安倍晋三前首相の地元後援会が、桜を見る会の前夜、後援会員を集めて東京の高級ホテルで宴会を開き、会費を上回った分を負担したが、政治資金報告書に記載せず、東京地検は、後援会長を務める公設第一秘書を略式起訴、オーナーの安倍氏については不起訴にする方針だ。
先に、東京地検は、安倍氏を任意で事情聴取をした模様だが、何時行ったのかは明確でなく、やはり地検が前首相の取り調べにかなり気を使ったことが分かる。
安倍前首相が、定年延長までして東京高検検事長に就かせようとした黒川弘務氏が賭けマージャンでコケ、本命と言われた林真琴が7月から検事長に就任したが、その林氏ですら安倍氏に遠慮しがちの対応をしているのだから、黒川氏が検事長になっていたとしたら、桜を見る会の前夜祭問題はお蔵入りをしていたかも知れない。
しかし、安倍氏に任意ながら東京地検の事情調査を受けさせたことは、林検事長の責任感の表れだと思う。また、前首相の安倍氏にとっては、前代未聞の屈辱的な扱いと言える。
安倍氏は、桜を見る会の前夜祭問題で、国会の衆参予算委員会で118回も虚偽の答弁をした。「事務所は関与していない」70回、「明細書はない」20回、「差額は補填していない」28回といった具合だ。
この3つの答弁から推測すれば、安倍氏と、公設第一秘書が綿密に打合せしていなければ言えない内容だ。
しかし検察が、安倍氏を不起訴処分にするとしたのなら、安倍氏が事情聴取の中で、総てについて秘書が独断でやったことであり、自身は知らなかったと供述したからに相違ない。
また、公設第一秘書も検察に対し、自身が独断でやったことで、安倍首相にはいっさい報告していなかったと供述しているのだろう。
検察としても、安倍氏と秘書とのやりとりについて、確証を握るすべはなく、前首相を問い詰める分けにもいかないので、結局、安倍氏を不起訴処分にする以外に方法はないだろう。
しかし、安倍氏が、経緯はともかく、国会でウソの答弁を繰り返した事実は曲げられない。また、例え事実としても、秘書を管理できなかった能力不足は、国会議員として資格に欠けることにもなる。
何よりも、良心に咎められないのか。今回は、検察の事情聴取を受け、貴重な国会の審議時間を大幅に使い、時に、声を荒げ、ヤジをとばし、首相にあるまじき不遜な態度を繰り返しとったことを考えると、議員辞職にも該当する。
いずれにしても、安倍氏が不起訴になった場合は、国民の中から検察審査会で再審議するよう告訴があることは間違いない。「関連:12月21日」
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます