こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
在宅緩和ケアのお話や、日々のあれこれを書き留めます。
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退院前訪問で。その2

2009-08-22 15:01:19 | 訪問看護、緩和ケア
いろんな病院へ退院前訪問に行きますが、時々びっくりすることがあります。

昨日は、うちからお願いしたケアマネさんと一緒にある病院へ退院前訪問に行きました。
主治医から、「すでに治療は終了し、今後は療養型やホスピスなどの転院を考えるか、在宅での療養を選ぶか、もし在宅を希望するのであれば、往診医と訪問看護が必要である」と言われ、在宅を選ばれた患者さんです。

いつも、とてもよく連携を取ってくれる病院でしたので、特に問題もなく、ソーシャルワーカーさんと、患者様ご家族と退院調整のお話をしていました。

当日の担当看護師も同席しましたが、ほとんど言葉はなく、聞いたことだけ困ったような顔をして、ぼそぼそと答えていたのはちょっと気になりましたが・・・

ところが、途中で師長さんが登場し、担当ナースは行ってしまいました。
そして、師長さんが言ったのです。

「ちょっといいですか?私、訪問看護は入る必要あると思うんです。
ポートが入っているし。
でも、なぜ在宅の先生が入る必要があるのかわからないんですが。
先生も、わからないようでしたが、どうしてそうなったんですか?
まだ、通院できますよね。先生から、通院日を言われると思いますよ。
それなら、在宅医はいらないんじゃあないですか?」

「?」話は通ってなかったの?
ソーシャルワーカーさんは固まってます。


終末期の患者さんが、ポートを付け在宅IVHをしながら療養する。

なぜ、在宅往診医が必要ないのか、こちらが聞きたい。

具合が悪いからと言って、すぐに病院来て下さいって、毎回往復すろことが、末期のましてご高齢の患者さんにどれほど負担があるか、ご家族に負担があるか。

「疼痛コントロールのことでしたら、とても上手に苦痛をとってくださる先生ですから、普段の通院も必要ないと思いますが。
もし、入院のご希望があれば、先生が直接病院の先生とご連絡を取ってくださると思いますよ。」

でも、納得がいかない様子。
「まだ、今の状態なら通院できますよね。それでいいんじゃあないですか?」

何度も「師長さん」に説明しているうちに、とうとうご家族の方が、「これは先生から二つ出された選択肢のうちの一つなんです。先生から往診医と訪問看護を勧められました。
最後は病院にお願いするかもしれませんが、それまでは、在宅で見たいと思っています」とはっきり言われ、「ああ、そうなんですか。先生はそんな風には言ってなかったような・・」
「じゃあ、退院後は全部その先生が、やってくれるんですね!退院時処方や、ルートはいいんですね」
「いえ、とりあえずの分は持たせて下さい」
なんか、すごく好戦的な話し方。
みんな、氷ついたように固まっていました。

後で聞いたら、癌専門看護師をとって、師長になったばかりとか・・・

申し訳ないけれど、なにを勉強されてきたのやら・・・

地域連携や、在宅緩和ケア、患者さんやご家族の不安や、負担の軽減などは教えてくれないんでしょうか?
もろに病院内の連携や方針の違いを、ご家族に暴露したようなものです。
あんな調子で、スタッフに接していたら、スタッフも何にも言えないかも。

主治医の先生はまだ若く、そのへんの方針を看護師にうまく伝えられなかったのか。
ご家族から「先生が全部そのご紹介もしてくださるのかと思っていたら、いつの間にか相談室の方が全部動いてくれるようになりました。そこの連携が、私たち家族にはちょっと疑問だったのです・・」と、本音をポロリ。

かわいそうなソーシャルワーカーさんは、ずっと謝ってくださいましたが、本当に御苦労さまでした。

肩書きや理論もいいけど、自分の身に置き換えて考えることができなければ、緩和ケアどころか、日常のケアも難しいんじゃあないでしょうか。



110番はしちゃだめなの!?

2009-08-22 10:55:22 | 日々のあれこれ
昨夜は、PCを前に、いつのまにか爆睡してしまい更新できなかった・・・
まだ実は眠いんですよ~。それはさておき。

昨日うちのスタッフが、朝カンファのあと、こう言いました。

「昨日、○○さんのお宅へ訪問しようとして、車をお降りたら、おばあさんが荷物を両手に持って歩いてきて、急にバタンと倒れたんです。
びっくりして、助け起こしたんだけれど、『誰かが殺しにくる!』とか叫んでまたバタンと倒れる・・で、周りの人も助け起こそうとするんだけど『お前も殺されるぞー!来るな~!触るな~!』と騒ぐので、みんな引いてっちゃって、でも頭を打ちそうになるし危険なので、もう一人居てくれたおじいさんと110番に保護してもらうことにしたんです。

110番に連絡したら、お巡りさんが3人来て、そのうち一人が現場を見て、
「こんなことで110番しないでよ。110番は一日3000件もかかってきて大変なんだよ。この程度の事なら直接瀬谷警察に電話してよ!」

「!?」
「そんなの無理ですよ!瀬谷警察の電話番号なんて知らないし!」
「じゃあ、ノートに書いといて。教えるから!」

そう言って、ノートに所轄の警察署の電話番号を書かされて帰ってきたそうです。

生真面目な彼女は「そういうわけで、皆さんそういうことに遭遇したら110番ではなくこの電話番号にかけてください」と、カンファで告げたわけです。


「なに!それ!おかしいでしょう?人が倒れて困っていて、危険を伴うから、国民の義務として、人として110番に電話したのに、電話するな?
じゃあなんのための110番なのよ!!」

どう思いますか?国民の何人が所轄の警察の電話番号を知っていますか?
彼女は、警察が来るまで、この騒いでひっくり返るおばあさんを保護していて、患者さんの訪問を40分も遅れてしまったんですよ。
朝一番で40分遅れると、その後の患者さんみなさんに迷惑をかけることになるんです。
それでも、ほっておくわけにはいかないでしょう?人として。

その彼女に対して、「御苦労さま」でもなく迷惑そうに「110番するな」
それはないですよね。馬鹿にしてる。

そのあと、あんまり腹が立ったので、もとお巡りさんをしていたケアマネに話しました。
彼は「それはおかしいよ。絶対苦情の電話を入れたほうがいい!何バカなこと言ってんだか。言わなきゃだめだよ!」とのこと。

その後医師会長にも電話、「そんなバカな話はない。どういうつもりでそういうことを言っているのか、はっきりさせて!」との後押し。

まず、110番に電話、事の顛末を話しました。
110番の方いわく、「それは所轄の警官が到着してから言ったんですね。それでは110番のものではなく、所轄の警官が言ったんだと思いますので、所轄のほうに言って頂ければ・・・うちのものではないので。電話番号わかりますか?」

ええ、ええ、スタッフがメモまで取らされてますから、と言いたいのをこらえて
しばらくしてから所轄の警察へ電話しました。

電話すると、すでに話がいっていて、「大変申し訳ありません。うちの署員が行っていることは間違いありません。本当に申し訳ありません。」と平謝りでした。

でも、何でそんなこと言ったのか?3000件電話が来るからといって、それを善意の市民に言った理由を知りたかったんですが・・

「じゃあ、こういう場合は、110番でいいんですね?」
「はい、結構です。でも自転車の鍵がなくなったとか、別に急がなくてもいい場合はこちらまでご連絡ください」
「うちのスタッフは、それくらいの状況判断はちゃんとできます。」
「はい、すみません。ところで、あの方のその後はご存知ですか?」
「知りません。」
「あのかたの家のすぐ前だったとかで、すぐにおうちの方にお引き渡ししました。特に、認知などもないとのことでした。」

当事者のスタッフに、今の話をすると「エー。家の前じゃないですよ。前の棟の4階かなんかじゃないかって、近所の人が言ってたけど。それに、被害妄想もすごくて誰も近ズけない状況で、「殺すの、殺されるの」って大変でしたよ。近所の人も新聞配達の人も、結局みんな手が出せずに去っていきましたよ」

警察のかた、問題のないおばあさんが、ちょっとけつまずいたくらいで、スタッフが110番を呼んだと判断したんでしょうか?