こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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バルンカテーテル

2009-10-17 00:33:25 | 医療機器・介護用品
さっき、と言っても10月16日の23時過ぎ、風呂から出て頭を乾かしながらPCの前に座ったところで、緊急電話が鳴りました。

着信画面で、それが寝たきり状態で独居で暮されている○さんだとわかりました。
「おしっこのところが痛くて・・・」
不安げで、蚊の鳴くような小さな声でそう言いました。

バルンカテーテルが入っていますが、最近よく詰まるので、たぶん管が詰まって膀胱がパンパンになっているのだと思いました。
「大丈夫。すぐ行きますから、まっててね。」

訪問すると、やはり尿がバックに300CC弱しかたまっていません。
一日の尿量にしては少なすぎます。
お腹は、案の定カチカチに張っています。
○さんは、一寸苦しげにしています。
ミルキング(尿の管をしごいて流出を促す)をしても全然出ません。

「やっぱり、入れ替えないとダメみたい。今入れ替えますね」

長年の利用による尿路感染の繰り返しもあってか、混濁と浮遊物が多く、尿がネクターのようになってしまっています。

これは、バルンカテーテルを長く入れている方には、時々起ることです。
在宅医がいれば、一時的に尿路系の抗生剤を処方したりしてもらえますが、通院と言う形で受診されている方は、病院に行くまではどうにもなりません。

今日の昼間、病院連携室経由で、泌尿器科のドクターと相談したばかりでした。
次回外科受診日に泌尿器科も受診し、膀胱洗浄用の洗浄液を処方してもらう予定でした。
でも、この夜中ではどうにもなりませんので、バルンカテーテルを交換して「たくさんの水を飲んでね。」と言うしかありません。

バルンカテーテルも、1ヶ月に1回変えればいいシリコン製のものと、2週に1回変えるラテックス製のもがあります。
詰まりやすい場合は、安価なラテックス製で1週間に1度くらいで交換します。
あまり頻回な交換は、尿路感染のリスクが高まるので、なるべく1週間は開けているのですが・・・

また、太さもいろいろありますが、成人では16フレンチと言うものが一般的です。
身体が小さかったり、違和感が強い場合は14フレンチ、詰まりやすかったりする場合は、18フレンチや20フレンチと大きくしていきます。

特殊なケースでは、26フレンチを入れている方もいます。(そんな太いものがあるとは、私たちも知りませんでしたが)

今回のケースも、尿路感染を起こしているのかもしれません。

入れ替えると700CCも出ました。
これは苦しいですよ~。
聴けば、昼過ぎからいたかったとか・・・
我慢しないで、早めに呼んで下さいね。とお願いしました。

私も、夏に手術した後、ベット上での排尿ができずに、すごく苦しかった事を思い出します。
出したいのに、出ない。
尿意は強いので、眠れないし下腹部が痛くなります。
私も1時間ほどジタバタしましたが、結局ナースコールを押して、導尿をお願いしました。
350CCたまっていただけで、本当に辛かった・・

老人など、ある日突然尿が出なくなって、こちらで気ずいて導尿すると、1ℓ位たまっていることもあります。
ひえ~って感じですね。水腎症になってしまう。

脊髄損傷の方などは、尿がたまりすぎると、自律神経過反射と言う症状を起こして、血圧がバーンと上がってしまうこともあるんです。

とにかく、排泄はすごく重要なんですよ。
普通におしっこやウンチが出るのは、実はありがたいことなのです。

そんなこんなで、今日の0時半に帰宅してから、書いています。

それにしても、いくらご本人の意思とはいえ、一人で夜を過ごすのは、心細いものですよね。
「こんな夜中にごめんなさいね・・」と、何度も気にされていましたが、楽になってほっとされたお顔を見れば、こちらも元気が出るというものです。

すっかり、外は秋の気配で風も冷たい夜ですが、これからぬくぬくと眠りに就こうと思います。


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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はじめまして (monk)
2009-10-17 23:22:10
初コメです。
ときどき、こっそりうかがっては読ませていただいてました。

おばぁちゃん、楽になってよかったですね。

実は私は2年前に広汎子宮全摘をやっているので、神経因性膀胱で、尿意もなく最初の一年間は自己導尿をしてました。水腎症にもなりました。

だから、排泄の大切さ大変さは身にしみてます。出したくても出せないつらさも・・・。
つい身につまされてコメントさせてもらいました。
夜中に1人、何もできずにつらさに耐える・・・そんなときに救ってくださる訪問看護師さん。天使のような存在ですね。
これからも、どうか元気でがんばってください。



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ありがとう (こぶた部屋の住人)
2009-10-18 12:53:04
そうなんですよね。
排泄がなければ、生きていけないんですよね。
バルンカテやストマがない時代の人は、命も落とす事が多かったのではないでしょうか・・

なるべく、苦しい思いをさせたくないので、週明けには、膀胱洗浄の方向で考えます。
また遊びに来て下さいね。
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