一昨日、昨日と、アメリカ・フロリダのドナルド・トランプ米大統領の別荘で、安倍晋三首相と3回目の日米首脳会談が、約3時間半のゴルフを挟んで行われた。
今朝(日本時間)、両首脳の共同声明と、記者との質疑が交わされた。
話し合いの内容と、合意事項については、米朝首脳会談を行い、北朝鮮の非核化、日本人拉致被害者救出、経済問題では、トランプ大統領が日米の貿易不均衡を指摘、アルミ、鉄などへ関税を課すことなどについて、今後、日米の経済担当閣僚間で、FTA協定を含めた協議を行うことなどについて合意した。
しかし、今回の日米首脳会談は、どうも、トランプ大統領が安倍首相の弱みを利用し、巧妙に仕掛けた感じだ。
先ず、北朝鮮に対し、強硬な経済制裁を主張する安倍首相の頭越しに、北朝鮮の金正恩労働党委員長との初めての米朝首脳会談を行うことを断行、意に反する安倍首相を慌てさせた。
さらに、アメリカの安全保障に影響するためとの理由で、鉄、アルミなどに対し高い関税を課すと打ち出し、対象国として中国と並んで日本も含めた。
当初、対象に入れていた欧州、豪州、韓国などについては、その後対象国から外し、同盟国の日本については例外にしなかった。
トランプ大統領とは無二の親友と自認している安倍首相は、多分、信用丸潰れの心境になったことだろう。
つまり、トランプ大統領はここがつけ目で、案の定、安倍首相から訪米しての日米首脳会談セットの要請があり、今回の会談に繋がったのだろう。
こうなると、形だけは日米首脳会談だが、初めからトランプ大統領の思惑どおりに進んだ。トランプ氏は、何のためらいもなく米朝首脳会談に臨み、しかも、拉致問題を持ち出すことで日本に貸を作った。
その勢いで、安倍首相がうるさく主張するTPPを改めて否定、トランプ大統領がこだわっている自由貿易協定(FTA)へ主導した。
結局、今回の日米首脳会談は、安倍首相がトランプ大統領に何とか拉致問題を頼むことができたが、後は、日本に米朝首脳会談を認めさせ、経済・貿易問題もFTAの方向でテーブルにつかせることを承認させた。
米朝会談について、安倍首相はあまり込み入ったことも言い難かったのか、例えば、北朝鮮に長距離ミサイルは止めさせるが、日本に届く短距離ミサイルも放棄させて欲しいということまで言及したのか否か、共同会見ではよく分からないが、多分言わなかったのではなかろうか。
かくして、安倍首相は、今回もゴルフ外交などと言ってはいるが、ほとんどトランプ大統領への追随外交に終始したように見受けられる。「関連:2017年2月13日」
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