こぶた部屋の住人

訪問看護師で、妻で、母で、嫁です。
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在宅IVH(中心静脈栄養) カフティーポンプ

2009-08-17 22:25:33 | 医療機器・介護用品
今日は在宅でよくつかわれる、カフティーポンプのお話をします。


消化管の病気などで、ほとんど口から食事が取れない場合、鎖骨下静脈(最近ではもっといろんな血管を使いますが)という太い血管から、栄養を入れる方法を選ぶことがあります。

最近ではポートといわれる、小さな丸い台のついたチューブを身体の中へ埋め込んで、皮膚の上から丸い部分に針を刺したり抜いたりできるようにして帰ってきます。

チューブの部分が静脈に入り、丸い台は皮膚の下に埋められます。
  特別の曲がった針で、皮膚の上から丸い台を刺して固定します。

針を抜けば、いつでも自由の身です。
以前は、直接血管に管を入れて、糸で縫っていたので、自由に針を抜くことも、お風呂に入ることもできませんでした。

そして、これに繋ぐのは、高カロリー輸液です。
高カロリーなので分子が大きく、腕などの細い血管からは入れられません。

その点滴に輸液のルートを繋ぎ、ポンプにセットして、針に繋ぎます。
 これがルート。
ポンプは、これです。 

この作業は、入院中に練習するものの、ほとんどの方は訪問看護師に依頼されます。
24時間毎日入れている場合は、輸液だけをご家族が交換して、週に1回看護師がルートも交換して、針も差し替えます。
この時、針を抜いている間に入浴したりもします。

ポンプと、輸液はふだん邪魔なので、こんなキャリーバックに入れておけば、どこにでも持って行けます。
 胸元からでたルートを、ボタンホールにひっかけて、キャリーバックを持ってお出かけもできるわけです。

ポンプは、簡単に扱えるようになっていますが、やっぱり使い慣れていないと不安なものです。

空気が、ルートに入るとセンサーがキャッチしてアラームが鳴ります。
チューブが折れていても鳴ります。

わかっていても、アラームが鳴ると結構びっくりして、パニックになったり、触るのが怖くて緊急電話が入ったりします。

でも大丈夫。絶対空気は入らないようになっているので。
ポンプを止めて、調節のクレンメを止めてゆっくり考える、わからなければ電話をすれば問題ありません。

一度ポンプにルートをセットすると、カセット内のストッパーがかかってしまうので、カチットスタンドで、解除しなければならないので、やっぱりこちらで対応するのが無難かもしれません。
でも、機械に強い人は、どんどん操作できます。

針を抜いてしばらくポートを使わないときは、以前はヘパリンを注入しましたが、外国製品の感染事故があった後は、生理食塩水を使っています。

こういう機械も、なれてしまえばほとんど問題なく使えるようになります。

後は、感染に注意ですね。
あまり抜いたり刺したりが頻回だと、感染のリスクが高くなります。
在宅だと、週の半分だけ使って、あとは自由の身で過ごす方もいて、必然的に差し替えの機会は多くなります。

なので、発熱や刺入部の消毒、観察はとても重要です。

針を刺すとき、すごく痛がる方もいて、そういう時は表面麻酔のパッチなど使ってみたりしますが・・・。(そう、水いぼを取る時のパッチです・)

効果は、人それぞれですかねー・・・。