上原美智子 ――祝彩 syuku sai ―― 展
天女の羽衣のように軽やかな織物で知られる上原さん。
カシミヤの細糸、鳥の羽、アンティークビーズ、
漆を施した絹糸などの異素材を繊細な絹糸に織り込み
祝祭の静淑で艶やかな空気を表現しています。
是非お越し下さい。
蚕がはき出した一本の糸を織って、一呼吸置きました。
今回、新たな気持で素材の豊かさと、
伴走してみたくなりました。
上原美智子
というハガキを頂いたので、江東区清澄のヨーガンレール本社一階「ババグーリ」へ行ってきた。
上原美智子さんの“あけずば織”に初めて出逢ったのは、二年前の八月であった。“あけずば”というのは、琉球の古語で“蜻蛉の羽”という意味で、その名の通り、トンボの羽のように透けて、世界一軽い絹織物である。
“あけずば織”のことは以前から知ってはいたが、本物を拝見できたのは、このときが初めてである。場所も、ここ「ババグーリ」であった。
単なる好奇心だけで出かけて行ったのだが、上原さんの「あけずば織」に囲まれているうちに、すっかり心を奪われ、虜になってしまった。
心奪われるともう駄目で、病気が出てコレクション?に加えたくなってしまう。
やっと一点にしぼり、「縞柄あけずば袋織大判ショール」を購入した。この時、「このショールを羽織った女性像を、木原和敏先生が描かれたら……」と、ふと思ったりもした。
上原さんの絹織物“あけずば織”は、国立近代美術館に「絣布」と「袋織布」とが収蔵されている。
“あけずば織”について上原さんは、「出来てきた布は、私が創作したものではないような気がします。神からの賜り物、素材と染めと機(はた)と自分の共同作業だと思います」と述べておられる。
幸い今日は、上原美智子さんが会場にいらっしゃり、直接、お話を伺うことが出来た。
「織ることは神経を集中させる仕事ですが、とても心地よい作業です。忍耐ではなく、歌い踊るような喜びを感じながら、織っています。次から次へと新しいイメージがわいてきて仕方がない」と、上原さんは話され、さらなる創作意欲を示しておられたのには、感動した。
木原先生も同じようなことをおっしゃっていた。一流の芸術家は皆、「神経を集中させる仕事を、楽しみ、喜びを感じながらするのだ」と、つくづく感じた。
明日の土曜日は、「木原和敏 個展」(銀座・画廊宮坂)だ。作品は先日、十分堪能したが、先生にお逢いできるのが、また楽しみでもある。
「 上原美智子 祝彩 展 」
22日(月)まで。(午前11時より午後7時まで)
江東区清澄3-1-7 ℡03-3820-8825
ヨーガンレール本社一階 「ババグーリ」
「 木原和敏 個展 」
21日(日)まで。(11:00~18:00 最終日は17:00)
中央区銀座7-12-5 銀星ビル4階
画廊 宮坂 ℡03-3546-0343
物忘れ素心蠟梅つや増して 季 己
天女の羽衣のように軽やかな織物で知られる上原さん。
カシミヤの細糸、鳥の羽、アンティークビーズ、
漆を施した絹糸などの異素材を繊細な絹糸に織り込み
祝祭の静淑で艶やかな空気を表現しています。
是非お越し下さい。
蚕がはき出した一本の糸を織って、一呼吸置きました。
今回、新たな気持で素材の豊かさと、
伴走してみたくなりました。
上原美智子
というハガキを頂いたので、江東区清澄のヨーガンレール本社一階「ババグーリ」へ行ってきた。
上原美智子さんの“あけずば織”に初めて出逢ったのは、二年前の八月であった。“あけずば”というのは、琉球の古語で“蜻蛉の羽”という意味で、その名の通り、トンボの羽のように透けて、世界一軽い絹織物である。
“あけずば織”のことは以前から知ってはいたが、本物を拝見できたのは、このときが初めてである。場所も、ここ「ババグーリ」であった。
単なる好奇心だけで出かけて行ったのだが、上原さんの「あけずば織」に囲まれているうちに、すっかり心を奪われ、虜になってしまった。
心奪われるともう駄目で、病気が出てコレクション?に加えたくなってしまう。
やっと一点にしぼり、「縞柄あけずば袋織大判ショール」を購入した。この時、「このショールを羽織った女性像を、木原和敏先生が描かれたら……」と、ふと思ったりもした。
上原さんの絹織物“あけずば織”は、国立近代美術館に「絣布」と「袋織布」とが収蔵されている。
“あけずば織”について上原さんは、「出来てきた布は、私が創作したものではないような気がします。神からの賜り物、素材と染めと機(はた)と自分の共同作業だと思います」と述べておられる。
幸い今日は、上原美智子さんが会場にいらっしゃり、直接、お話を伺うことが出来た。
「織ることは神経を集中させる仕事ですが、とても心地よい作業です。忍耐ではなく、歌い踊るような喜びを感じながら、織っています。次から次へと新しいイメージがわいてきて仕方がない」と、上原さんは話され、さらなる創作意欲を示しておられたのには、感動した。
木原先生も同じようなことをおっしゃっていた。一流の芸術家は皆、「神経を集中させる仕事を、楽しみ、喜びを感じながらするのだ」と、つくづく感じた。
明日の土曜日は、「木原和敏 個展」(銀座・画廊宮坂)だ。作品は先日、十分堪能したが、先生にお逢いできるのが、また楽しみでもある。
「 上原美智子 祝彩 展 」
22日(月)まで。(午前11時より午後7時まで)
江東区清澄3-1-7 ℡03-3820-8825
ヨーガンレール本社一階 「ババグーリ」
「 木原和敏 個展 」
21日(日)まで。(11:00~18:00 最終日は17:00)
中央区銀座7-12-5 銀星ビル4階
画廊 宮坂 ℡03-3546-0343
物忘れ素心蠟梅つや増して 季 己