っていましたが。

▼北朝鮮も中国も他国を侵略攻撃するためのミサイルについて、かつての常識が通用しない、能力の拡張を図っています。
 これに固定的な防御で対抗しようとしても、費用と時間をかけて遅れをとり、しかも実際にはすでに有効でなくなった防御に空想的に依存するという事態も起きます。
 イージスアショアはその典型になりかねません。

http://shiaoyama.com/essay/detail.php?id=1879

 

そして18日の安倍総理の記者会見です。

その中で「敵基地攻撃」について言及されています。

専守防衛が基本の日本ですが、「守勢的専守防衛」から「攻勢的専守防衛」への変更だとか。

 

憲法解釈では敵基地攻撃は許容範囲になるのかどうなのか。

それはともあれ、目的は日本を守る事。

北朝鮮や中国からの攻撃から日本の国土、国民を守るためにはどうすればいいのかです。

もしもこれが憲法違反になるならば、改正すべきですし、

解釈変更で事が済めばそれでいいです。

とにかく、北朝鮮のように暴発国家、約束の概念がない国がすぐそこに存在するのです。

そしてその国は自国存続の為には何でもする国なのです。

その現実にもっと警戒し、考える必要があります。

 

ところで事前に党内にも話をしていなかったと河野大臣が批判されています。

理由は発表前に内容が漏れるのを避けるためだったとか。

自民党内の親中派、親南北朝鮮派に漏れるのを警戒したのか、

マスコミにスクープされるのを避けたのか。。。。

いずれにしても、防衛や軍備に関する事は慎重にそして守秘を徹底するのは当然です。

今回の事で河野防衛相への批判が集中するでしょう。

しかし、それが国益になるのかどうかです。

それよりも、この機会に防衛とは何か、暴発国家である中国と北朝鮮がすぐそこに存在する事。

それらの国が日本を標的にミサイルを配備している事実について考える機会になればと思います。