こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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胃瘻管理の話。その3

2010-01-28 21:45:06 | 医療機器・介護用品
前回、いろいろ書きましたが、私が先生に協力をお願いするにあたって活用した、説得力のある文献をお知らせします。
すごくわかりやすいです。胃瘻からの半固形化栄養材をめぐる問題点とその解決法

この文献に各製品の粘度比較もありますので、是非読んでみてください。

実際の組み合わせですが・・
まず安価な方法からご紹介します。ちなみにこれがすべてではなく、うちのステーションが使っているだけですから、そこのところをご了解くださいね。

固形化の基材は、カルシウムの含有量などの理由から、商品によって違います。


一般的によく飲まれているエンシュアリキッドは、ソフティアENSで固形化します。
  エンシュア250MLに対して1袋入れてかき混ぜます。
NUTORIのホームページから購入可です。30包 1890円 1包あたり63円です。
エンシュアは、処方で出るので、一番安上がりです。
製品化されたものは、リカバリーニュートリート 400Kcalで1個当たり315円です。

ラコールで固めたい人は、イージーゲルで固めます。
単価は120個9480円 1個当たり79円です。
大塚製薬のホームページから買えます。製品化したものはハイネゼリーで、300Kcal315円です。
これは、ツインラインも固まりました。

そして、時間も手間も短縮して、逆流もバッチリ防止したい方。
テルミールPGソフト  400kcal 1個350円です。
写真にあるF2ショットは、粘度が下がりますが繊維が増えるみたいです。

粘度に関しては、PGソフトがダントツです。
細かい比較は先ほどの文献を読んで下さい。

ただし、PGソフトは粘度が高い分、粘りが強く手で注入するのはかなり大変なので、加圧バックを使うと楽です。(3000円ぐらいだったかな・・?)
 使い方も描いてあります。 
こんなものもありますが、みんな使っていないみたい・・

ケースバイケースで、いろんな組み合わせができます。
うちでは、これらをご紹介して、選択をしてもらいます。

長所でもあり短所でもある点としては、便が有形になりどっさり出ます。
排便コントロールは必要です。

これから考えたい方の参考になれば嬉しいです。


話は変わりますが、今日は県看護協会の賀詞交歓会でした。

泉区メディカルの管理者と一緒に食べまくりの飲みまくりでした。
ロイヤルパークホテルの宴会棟で、衆参両議員さんもたくさん見えていました。

同級生だった友達にも久しぶりに会えました。
センタ―病院の救命の師長だったり、船員病院の副部長だったりと、看護一筋頑張っていました。
本当は、看護師の先輩としても人としても尊敬する、現横浜市大病院看護部長 折津さんに会えるのを楽しみにしていたのですが、残念ながら急きょ欠席になったとのことでした。
一緒に働いていたときは、まだ私も若くてずい分わがままを言ったり、まとわりついたりしていましたが、決して怒らずいろんなことを教えてもらいましたし、かわいがってもらいました。
反面、私といえば、ばりばり仕事をすれば格好いいみたいな錯覚に陥っていて、後輩にもあまり優しくなかったな~と後悔しています。
折津さんは、あの頃からちゃんと後輩を育てていたんだなんと、今になって分かります。

またどこかでお会いできることを願っています。

さてさて、もう1月も終わりですね。
今月は6人の方とお別れをし、9人の新しい出会いがありました。
明日も一日スケジュールいっぱいですが、頑張らないとね。それではまた。

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19 コメント

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取り組みに地域差? (どりーむ)
2010-02-01 01:54:46
胃ろうからの半固形食の注入について、
話には知っていましたが、
具体的な取り組みについては、
改めて知ることができました。
ありがとうございました。

ただ、私の地域では、
胃ろうの方で、半固形食の注入を・・・という話は
耳にしていません。

記事を読ませていただき、
確かに半固形食が有効な方も多くあるように感じました。
少し、勉強していこうと思います。
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おすすめです。 (こぶた部屋の住人)
2010-02-01 22:54:39
興味を持って頂いてすごくうれしいです。
ただ、やろうと思っても、医師の了解や御家族への説明などが必要なので、一緒に取り組んでくれる訪問看護ステーションなどと御相談下さいね。
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いろうについて (こまつな)
2010-02-21 15:59:12
家族が誤嚥性肺炎を起こしたことから、入院先で半固形化を勧められ、あれこれ調べているところで当HPに出会いました。実際の要領がわかって、大変参考になりました。ありがとうございます。ご紹介されている文献はとてもわかりやすくてよかったです。胃ろうのケアのティッシュこより、早速、始めました。
ところで、うちは訪問内科医に約2週間に一回来てもらっているのですが、訪問看護は入れていません。でも、今回、医者の対応に疑問をもち、というか頼りなさを感じました。誤嚥性肺炎を繰り返さないために、訪問看護も入れて、いろんな見方、気づきができるようにしたいと、このHPを読んで感じました。
ちなみに数ヶ月前、訪問医に半固形化の相談をしたら、半固形化しても胃酸のため無意味だと(感情的に)言われました。肉芽ができた時はYカットガーゼを勧められました。最新の治療法はどんどん変わっていくものなのでしょうが、訪問のかかりつけ医として大丈夫なのでしょうか?
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いろんな先生がいますので・・ (こぶた部屋の住人)
2010-02-21 22:51:59
お医者さんの中には、自分がやってもみないで話を勧める方もいますので、ご家族が納得いくように説明して下さる先生が望ましいとおもいますが・・・
単なるトロミ材では効果は無いと言われていますので、勘違いされているのかもしれません。
うちの患者さんたちは、吸引器を使う頻度が激減しています。
ただ、腎機能とかの問題もあるので、注入する栄養剤はの成分は、医師の判断が必要になります。
ここは、主治医を立てて、「気休めでいいので、半固形材を使わせて下さいませんか?」と言ってみてはいかがでしょうか?
あと、胃瘻の肉芽はスリットガーゼよりは、こよりのほうが改善します。
これは、在宅医ネットの医師達も実際に行ってみて確認していますし、うちでも病院でスリットを使っていてかなりひどい肉芽だった方が、数日で消失しています。
御紹介した御家族皆様、入院するとスリットにされるので、とても嫌だとよく話されます。
しかし、感染を伴ったものや、あまりひどいものは、抗生剤の軟膏や、ステロイド軟膏(リンデロンVG)などを処方して頂くことがあります。
どちらにしても、信頼関係が成り立たないのは困りますよね。
こういうときにも、訪問看護師は患者さんと主治医のクッション役を担えます。
また、今後病状の変化や介護不安、保清や排せつのコントロールなども含め、ぜひ訪問看護をご利用いただければ嬉しいです。
誤飲性肺炎も、早めに気ズケルと思いますので・・。
ぜひ、ご検討くださいね。
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ありがとうございます (こまつな)
2010-02-23 22:27:07
お返事、ありがとうございます。
いろいろ思うことはありますが、とにかく前進あるのみ。いろいろ取り組んでいます。
ティッシュこよりは、順調です。
食べものの半固形化は、文献にならった粘土・注入時間・量にしてみました。下痢は解消しましたが、便秘気味です。
あとは痰があまりでなくなるといいなあと思います。今は肺炎のあとなので、そのせいだと思っているのですが、徐々に少なくなってくれればいいです。
吸引は難しいですね。チューブの根元を親指で押さえて・・・と私も病院で習いました。確かに急に圧がかかると危ないと思って、親指で押さえないようにしましたが、奥にチューブが行かないうちに反射が(おえっと)起きてしまいます。それと気管までチューブを入れるのは難しく、その手前までしかできません。徐々に慣れていきたいと思います。
やはり、訪問看護に入ってもらって、ちゃんと家族のケアができるようにしたいと思います。
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便秘傾向にはなるかも・・ (こぶた部屋の住人)
2010-02-23 23:45:37
固形化の患者さんは、みなさん便の量が増えるんです。
そして、便が有形になります。
このため、場合によっては便秘がちになりますので、やはり排便コントロールが必要になってきます。
これは、やはり訪問看護でやってもらったほうが、ご家族のストレスは減ると思います。

痰は、すぐには無くなりませんが、一カ月程度で急激に減少してくることがほとんどです。

吸引をされるのは、辛いものです。
オエっとなるのは、咽頭の反射がまだ良く残っているのだと思います。
こういう方の場合は、鼻腔からのほうがよいのですが、ご家族には難しいかもしれません。
オエってなる人は、この反射でゲホッと痰が咽頭まで上がってくることもありますので、それをうまく吸引するのも手ですね。
あまり無理に奥に入れると粘膜を傷つける事もありますので、無理せずにやりましょうね。

注入していない時(直後でない時)、耳を胸に付けて音を聴いてみてください。
ゼロゼロとかプツプツとか聞こえたら、気管や肺に落ちているかもしれません。
私たちは、音のする方の肺を上にして、スクイージングという去痰法を施しながら、咽頭まで痰を誘導して吸引したりします。
間違っても、バンバン叩いたりしないでくださいね。
あまり音が続くようなら、医師の診察を受けてください。
軽い誤飲性肺炎なら、在宅でも抗生剤投与で十分改善します。
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Unknown (こまつな)
2010-02-26 23:49:57
お返事、ありとうございます。
吸引に栄養剤の半固形化など、新たなことに少しずつ慣れてきました。しかし、やはり吸引とか「これでいいのかな?」と思うこともあり、早く訪問看護に入ってもらい、慣れた方がすることを見て自分も上手に(本人が苦しくないように)できるようになりたいです。
ところで、お医者さんって、実際の処置は知らないものなのでしょうか?半固形化についても知らず、タッピングやスリットガーゼを勧めたり、・・・。今回の誤嚥性肺炎も体調の急変で片付けられ・・・。これって普通なのでしょうか?
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う~ん・・・^_^; (こぶた部屋の住人)
2010-02-27 00:31:50
そんな先生ばかりじゃないんですけれど・・
なかには、古いタイプの先生がいるんでしょうね。
最近では、高齢者にはスクイージングも注意して、体位ドレナージとりラグゼーションでという説もあるくらいですから、タッピングはまずいでしょう。不整脈を誘発しますし、痛いだけ。
スリットガーゼは、在宅独特の方法なので、知らない先生は多いかもしれません。
そういう先生の時は、往診の時だけ先生のやり方にして、帰ったら戻すとかしている方がいましたね。

誤飲性肺炎は、高齢者には一番身近で危険な市病気です。
口腔ケアや、逆流の有無、体位ドレナージ(痰の貯留がある方を上にするなど)に注意して、普段から全身を観察しておくことが大切ですね。お母様、大事に至らなくてよかったですね。
ただ、廃用症候群と言う形での病状の進行は今後も覚悟していく必要がありますね。

でも、そこまで信頼関係が築けないのであれば、主治医の変更も考えてもいいのでは、と思います。

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考えてみます・・・ (こまつな)
2010-02-27 15:07:01
お返事、ありがとうございます。

やはり、誤嚥性肺炎にならないようにどうするか、しっかりと考えてくれる方に主治医になってほしいので、変更を考えたいと思います。なかなか訪問医を見つけるのは大変ですが、どうも必要な気がします。

ところで、痰が出やすくするために、吸入器を考えています。オムロンの超音波ネブライザNE-U07を考えていますが、おすすめがあれば教えていただければ有難いです。
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ネブライザーについて (こぶた部屋の住人)
2010-02-27 22:39:29
在宅では、あまりネブライザーまでは使わない事が多いです。
が、必要と言うことであれば、オムロンのもので良いと思います。
もし、痰が固くて出にくいのであれば、水分量が足りているのかどうか、また、去痰剤の使用なども考えてみてはいかがでしょうか?
これは、主治医との相談が必要なのですが、あまり相談に乗っていただけないということなので、どうしたことかと・・
ネブに関しても、液の内容に関してやはり医師の処方になりますので、まずは、上記の事の検討と、加湿器などの湿度調節などお試しの上、新しい主治医に御相談されてからのほうがいいように思えます。
喘息などの気管拡張で改善するものとは、本質的に違うので、ネブが効果的かどうかは疑問です。
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