4月22日、大阪府立体育会館でボクシングW世界戦が行われた。最初にリングに上がったIBF世界ミニマム級王者・高山勝成(31・仲里)は、IBFでの初防衛12回戦を同級9位・ファーラン・サックリン・ジュニア(タイ)と戦ったが、偶然によるバッテングで両眼を痛め、血だらけになっての戦いを演じ、結局9回ドクターストップで、規定によりこの回までの集計の結果、終始、手数、スピードで圧倒していた高山が完勝した。高山は両まぶたを35針も縫う負傷に加え、右太ももに重傷を負っていた。
この日のメーンイベントは、WBA世界フライ級12回戦、チャンピオンのWBA世界フライ級王者ファン・カルロス・レベコ(31=アルゼンチン)に挑戦したのは、元世界ミニマム級、ライトフライ級2階級王者の井岡一翔(26・井岡)、井岡は昨年5月7日、IBF世界フライ級王者アムナット・ルエンロン(タイ)と対戦判定負けを喫してからほぼ1年ぶりの世界戦だった。
チャンピオンのレベコはこの日まで防衛8回の強豪、しかしリーチで勝る井岡はアドバンテージを生かし、自分の距離で左ジャブ、ボディーをヒットさせ、時折、相手のハードパンチの打ち終わりに右を合わせる場面もあり、着実にポイントを重ねて2-0の判定で競り勝ち、デビュー18戦目で世界最速3階級制覇を達成した。
この判定にレベコは納得しなかったようだが、確かに手数ではレベコは勝っていた感じだったが、有効打は少なく、ほとんど試合前と変わらない井岡の顔がそれを示していた。
井岡は、元2階級王者の叔父弘樹氏(46)が4度挑んでかなわず、自分が2度目の挑戦でついに3階級制覇を手にした。
この日の2試合は、高山が防衛、井岡が返り咲きという日本にとっては最良の結果となったが、高山は負傷、井岡は辛勝とスカットしない勝利だったことも事実だ。
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